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歌姫と召喚士  作者: むさし
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第一章 出会いと別れ⑥

物語が動き始めました。

謎のじじぃとうとう動き始めました。

かき回されそうな予感がします。


読んで頂けたら幸いです。

それは夜明けと共にやって来た。

悪夢が嵐のように‥‥

「なんじゃあこりゃぁぁぁぁ!」

ふぁあ?朝から五月蝿い?えっ?うるさい?えぇぇぇ?もしかしてじいちゃん!?

「は~んダンいいご身分じゃのぉ。憩いのマイホームを破壊したくせに、べっぴんと添い寝とは!貴様ぁ生意気にも大人の階段上ったんかぁっ!」

1年前と1ミリも変わらない化け物は来るなりそう叫んだ。

「えぇえぇっ!なっ何いってんのぉ?あほかっ!このくそじじぃ!憩いのマイホームって何だよ?」

「あぁあん?1年ぶりにあったおじい様に何て飯草じゃ?あんなに可愛かったダンが!そんな子に育てたつもりは無いぞ!やっぱり甘やかして育て過ぎたか‥よよよ」

「なにがよよよだっ!何都合のいい事言おうとしてんだよ!誰がおじい様だ!あれが甘やかしてたなら僕はとっくにこの世に居ないよねっ?」

「わしが、近づいた事も気付かんくそ孫には丁度ええ」

「ぐっそっそれは」

確かにまた分からなかった。寝てたけど。それは言い訳だ。昨日の今日で何て体たらくだ‥

「まぁお前が未熟なのは今に始まったこっちゃないが」

「ぐっはっぐぐっ」

弱いと自覚して更に追い討ち。刺さってるからね言葉の刃!止めを刺しに来たのか?このじじい‥

「どうせ考えなしに要らぬ事に首を突っ込んだんじゃろう。この世間知らずがっ!」

「かはっ!」

腹が立つくらいその通りです。でも世間知らずはじじぃのせいだよねぇ?恨みがましく涙目になる。

「ねっねぇ」

リョウさんが

「もしかしてお祖父様?」

僕らの会話にドン引きしたのが分かる顔で恐る恐るというように聞いてきた。

「あっ」

はい、と返事をしようとしたとたん。

「こんなところで、こんなべっぴんさんに出会えるとは!運命じゃな!お嬢さんこんな小便臭いくそ孫よりわしにしとかんか?きらーん!」

と、リョウさんの手をがしっと握り、のたまった。何だよきらーんって!でもはやっ!また、見えなかった。くそぉ!

「あほかぁ!軽々しくさわんなぁ!」

げしげし蹴るのにこのじじぃびくともしねぇ!ちくしょう!

リョウさんは、えっ?て顔で状況把握が出来ないみたいだ。

「その美しい紫の髪と紫紺の瞳。うむっ、まれに見るべっぴん!」

「あっありがとうございます」

「桜国のイサキ兄妹じゃな?」

びくっ!と、リョウさんが目を見開く。隣で話についていけなくて、置いてけぼりだったリュウさんも警戒するように身構える。

「じっじいちゃん?」

「有名な話じゃ。当代『歌姫』ルナ様の護衛官紫の兄妹。片時も離れず寄り添う双子」

「ダン。『歌姫』様にお会いしたか?」

「うっうん」

「どこにいらっしゃる?」

「そっそれは‥」

石楠花(しゃくなげ)か?」

「なっなんでっ」

「そうか」

どういうこと?なんでじいちゃんが、そんな事知ってんだよ?拐われたの昨日だぞ?

「この地の結界が壊れたと、コトが半狂乱で騒ぐから見にきた」

コト?誰?

「死んどったら墓くらいは作ってやらんといけんからのぉ。ほっほっほ。転移も封じられとって使えんから果てから愛しい孫の様子を見に走ってきたんじゃぞ?感謝せい」

殺すなよっ!違う!それじゃない!

「何それ?コトって誰?」

「は?お前の母親じゃろうが」

「えっ?母親って生きてるの?」

「あ~あんまりお前がうるさかったからめんどくさくて死んだ事にしとったんだったか?話とったと思うとったがのぉ。ほっほっほ」

面倒臭いってなんだよ?!は?とうとうボケたかじじぃ。てか、ほっほっほをやめろ。気に入ってんのか?

「ちなみに親父も生きとるぞ。ど外道野郎じゃがな。わしの息子とはとても思えん」

どっかーん!もうダメだ‥完全に、キャパ超えた。僕の頭からは多分白い煙が上がってるだろう‥

「待ってください!コト、と仰いましたか?」

リョウさんが問う。

「ああそうじゃ。セサミとコトは繋がっとるからな。まぁ早く行けと凄い剣幕で、ありゃ、鬼じゃ」

「だから待って下さいって!もしかしてコト・ヤマト様ではないですよね?」

「あ?そうじゃよ」

「先代『歌姫』様が、ダン君のお母様‥‥」

「そうなるのぉ」

僕は白目をむいて倒れた。


セサミに叩き起こされて覚醒。マジで止め刺された気分だ。色々ありすぎて、整理が追い付かない。

まず、僕の両親は生きてた。何故か果てにいるらしい。で、母さんは先代『歌姫』で、セサミと繋がってて‥僕の危険を察知。じいちゃんを送り出した?

