第二章 旅立ち②
前話に比べると短めです。
初めて見るものってドキドキしませんか?
それが伝わるように書きたいです。
長距離転移の呪文を変更致しました。
グレーター → エクステンドです。
手探りな状態は未だに続いているので、これからも多々変更させて頂くと思います。
ご報告させて頂きますので生暖かい目で見ていただけたらと‥‥本当にごめんなさい!
読んで頂けたら幸いです。
よろしくお願いします。
固まった頭をフル回転させる。確かに神官長様だって騎士さん言ってたよね?でも、ばあちゃんだよ?
おかしくない?いや、きっと間違いだ!
もう一度目をこすって祭壇に向くと、やっぱりばあちゃんだった。
「ごちゃごちゃ考える癖はなおってないのね。丸分かりよ?独り言は止めなさいって言ったでしょう」
あっやっぱりばあちゃんだ。
「それ、朝同じ事じいちゃんにも言われた。本当にばあちゃんなんだね」
「嫌だ。止めてよ!あんなのと同じ事言ったって?思考が似てるなんて思いたくもないわ」
心底嫌そうに嘆く。たまに来てた時もケンカしかしてないもんね。何で夫婦だったんだろう?
「あんなじじいの話なんていいから。ダン顔をしっかり見せて」
そう言われて側に寄ると、
「少し見ない間に大きくなったわね。あぁ、瞳に髪。本当に封印が解かれたのね。あのくそじじいに、そう聞いたときは呪い殺そうかと思ったけど。その目を見る限りは悪い事ばかりじゃ無さそうね」
優しい手付きで頬を撫でながら言ってくれてるけど物騒な言葉まぎれてるよ?
「じいちゃん来たの?」
別れたのさっきだよ?
「あぁ来た。破らずとも来れるくせにわざわざ結界をぶち壊して平然とな。お前の話でなければ真剣に吊るして殺ってったわ」
すっと細められた剣呑な目付きで恐ろしい事をさらっと言う。
「お前の封印を解いた事。当代『歌姫』様と出会った事。コトの元へ旅立つ事。あぁランにぼこぼこにされた事。他にも言いたい事だけ言って消えたわ」
ぼこぼこって。ほんと心抉ることばっか言うよねこの2人。嫌がってるけど実際似てるよ。
「神官長なの?」
「そうよ?主神殿神官長ヨウ・ミズキ。でも、ばあちゃんで間違いないわよ」
「色々な事が有りすぎて何て言ったら良いのか分からないんだ」
「私に無理をすることはない。ちゃんと分かってるから」
昔と同じように優しく言ってくれる。
「うん」
「セサミもありがとう。守ってくれたのね」
セサミもすり寄って撫でて貰ってる。
「さて、置き去りにして申し訳ありません。紫の双子」
「あっいえ!」
僕らのやり取りを、昨日から見慣れた唖然とした顔で見てた2人は慌てて膝を付く。
「楽にされよ。ダンは弟なのでしょう?でしたら貴殿達も私の孫ですよ」
ふふっと笑いながらそう告げると2人は真っ赤になってしどろもどろ答える。
「あっいえそんな畏れ多い‥」
「ダン。良い人達に出会えましたね」
「うん!本当に兄さんと姉さんが出来たみたいで凄く嬉しいんだ」
「ダン。今は恥ずかしいからやめてぇ」
息絶え絶えと2人が言う。
「ほほ、ほんに初いこと。詳しい話は後程承るとして、先にダンの祝福をしましょうか」
「はっはい」
返事をして2人は少し後ろに下がる。
「ダン。こちらにおいで」
祭壇近くにによばれる。そこには四角い箱のような物があり中にはステータスプレートがはめてある。その前には淡く青い光を放つ魔方陣が書かれていた。
「ここに立つの?」
「そうよ。本当は産まれた時に授けたかったのだけど封印が邪魔をして出来なかった。だから嬉しいわ。さぁ、そこでじっとしてて」
そう言うと静かに両手を組んだ。
