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歌姫と召喚士  作者: むさし
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第一章 出会いと別れ⑦

嘘をつきました。

力不足で纏め切れない‥

申し訳ありません、更新がんばります


読んで頂けたら幸いです。

 固まった思考を何とか動かす。

「ルナを助けたい。それだけは決めたんだ。それが覚悟ならあるよ」

 そうしぼりだした。

「それは何故だ?ちょこっとあっただけの(おなご)だろう」

「知らないよ!僕だって分かんないけどそうしたいって思ったんだ。中から溢れてくるんだ。助けろ。護れって。闇とか光とか知らない事を考えるのは無理だ!でも、出会って半日だけどルナの瞳が頭から消えない。だからその為なら何だってする」

 射ぬくような視線に抗いながら叫ぶと、張りつめていた空気が少し柔らかくなった気がした。



「まだまだ甘いが運命(さだめ)からは逃れられんか」

「運命?」

「面倒くさいから、一度しかいわんぞ。四大公国の王、神官と守り人一族のみに伝えられた話じゃ。本来『歌姫』には必ず守護獣がおる。紫の。見たことあるかの」

「ごっございません。そのようなお話も初めてお聞きしました」

「そりゃあたりまえじゃ。切り札は隠しとくものじゃからな。ほれ、コトの守護獣がセサミじゃ」

「セサミが!?」

「で、当代様の守護獣がお前だ」

「は?」ぼく?

「2度きくな。ルナ様の守護獣はお前だ」

「僕人間だよね?えっ?違うの?」

「人間じゃぞ。多分」

 多分て‥

「セサミ見せてやってくれ」

「クゥ」

 セサミの額があわく光ってその額に梅の花を中心に描かれた紋様が紅く光る。

「初めて見た」

「ほれ、お前にも」

 じいちゃんが僕の額に手を翳す。

「古からの約定今果たされん。カミヤが願う。レリース」

「あつっ!」

 額に熱が集まる。何かが僕の中で弾けた。光ってるし。

 次にきたのは全身を襲う激痛!

「がっはっ」

 なんだこれ。痛い痛い。痛みに呼吸がまともに出来ない。

「封印をといたからの。過剰な力がお前の中で暴れとるんじゃ。強すぎる力は人である身を滅ぼす。本来なら後4年は解く予定ではなかったんじゃがのぉ」

「我が友レム。沈痛の風を頼む。ペインレリーフ」

 レムの風が包みこんでくれて、息が出来るようになる。でも、和らいだだけで痛みは続く。

「お前が産まれた日、早すぎる後継も産まれた。額の紋様に愕然としコトが封印したんじゃ。実際のところ、何故お前に守護獣の紋があるのかは全く分からん。しかし、内から溢れる力と気配、コトは歌といっとたか‥それは間違いなく守護獣のもの。それから、直ぐにコトは全てのものからお前を隠した。既に闇が動き出していたからじゃ。

 守護獣は切り札。『歌姫』と一対をなすもの。この子に何かあれば当代『歌姫』も無事ではすまないとな。

 レムありがとの。もうええじゃろう。また頼む」

 レムの風が頬を撫でて消えていく。

「わし喋りすぎたからもうええか?」

 いえ、お待ち下さい。

「まだ駄目」

「ちっ面倒くさい。全てお前が弱いのが悪い」

 もう、それはいいから。

 身体はまだ痛い。身体中の血液と魔力が絶えず荒れ狂ってるのがわかる。それでも、声は出るようになった。


「闇って何?」

「破壊と混沌と言ったところか」

「動き出したって?」

「本来なら、神の名を持つ一族は『歌姫』の守り人。

 その1つが闇に堕ちたからの。『歌姫』が生きてさえ居れば大和は滅びん。じゃが『歌姫』が闇に堕ちれば世界は暗闇に照らされる。死んだも同じじゃ」

「守り人って」

「カミヤ、カミヤマ、カンダ、そしてカミノ。『歌姫』の守り人の一族じゃよ。影から『歌姫』を護ってきた。お陰でこのわしでさえもコトには逆らえん」

 何でそんなに嫌そうなんだ。

「カミノ?ラン・カミノ?」

 石楠花の皇王が『歌姫』の守り人の一族?


「そうじゃ。過去の『歌姫』暗殺の際にカミノ一族は闇に堕ちた。

 絶望と共にな。静かに怨嗟を溜めて暴れだしたんじゃ。

『歌姫』に仇為す世界など滅べばいいとな」

「ランは花嫁って言ってた」

「『歌姫』を堕とすのに一番手っ取り早い」

「守り人がいるのに、何でルナは拐われたの?」

 今、聞いた話で一番引っかかったことを聞く。影から護ってるんならおかしいじゃないか。苦虫を噛み潰したような顔をじいちゃんはした。

「気付けなんだ」

 静かにそう言った。

「桜国への奇襲すら闇に覆われてわしらやコトでさえ気付けなんだ。ただの失態じゃ。完全に出し抜かれた。ここの結界が破壊されなければ拐われた事すらわしらは知らんかったじゃろう」

 そか。こんな状況なのに少し安心した僕がいた。

「そか、じいちゃんでも失敗するんだ」

 気が緩んで笑いが出た。認めたくなかったけど僕にとっての絶対強者のじいちゃんでも。

「失敗じゃすまんがの。ちっ駄孫に舐められる日がくるとは」

「ぐっ」

 再度激しい痛みが襲ってきた。

「あぁぁぁぁ」

 僕が紅く光る。それが収まると同時に僕の中に自分のものではないもう1つの鼓動を感じた。あぁルナだ。今、繋がったんだ。唐突にそう理解した。

「ダン君目と髪が!」

「え?」

「瞳の色が紅くなってるわ!綺麗な深紅よ。髪も瞳と同じ色だわ」

「それがお前の本来の色じゃ」

「そうなんだ。凄いね」

 何が凄いのか分かんないけど。

「さて、どうする?コトは選ばせろと言った。護るのかそれとも人して生きるか。運命とか言うものにお前を縛り付けたくないとな。

 争いを好まんのは知っとる。

 だから、お前が行かんと言うのならわしらが代わりに行く。安心せい。失態をそのままにするのは末代までの恥じゃし。だから、お前はどうしたい?」

 さっきとはうって変わって静かな目でじいちゃんがそう言った。

「ルナがいるんだ。ここに」

 胸に手を当ててそう言った。

「繋がってるんだ。ルナと」

 初めてルナの歌を聴いたときと同じ感覚が甦る。あの時は訳も分からず涙が出た。でも、今はわかる。

「ルナを助けに行くよ。だってルナは待ってる」

 決められ運命とか、守護獣とか、わけわかんないけど僕はルナと一緒にいたいんだ。

纏めきれなくてどんどん広がります。

旅立ちまで、もう少しお付き合い下さい。


読んで下さる方々に感謝を。

続きがちょこっとでも気になる方は

また宜しくお願いします。

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