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歌姫と召喚士  作者: むさし
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第一章 出会いと別れ⑧

切りのいいとこ迄と、ダラダラ長くなりました。

すみません。



読んで頂けたら幸いです。

宜しくお願いします。

「聞きたい事は聞いたよの?」

 念を押すように、じじぃが聞く。もう、面倒臭いが体から滲みでてる少しカッコいいかもと思った自分を殴りたい。

「何言ってんだよ!まだまだあるよ。結局なにが何だか分かってないんだから!それに‥」

 まくし立て様とすると、頭を思い切り殴られて

「もう、嫌じゃ。後はコトに聞け」

「殴るなよ!じゃあ聞きたい事って言うなぁ!」

「先ず、果ての菊を目指せ。そこから全てが始まるじゃろう!わし、預言者の様じゃな!」

「何だよそれ」

 やっぱりアホじゃないかじじぃ‥

「菊?」

「清浄の地、菊じゃ。言っとくが転移は出来んぞ?広範囲に結界があるからの。近くまでわしは飛べるが。まぁ、走って行け」

「何ヵ月掛かるんだよ!そんな時間無いだろ?早く助けに行かないと!」

 のんびり旅なんて!

「まだそんな事言うのか?今行って死にたいのか?封印が解かれたくらいでランに勝てる言うんか?この駄孫どんだけ馬鹿なんじゃ。やっぱり育て方間違えた‥」

「うっ」

 滅茶苦茶馬鹿にした目で見られてる。

 じじぃに正しい事言われたら、すげぇ腹立つ‥

「どっちにしろ、後4年は奴も何もできゃぁせん」

「何?4年て」

「だから、コトに聞けと言っておろうが!しつこい男は嫌われると口酸っぱく‥」

 いやもういいから!

「聞きたい事聞けって言ったじゃん!」

「もう、あき‥忘れた」

 飽きたって言い掛けたよね!こうなったらこのじじぃは何一つ教えてくれないし、動かない。

「菊に行けばいいんだね」

「そうじゃ」

「じいちゃんは?」

「わしは‥知らん。当分はそこら辺におるかの。菊に戻ると鬼嫁がうるさい」

「何だよそれ。それなら、一緒に行ってくれればいいじゃないか」

「馬鹿たれ!そんな事したらお前甘えるじゃろうが、真っ平御免じゃ!」

 ですよねぇ‥そう言うよねぇ‥面倒って顔に書いてあるよじじぃ。もう何を言っても無駄だと、ため息交じりに下を向いたら頭をがつっと掴まれ、顔と顔を付き合わさせられる。

「一つ一つの出会いを大事にして、一歩ずつ進め。それが今のお前には一番必要な事じゃ。わしらが守る時間はもう終わったんじゃ。自分で決めて前へ進め」

 昔から僕が失敗したり悪さをしたら(一通り殴り回された後に)言い聞かせる時のじいちゃんの目としぐさ。驚いて目を見開く。


「強くなりたいんじゃろう?」

 じいちゃんがにやっと笑った。

「うん。強くなる」


 わしわしと頭を撫でられる。妙に照れ臭くなって逃げようとすると、もう一度頭を掴まれる。でも今度はギリギリ音がするくらいの力で!

「あだだだだだ!」

「まっ、行く前にマイホーム直してけよ。ぶち壊しおって!そのままで済むと思うなよ?それと紫の、主らどうするんじゃ?」

 いや、話するなら手離してぇ!痛いって!頭割れる!

「私達はダン君と共に行きたいです。力不足を承知の上で!」

 力強く2人が声揃えてをそう言った。

「そうか。主らにも理由があろう。何事にも無駄はないぞ?また初めから一つずつ積み重ねていくとよいじゃろう」

 良いこと言った!みたいに威張って言うのはいいから、いい加減手離してぇ!

「はい!」

 やっと手を離して2人に

「駄孫じゃが頼むの。人間社会を何も知らん奴じゃ。面白いくらい知らんぞ。一切教えとらんからの。ほっほっほ!それじゃ菊でまたあうじゃろう」

 と、嵐が去るようにその場から消えた。

 痛みに頭を抱えていると、セサミが側に来て優しく鼻を擦り付けてくる。額の紋様はいつの間にか消えていた。

 僕がルナと繋がってると、一緒にいたいと思うように、セサミも母さんの側に行きたいんだろうな‥‥。

「セサミ。何時も側にいてくれてありがとう。ごめんな。母さんのとこに帰りたいだろうに‥‥‥」

 そう言うと。何言ってるんだと言うように尻尾を振って静かに横に座ってくれた。そう、いつもそうしてくれてるように。




「すっすみません。身勝手なじじぃで」

 と、頭をさすりながら謝る。まだいたい‥するとリュウさんが陶酔したような目で

「あの魔王に会えた!しかも、ダン君はその孫!もしかしたら、そう!もしかしたら稽古もつけてもらえるかも知れない!あぁ俺は何て幸運なんだ!姫様ぁ!俺も強くなって迎えに参りますからぁ!」

