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歌姫と召喚士  作者: むさし
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第二章 旅立ち④

ばあちゃん切れまくる回。この一言につきます。


読んで頂けたら幸いです。

宜しくお願いします。

双子が公王様との謁見に挑んでいる頃。


ダンは一生懸命語っていた。

火竜を退治した処から‥‥


ばあちゃんは静かにそして、時々頷きながらそれを聞いてくれた。じいちゃんの話だけは眉を潜めあのくそじじい‥と悪態をついていたけど。


「まぁ、濃い二日間だったのねぇ」

「うん。そうなんだ‥ホントに何が何だか分かんなくて。この髪も目も‥ばあちゃん僕人間じゃないのかな‥‥」

じいちゃんに聞いたときから。ステータスプレートを見た時に益々気になってた事を口にだしてしまった。

「また、アホなことをこの孫は‥」

そんな呆れた顔でいわなくても‥

「だってステータスプレートに書いてあるんだ。聖獣って」

「成る程ね。だけどダン。お前はコトが腹を痛めて産んだ子。私がとりあげたのだから間違いないよ。それだけはかわらない。コトの息子で私の孫。聖獣だろうが何だろうが関係ないわ。悩むとこはそこではないでしょうに」

「他の事は考えても仕方ないって。僕が強くならなきゃ何も出来ないし進めない。じいちゃんは見聞きしながら菊に向かえって言った。だから多分それが今一番必要な事だって思う」

「ちっあんなじじいの言うことを信じるのね。この子は」

舌打ちぃ?えぇっ!

「すっかり洗脳されてしまって‥‥」

洗脳って?ひどくない?

「仕方ない。今回ばかりは間違っちゃない。認めたくないけど」

本当に嫌そうだなぁ。いつもだけど。

ばあちゃんの切れ長の目って睨まれるとマジで恐いからなぁ。

「くだらない事ではうじうじ悩む癖に本当に大事な事は分かってる。ホントにずれた子だよ。コトも菊で待ってる。お前が来ることを」

「ばあちゃん。さっきも言ったように両親が生きてるって聞いて凄く嬉しいんだ。でも、実感わかないし何で会いに来てくれなかったのかなって」

「それは直接コトにお聞き。私から言えるのはちゃんと愛されて生まれて、それは今もだって事だけよ」

真っ直ぐにそう言われた。

すとんと落ち着く自分がいる。

「わかった。そうする」

何だかんだ単純なんだろう。色々考えてしまうけど、信頼する人の言葉が身体に入ってくるとそれで納得してしまうのだから。ん?これが洗脳か?

あっそうだ!ステータスプレートの事聞かなきゃ。

「ステータスプレートには、色々書かれてるけど真名って何?後サブって所に月の召喚士ってあったんだけど何かな?」

「真名は、文字通り真実の名。神様が付けて下さる大事なものよ。言葉は(こと)()。全てに意味がある。無闇に人に教えてはいけない。本来は神に捧げる名だから。

月の召喚士‥詳しくは分からないけど、ただお前の父親は太陽の召喚士だよ。間違えを教えたくないからリュウか、コトに改めてお聞き」

「父さんもリュウって言うんだね。じいちゃん教えてくれなかったから。腐れ外道って言ってたけどそうなの?」

「げっ」

何?何でそんな困った顔で詰まるの?ホントにそんな父親?

「まっリュウに直接合えば分かるさ。あれも菊にいるはずだから」

目を反らしながら言われるとめっちゃ気になるんですけど?父さんに会うのが凄く不安になってきた。

「色々難しいけど、真名は大事にする。後は母さんか父さんに聞くよ」

召喚士についてはじいちゃんでもいいと思うけど、ばあちゃんは嫌なんだろうな。

「素直ないい子だ。素直過ぎるのも心配だけど。ダン。お前は1人ではないのだから必ず誰かに話しなさい。そうすれば自ずと道は開かれるから」

今度はちゃんと目を合わせて言い聞かせる様に語り掛けられ思わず

「ばあちゃん。神官様みたいだ」

「バカだね。偉大な大神官長さまだよ」

笑いながらそう返された。



「さて、これからだけど。旅の準備はしたのかい?」

「準備って?」

「はぁ、これだから。食糧や着替え等よ。装備とか」

「えっ食べ物はそこら辺で狩れば良いし、果物とか山に行けば大丈夫でしょ?服はないから作らなきゃいけないけど。装備は分かんないな」

盛大な溜め息をつかれる‥だっだめなの?間違ってる?

「基本から違う。旅先には確かに森や山もあるだろうが街には動物も魔獣もいないよ?」

「どうやってご飯食べるの?大変じゃないか!」

狩りが出来ないならどうやってご飯を調達するのか?大変な問題だ。

「だから、食堂や果物売りとかがいるのよ」

「食堂って何?」

「そこからかい?料理を食べさせてくれるところだよ」

仰天だ!そんな場所が!行ってみたい!

「親切な人がいるんだねぇ」

そう呟けば、ばあちゃんの溜め息は益々濃くなった。

「そうじゃない。お金を払って作ってもらうの」

「お金って?」

なにそれ?かねって、いうから金のこと?金なら少し有るけど。森の奥の泉に砂金があったから。ウンディーネと潜りっこしながら集めたよなぁ。そんな事を思い出してると、

「そんな事も教えとらんのか?!あんのくそじじい!!!」

怒り心頭とは今のばあちゃんを言うんだろう。握り拳を作り真っ赤な顔で震えながら叫ばれた。

「ばっばあちゃん、落ち着いて!」

凄く身体に悪そうだから。

「ふぅふぅふぅ」

まだ、収まらないのかセサミがする威嚇の様に息を荒くしてる。そうして唸るように

「お前が悪いのではない。だけど、最低限は知っておきなさい。お金がなければ普通は生活していけない」

「えぇ!?お(かね)は無いけど砂金なら少しあるよ?」

「砂金もお金と交換しなければ使えない」

「えぇ!?」

どういう事?金とお金何が違うの?

「働いてお金を稼がなければ街では暮らしていけないの!」

そうなのか‥生まれてこのかたそんな概念のなかった僕には衝撃の話だ。

半ば据わった目で鼻面に人差し指を突き付けられて、

「ダン、お前は何が出来る?」

「えっ?まっ魔法と家事?」

唐突に何?

「まあ、それしかないね。家事は旅先では何の役にも立たない。だからやっぱり冒険者だね」

「?」

なんの事ですか?話の展開についていけないのですが?

ばあちゃんのあまりの勢いに頭がぐるぐる回ってる。

「明日ギルドで登録しなさい。路銀は自分で稼ぎながら行くこと。分かったね?」

「はい!」

と、返事をすることしかできなかった。

ダン君。頑張って冒険者になろうね。

早くバトらせたいです。


いつも読んで下さる方々に感謝を。

ちょっぴりでも続きが気になる方は、どうぞ引き続き宜しくお願いします。

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