アラクネは人を助ける。
意を決して森に入る。
木の高さは平均で40mはあるかもしれない。
「随分と木が大きいですね。森の外から見た感じではそうでもなかったはずですけど、、」
「それに、森の外の方向も分からなくなった。あの牢屋の状況と同じだ」
「私の千里眼と透視も聞かないです。この霧とかに関係が?」
「ああ、そうかもしれない。この辺りの支配者の魔物の結界のような物なのだろう。外からでは音は聞こえず木々は低く見える。音すらも通さない結界だろう。いや、音すらも迷う結界と言ったほうがいいのか」
「つまり私たちはここから出られないということですか?」
「いや、出られないことはない。結界を展開している魔物を殺すかかなり遅い速度で迷わない程度に進むかだ。まっすぐ行けば出られるのだろう?」
「確かそうだったと思います」
「そういえば、島津さんが見えませんね」
「霧の迷いで誘導されたか?どちらにしろまずいな。あいつがいないと紀ノ木がこっちに合流できない」
「そうですね。どうしますか?」
「どうしたものか、、」
結局、一時間しても二人は見つからなかった。
森の中をかける。
慣れた森の道はいつも通り変わっていない。
木が焦げていることに気がつき近寄る。
ここら辺で爆発する魔物といえばレッドスライムしかないだろう。
耳をすませば少し遠くで人間が戦っている。
こんな奥地まで人間が来るの初めてだ。
その前にこの霧に惑わされ森の主の元で食われるというのに。
まあ何かの役に立つかもしれないし一応助けてやろう。
人間がいる方向へと急ぐ。
距離は、1kmくらいか?
案外近い。
急いで行ってみるとどうやらポイズンマンティコア5体と交戦中のようだ。
人数は二人。
変な形のナイフを持った男と鞭を持った男、どちらも戦闘能力は高そうだ。
ま、早く戻りたいから手伝いはするけどね。
「手伝うよ」
下にある口から糸を出しポイズンマンティコアを3体無力化する。
「何者だ?それに、、魔族か?」
「そんな大層なものじゃない。まあ、アラクネっていう魔物だよ」
私は下半身から下が大型の蜘蛛だ。
それでいて下の顔にも上の顔にも目が8個あるから自分で言うのもなんだけど結構気持ち悪い。
まあ二つ以外は髪で隠してるんだけど・・。
それは置いておいてポイズンマンティコアはどうやら私に狙いを定めたようだ。
振り下ろされた鎌を左手で受け止め右手で頭を殴る。
勿論これくらいじゃあ死なないから覆いかぶさり蜘蛛の方の口で頭を食らう。
あんま美味しくない。
もう一体はナイフ男が倒したようだ。
捕縛した三体は鞭男が使役したっぽい。
よく見ると二人には数カ所傷がある。
毒が回るかもしれないからさっさと家にある薬を塗らないとまずい。
「おい二人、名前は?」
「紀ノ木だ」
「島津で〜す」
「キノキ?シマズ?ふん、聞かない名前だね。それよりもついてきな。傷口を洗って薬塗んなきゃ最悪死ぬよ」
「そっちも名前ぐらい名乗れ」
「は?別に名前なんかないよ。早くしな」
人間を先導して拠点に戻っていく。
少し毒が回っているようだがキノキは兎も角シマズも頑張ってついてきた。
私の拠点は昔戦った大蛇が住んでいた洞だ。
大蛇はかなりでかかったので食べきれず今は奥で干し肉になってはいるがその分洞が大きかったから今は快適に暮らせている。
棚を探すこと数分傷薬と毒の中和薬を取り出し二人の傷口を湧き水で洗う。
「動かないように」
「ああ」
「了解」
キノキは腕にシマズは足に傷を負っていた。
「っ!?」
「およ?」
とりあえず無駄に長く鋭い歯を立てて毒を吸い出す。
口をゆすぎ次は中和薬を塗ってそのあとに傷薬を塗る。
「こんなもんだね。数分すれば絶好調だろう。あとは好きにしな」
「感謝する。できれば何かお礼をしたいが、、なにぶん払えるものがなくてな」
「そうだね。じゃあ森の主の討伐に協力しろ、と言ったら?」
「対価としてこちらの仲間も探してもらう」
「わかった。協力しよう。あんた達はここに居な」
「ああ。人数は3人だ」
「わかったよ。くれぐれも物を壊さないようにしてくれよ」
私は外に出て、森の中を走って行った。
新キャラ登場!!