そして、歌ったんだ。
ルナの歌みたいに旋律がキラキラ光ってる。ルナの歌が銀色なら、ばあちゃんのは青。それに、呼応するように魔方陣が光る。歌が舞って僕を包む
「大和の神アマテラスよ。貴女の子供に慈愛と祝福の光を」
額に手をかざし最後ににそう言って歌が終わる。聖獣の紋様が少し熱くなった気がした。ステータスプレートも光っていたけどそれもおさまった。
「もう良いわ。ダン生まれて来てくれてありがとう。心からの祝福を」
そう言いながら抱きしめてくれる。
「ありがとう。ばあちゃんも歌うんだね?凄く綺麗だったよ」
「ありがとう。大和の祈りは全て歌なの。だから当たり前!はい。これがダンのステータスプレート。大事な物だから無くさないようにするのよ」
手渡される。
「うん!大事にするよ」
これが僕のプレート!書かれた内容に目を走らせる。名前と年齢。ジョブ、レベル、属性魔法と刻まれている。どういう仕組み何だろう。不思議だ。
名前 ダン・カミヤ
年齢 16歳
ジョブ 召喚士
レベル 145
属性魔法 無属性
ステータス 物理耐性・魔法不可耐性
・魔法攻撃耐性・精神耐性・毒耐性・麻痺耐性
真名 弾・神谷
サブ 神谷一族『歌姫』の守り人・月の召喚士・『歌姫』の聖獣
やっぱり僕って人間?怪しいな。しっかり聖獣って刻まれてるよ。真名って何だろう。これが、本当の名前なのかな?ぶつぶつとまた思考の海に潜ってると
「おめでとう。ダン。もう一つの誕生日だな」
「おめでとう。ダン。良かったわね」
2人が揃って声を掛けてくれた。ああまた、周りを忘れてた!
「ありがとうございます!」
「プレートの内容はジョブまでしか他人には見えないんだ。ジョブどうだった?」
「ちゃんと召喚士でした!」
「良かったなぁ」
「ねっ属性聞いてもいい?」
「はい、無属性でした!」
目を見開いて。2人はきれいにハモりながら聞き返す。
「無属性?」
「はい」
ん?またどうしたんだろう。
「ダン。無属性ってのは希少中の希少なのよ。全属性が使えるのだから。あのじじいも息子もだから私にはさして珍しくはないけど‥。無闇に人に伝えるのは控えなさい」
ばあちゃんが教えてくれる。そうなのか!じじいも‥じゃいっか!希少って言うから誰も居ないのかと焦ってしまった。
「何その、まっいいかって顔」
ドキッ!?また口走ってた?
「いや、その」
「負けないからね!私だって強くなるんだから!無属性がなによ!理不尽に私は抗うわ!」
やっぱり双子だ!あの怖い時のリュウさんと同じだ!目が怖い。理由はよく分からないけど。
「はい。そこまで!紫の双子。公王に先触れは出しておいたわ。お会いしなければならないでしょう。貴殿方も辛く苦しい思いをされたはず。私には計り知れません。それでも、自らの勤めを果たされるように」
ばあちゃんがそう言うと
「はっ!お心遣いありがとうございます。御言葉に甘えてこのまま拝謁に伺いたく存じます」
誰?って感じで人が変わった様なリュウさん。その横にリョウさんも並んで頭を下げる。
「貴殿方に神の祝福がありますように。馬を出しましょう。案内と共に公城にお向かいなさい。その間ダンは預かるわ。私にも時間を下さいな」
「勿体ない御言葉!ありがとうございます」
「ダンまた後で」
と、2人は案内の神殿騎士様と公城へ向かって行った。
「さぁ、ダン。短い時間だけど、お前の話聞かせてくれるわね」
ばあちゃんはにこやかにそう言った。
ばあちゃんかっけぇえ!
って、思います。
たんぽぽでは、旅の下準備です。
読んで下さる方々に感謝を。
ちょっぴりでも、続きが気になる方は
また宜しくお願いします。