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戦いの終わりと新たな冒険者

「壊魔の拳力」

グルノートの拳が光を纏う。

その光は先程のリコルートの放った光線の色に酷似していた。

グルノートが動く。

速度は先程の倍以上になり、踏み込んだ場所は大きく刳れていた。

彼がまず潰しにかかったのは回復役のミリティア。

背後に回ったグルノートの拳は何かに衝突し阻められ、そのまま連れられたミリティアに触れることはなかった。

ミリティアを助けたベルガーの拳は消失し、血が溢れ出ていた。

「聖者の慈悲!」

ミリティアの治癒聖法がベルガーの拳をもと通りに戻していく。

「やはり奴の拳は今あの白いドラゴンの能力があるようじゃな。マウテには不利な相手じゃて」

「じゃあ俺は邪魔になるな」

「街から救援を、多分他のアダマンタイトも少ししたら着くだろう。後は回復系アイテムもだな」

「行かせると思うかい?」

グルノートがマウテの正面に現れる。

マウテは咄嗟に盾を構えるが拳が盾を突き破りマウテの腹を突き破った。

「がはっ!」

「脆いね」

腕を引き抜かれマウテは地に伏せる。

猛烈な痛みを堪えながらマウテは立ち上がろうとする。

「ぐふっ、ごほっごほっ!っく!」

「まだ立とうとするんだ。前言撤回だね」

立ち上がったマウテの顔面をリコルートの膝が撃ち抜く。

鼻が折れてひしゃげた顔面を天に向けながらマウテは気絶した。

「っち、『雨の雫』は下がれあの能力相手じゃお前らは分が悪い。対応できるのは俺の剣か『龍の逆鱗』だけだ」

「だがお主だけでも分が悪いじゃろう」

「邪魔だと言っているんだ。それがわからないのか?」

「あんたねぇ。しょうがない、引いたほうがいいわよリーダー」

「なぜ?」

「あんな目になった男は面倒くさいんだよ」

「はは、同性愛者の君が言うんだね」

「いつもの汚い男どもに迫られてたからね!拒絶の氷壁!保護の魔巨像!」

魔族殺しと『雨の雫』の間に分厚い壁ができ、マウテを地中から現れた巨大なゴーレムが地中に連れ去っていく。

ゴーレムは地中を潜りマウテをミリティアの元に連れて行った。

「聖者の慈愛!聖霊の憐れみ!」

穴が空いたマウテの腹がふさがっていき折れた鼻も治っていく。

「ベルガーさん!マウテさんを頼みます!」

「任された!」

ベルガーがマウテを肩にかけ全速力で街へと駆けていく。

シャルネットは飛行魔法で、ミリティアはビリリアントにおんぶされベルロンの方向へと去っていった。

氷壁の向こう側で、グルノートと《魔族殺し》が対峙する。

「あんなこと言ってよかったのかな?」

「ふん、そんなことどうでもいい。それよりも、、、、」

「ああ、そうだね。それよりも、、、、、、」



「「お前久しぶりだなぁ!」」


人間と魔族は凄まじい速度で握手した。

「いやぁ、まさか生きてるなんて思いもしなかったよ。しかし、またどうしてこんな真似を?」

「いやなんか知らない魔族に襲われて撃退したら魔族の追ってが来るわ来るわで大変だったんだぞ?それでいつの間にか危険人物にされるし、魔族には恨まれるし大変でな」

「へぇ。そういえばなんでこんなところに、、」

「勇者の育成を頼まれてな」

「ああ、なるほどね。でもあの程度じゃ、、」

「ああ、魔王ギャラ、、すまん。魔王ギャラ殿には勝てんだろうなぁ」

「そうだよねぇ。でも気づかなかったよ。そんな格好でしかも魔大陸で最大の敵と言われている程の《魔族殺し》がまさか君だったなんて」

「それよりも最近調子はどうだ?」

「普通だよ。ギャラ様の命令こなして普通に暮らしてるよ。そろそろ再開しないと怪しまれるよ?」

「そうだな。勝敗は、、」

「僕の負けでいいよ、3割程度で行くから君も同じぐらいで相殺してね?」

「分かってる」

両者が魔力をお互いの剣と拳に込めていく。

「じゃあまた今度」

「ああ、ギャラ殿にもよろしく言っといてくれ」

「わかったよ」

ベルロンからでも視認できるほどの膨大な量の魔力(彼らからしたら三割程度)がぶつかり合い、その爆発は隣町からでも見えるほどだった。

恐らくシャルネットの氷壁がなかったらベルロンにも被害が及んでいたであろう爆発は終わり、傷だらけの白いドラゴンと一人の魔族を連れて行く巨大な“赤いドラゴン”の姿を見せた。

その後、すぐさま救援が駆けつけ傷だらけの《魔族殺し》を発見し彼はベルロンで治療を受けた。

こうして、ベルロンで起きた『五喰』肉喰のグルノートとの戦いは幕を閉じたのである。






グルノートとの戦いから一日が過ぎた。

グルノートと互角以上だった《魔族殺し》という冒険者はミリティアさんの魔法で既に完治しており、既にベルロンから出て行った。

どうやら教えることが嫌いらしい。

今日は新たに『龍の逆鱗』・『紅蓮疾風』というアダマンタイト冒険者チームが来る日だ。

私達は『雨の雫』と共にベルロンの門の前で待っていた。

「それで、いつ来るんですか?」

「分かりません。それなりに早く来ると思うのですが何せどちらも自由気ままな方が多いですから」

「その時は性根を叩き直してやるわい」

「ほどほどにしてくださいよ」

「まず許可をしちゃダメじゃないんですか?」

「うん。金切正論」

「珍しく坂藤が正しいことを言ったぞ」

「うるさいゴリラ」

「お前こそもっと流暢に話したらどうだ?お前が言うゴリラに会話能力負けてるぞ?」

「ゴリラって学ぶ生き物だったんですね」

「私も驚いています。これはすごいことです」

「お前らひでぇな!」

「ねぇ静江ちゃん?一緒にお酒でも、、」

「断固としてお断りします」

「この前反対側の門の飯屋がうまくてさ、、」

「それなら俺も行ったぞ中田」

「お、紀ノ気も行ったの?」

「ああ。俺は旨辛牛丼を食べたんだが異常に辛かった。隣に座ってたハゲたオヤジは何事もないように食べていたがな」

「この世界って偶にやばい嫌い変な人いるよね〜」

「島津もそう思うのか」

「霧島、結局魔法と聖法の違いってなんなんだ?」

「ああそれか。恐らくもとになっているものの違いだろうな。推測だが魔法は魔力、聖法は聖力を元にして行なっているのではないかと思っている。どうやら聖族は聖力しか持っておらず魔法は使えないらしい。逆もそうだな。魔族も魔力のみしか持っていないから聖法は使えないだろう。そう思うと人類は魔族寄りの生物なのかもな」

「そう言うことか〜」

もうみんなバラバラに話し始めている。

まあ14人もいたらそうなるのかな?

これからもう二チーム増える、つまりもっと人数が増えるってことだよね。

でも意外と少人数だったり?

会ってきた(とは言っても1チームと1人)アダマンタイト級冒険者が強烈なメンツ過ぎてまともな姿が思い浮かばない。

「うーん、どうなんだろう」

「どうかしたの?」

「いや、さ?次のアダマンタイト級冒険者どうゆう人達なんだろうなって」

「さー?どうだろうね?」

「お、きたようじゃな」

ベルガーさんが指を刺した方向には6人の人影があった。



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