「相変わらずごちゃごちゃ考えとるのが丸分かりな孫じゃの。独り言はあれ程モテんと言い聞かしたじゃろうに」

ちゃちゃいれんなっ!

「じいちゃん何で石楠花(しゃくなげ)に拐われたって知ってた?」

「セサミとコトの二重結界を破るでなく壊せるのは、今この世には数人しかおらんでな。その1人がラン・カミノじゃからの。桜国は文字通り滅亡させられとったし。ちょこっと考えりゃ『歌姫』絡みで石楠花に拐われたとわかるじゃろ。まっ紫の双子もおることじゃし」

「面倒臭い事この上ないが、鬼嫁が説明してこいと言うから、来たんじゃ。まっ間に合わんかったらちゃんと墓を作る気だったぞ?」

どんだけ僕の墓作りたいんだ。このじじぃ。

「説明って?」

「知るか!」

「は?」

「何でわしが、わざわざ話さにゃならん。聞きたい事を聞け。答えてやる。」

出たよ。理不尽大魔人‥

「あのぉお聞きしてよろしいでしょうか?」

と、おずおずリュウさんが聞いた。

「男は嫌じゃ!」

一刀両断。今答えるって言ったじゃん‥

がっくり肩を落としたリュウさんが引き下がる。

「でっ、では私が。仰る通り、私達は当代『歌姫』護衛官イサキ兄妹です。お祖父様のお名前を伺わせて下さい」

「ふむ、わしはロウ・カミヤじゃ」

「あのロウ・カミヤ!?」

聞いたリョウさんではなく、リュウさんが食いついた!

「数十年前モンスターの波数千体をほぼ1人で食い止めたって伝説のぉ?ただ、あまりにも楽しそうに殺戮するものだからついた二つ名は、魔王‥」

じいちゃんの鋭い目がリュウさんを睨む。

やっぱりこいつは魔王だったか‥

「すっすみません。それでも、貴方に憧れて冒険者になるものは後を立たなかった。でも、16年前に消えたって‥当時もの凄い色々な噂が飛び交ってましたよ!」

リュウさんあの睨みに耐えるなんて凄いな。目を血走らせてじいちゃんにかぶりついてる。

「だから、男は嫌じゃと言うておるじゃろうが」

蹴りが入る!

「ぐぼぉっ!」

身体を九の字に曲げてリュウさんは瓦礫に飛んで行く。

「じじぃ!なにしてんだよ!死んじゃったらどうすんだ! 」

「男に見つめられるなんて気色悪い!手加減しとるわ!死にゃあせん」

「うへうへへ。コレが神に届くと言われた魔王の蹴り。うへへへ」

こわっ!色んなとこから血を垂れ流し笑いながら立ち上がれず芋虫のようにこちらに戻ってくるリュウさん!ホラーだよ?マジで

「あの脳筋変態は置いといて、ダン君をお育てになったのはカミヤ様?」

「そうじゃ。わしが真綿にくるむように甘やかしすぎた為によわっちい孫になってしもうた。あんた達にも迷惑掛けたようですまんな」

ちょっとまて!弱い(しくしくしく)のは本当だけど甘やかしたは断固間違ってる!言葉の意味分かってないだろう?

「16年もお2人で?」

「たまに、元女房が魔法を手解きにきとったくらいだな」

ばあちゃん貴方は偉大です‥こんなくそじじいと一時でも一緒だったんだから。

「何故ですか?」

「人を交えるのが面倒だったからだ!」

威張るな!全部面倒かよ?もう突っ込むきもなくなってきた。

「ダン君の強さにようやく納得がいきました。貴方が手塩に掛けて育て上げられたのなら当たり前ですね」

「いやダメダメじゃ。どうせランにかすり傷の1つもつけとらんじゃろう」

ちらっと見るなぁ!その通りですけど

「で、ぴぃぴぃ泣いとったんじゃろう目に浮かぶわい。おぬしらが生きとるいうことはルナ様がその身で庇って下さったんじゃろう。情けない」

もっもうやめて下さい。お願いします。

「それは私共も‥」

「ランは正真正銘の化け物じゃ。お主らに太刀打ちできる筈がない。この先もな」

容赦のない言葉に2人が絶望に染まる。

「じいちゃん!」

非難を込めて叫んだ

「現実を見よ。今を見つめよ。そして先を見よ。立ち止まればそこで終わりじゃ。何も守れん」

「ダン。お前に覚悟はあるのか」

へっ?見たことの無い目で問いかけられて戸惑う。

「遥か先の暗闇に挑む覚悟はあるのか」

「時は動き出した。大和は光か闇か今選択を迫られている」

「ダン。光を求め護る覚悟があるのか」

最後通告のような、初めて見る知らない誰かにそう言われたようで僕は固まった。

理不尽大魔王。てっぱんですが、でて参りました。

個人的には大好きです。

前書きにも書きましたが、物語が少しずつですが動いて行くと思います。


私が他の方々の、作品を毎日楽しみにしてるように

読んで下さる皆様にも楽しみにして頂けるよう精進していきます。

読んで下さる方々に感謝を。

ちょっぴりでも、続きが気になると思われたらまた宜しくお願いします。

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