ボロアパートの片隅で
ボロアパートの片隅で
わたしは ゆっくり 時を待つ
空が白み 夜明けが近づく
そろそろ もうそろそろ
今日こそ 上手くいくかしら
はじめは優しく やんわりと
ことをあらだてたりはしない
――無理だった
いままでも一度で成功したことはない
だからわたしは めげはしない
次こそ もう少し 力を込めて
――ええ? また無理?
毎日 こう
諦めない 再びトライするのみ
――成果無さ過ぎ
やっぱり駄目なの?
わたしは 沈黙してしまう
少し時間を空ければ きっとうまくいくはず
――そんな――!
何度目なのか もう数えてない
本当に いい加減にして欲しい
どうしていつも わたしの呼びかけを無視するの?
まるでわたしの忍耐力を 試しているかのよう
いよいよ猶予が無くなってきた
今まで以上に気合を入れなきゃ
これが最後の通告よ?
これで起きなきゃ――
後は知らない!
けたたましく 私は力の限り 音を鳴らす
わたしの叫びよ あなたの耳に 必ず届け!!
わたしの願いよ この仕事を 完遂させて?
わたしは あなたを 起こしたい!
使命感と義務感に満ちたこの身を あらんかぎりに打ち震わせる
……やった?
やっと通じた?!
「うわぁぁぁぁっっ。なんでこんな時間なんだ?!
時計鳴ったか? スヌーズ動いてないんじゃないか?
スマホのアラームじゃ聞こえないからって買ったのに!!」
ひどい言い草並び立て
慌てふためき あなたは飛び出す
背中を見送り 思うこと
慌てていても 気をつけて
今日もご無事のお戻りを
ボロアパートの片隅で
わたしは のんびり 時を追う
主の帰宅を 待ちながら
空が 青いなぁ
明日こそ すぐに 起きて欲しい
お読みいただきありがとうございます。
本日3作目の"なろラジ"作品投稿です。駆け込んでおります(苦笑)
というか、毎回思うけど、私のこれは詩なのかな?
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