 と、叫んだ!やっぱり恐いです。リュウさん。叫んで燃えてるリュウさんを尻目に

「姫様の元に今すぐでも私も行きたい。でも、無理なのは思い知らされた‥。

 だから、ダン君改めて宜しくね。一緒に菊を目指しましょう。世間の事は私が教えてあげるわ」

 と、にっこり笑いながら手を差し出してくれた。

「はいっ!宜しくお願いします」

 握手をして、笑いあった。

「じゃあ支度したら出ましょうか?菊は遠いわ。私も果ての方面には行ったことないから、転移出来ないし‥」

「直ぐに行きたいのは山々なんですが、少し待って下さいませんか?」

「ん?どうして?」

「家、直してからいかなきゃいけないんで‥‥‥」

 意気込んでるリョウさんに、悪いと思いつつお願いする。

「直しとかなきゃ、あのじじぃ何するか分からないから。千の嫌がらせされるとか‥考えるだけで恐ろしいんで」

「あ~成る程‥だよね。あのお祖父様だものね。って、少し?数日じゃなくて?」

「あっはい。どうにかしますから。元々掘っ立て小屋みたいなものですし」

 笑いながら言うと

「やっぱりお孫さんなのね。理不尽極まりないわ」

 と、苦笑いしながらリョウさんは言った。じじぃと並べられてショックを受けたのは黙っていよう。

 そしてリュウさんは何故か上半身裸で腕立て伏せをしている。よく分かんない人だ。そして、良い笑顔で近づいて

「俺も手伝うよ!ダン君!きらーん!」

 じいちゃんの真似だろうか?怖い!

 何とか、恐怖から立ち直り

「あっあのお二人共、僕の事ダンて呼び捨てにして下さい。何か照れ臭くて」

 と、言うと

「分かったダン!手伝うぜ。何でも言ってくれ」

「分かったわ!ダン。私も出来る事が有れば言ってね」

 そう言ってくれた。呼び捨てにしてもらえて、少し近くなった気がして嬉しかった。


 よし土木工事だ。さあ、がんばるぞ!

 先ず瓦礫を片付ける。これはノームに頼もう!埋めちゃえばいいや!必要な物だけ分けてよける。

「大地の友人ノーム!土を掘り瓦礫をうめてくれ。ランドディグ」

 ノームは小人の精霊でいつも大勢で来てくれる。ここは任せて次は木だな。

「ちょっと木を集めて来ます!お二人は少しゆっくりしてて下さいね!セサミ行こう」

 なんでたろう?2人ともまた唖然とした顔してる。色々あって疲れてるんだろうな。まっ木材木材!

 セサミと森に入る。

 切らせてくれる木を探さなきゃ。ドライアドに聞いてみよう。

「森の番人ドライアド!僕の願いを聞いておくれ」

 応えて来てくれる。

「家を建てる木が欲しいんだ。切らせてくれる木達を教えておくれ」

 めったやたらに伐ってしまっては、精霊達に嫌われてしまうからちゃんと許可は取らなければ。昔じいちゃんにそう教わった。

 ドライアドはにっこり笑って、着いておいでと手招きする。その後ろを走る。そして、森の一角に連れていかれた。どうぞと、ドライアドが指し示す場所の木を「ウインドカッター!」

 伐らせて貰う。必要な木を集めて、家を建てられるよう木材に加工していく。

「ドライアドありがとう。森の木々たにもそう伝えておくれ」

 一つ頷いてドライアドはきえる。

 木々の回りに転移魔方陣を展開させる。

「ムーブテレポーテーション」

 よしっ!これで家の側に届いてる筈!

「急いで戻ろう!」

 走って戻ると、先程と同じような顔で木材を見つめてる2人が

「もう何があっても驚かないは私」

 ぶつぶつ呪文のように唱えてるリョウさんに、固まったまま動かないリュウさん。

「はは、木が突然現れた!木が木が」

 やはり呪文唱えてる。

「さっさと組み立てちゃいますから!」

 ノームは埋めるだけじゃなく、土台も作ってくれてた。

「ノームありがとう!また、頼むねっ」

 ひげ面のノーム達は、陽気に手を振って消える。

「フロート・アセンブル!」

 空間魔法と風魔法の合成で間取をしっかりイメージしつつ、浮かして組み立ていく。

 隙間は土魔法で

「マッドペインティング!」

 土を塗って

「ドライ」

 風魔法で固める。

 よしっ!こんなものかな。形が出来てりゃ怒られないだろう。

 家具は戻ったら作ればいいし。

「出来ました!いつでも行けますよ」

「リュウ私夢でも見てるのかしら?」

「大丈夫だ。俺も見てるから」

 小一時間で、家を建てた僕に鬼気迫る表情で

「世間に出たら、何かする前に必ず私に言ってね!必ずよ!大事な事だから二度言うわ!か・な・ら・ず!よ!」

「はっはいぃ!」

 僕、悪い事したのかなぁ‥。


 ルナは今も苦しい思いしてるかも知れないけど、生きてる。

 必ず助けに行くから。

 直ぐに来れなくてごめんてちゃんと謝るから。

 だから、待ってて。ルナ。

読んで下さる方々に感謝を!


やっと旅立てます。

第一章もこれで終わりです。

第二章は、ちゃんと冒険バトルさせたいです。


後、なんと!ブックマークをして下さった方が!自分の目を疑い二度見したくらいです。本当にありがとうございます。

これをバネに拙いながら毎日更新がんばります。


ちょっぴりでも、続きが気になると言う方はどうぞまた宜しくお願いします。

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