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依頼への協力1

一週間後・・・


眩しさを感じ、その途端に目がさめる。

「あ、金切さん起きた?」

先ほどの眩しさはどうやら朝焼けだったようだ。

多分カーテンを開けたのは鈴坂さんだろう。

「おはよう、鈴坂さん」

「おはよう。他の女子組はまだ寝ているみたいよだけど、二度寝する?」

「私はしない派だよ。また眠くなっちゃうから」

「そういえば、、朝ごはんっていつだっけ?」

「えーと、確か朝5時から10時までって言ってた気がする」

「じゃあ少しだけ時間があるね。どうしようか」

「え?まだ4時台なの?」

「結構早めに起きちゃったみたいだからね。どうする?」

「とりあえず着替えよう」

「そうだね」

立ち上がり、ベルロンに来た時に貸してもらった革装備を着ていく。

勿論下にはちゃんとシャツなどを着ている。

流石に裸や下着の上に革鎧を着る趣味は持ち合わせていない。

とりあえず、ここ一週間『雨の雫』に訓練をつけてもらっているが、どうにも彼らはS体質を持ち合わせているようだ。

体力をつけるための走り込みや躱すことしか許されない訓練、勿論スキルは使用しない。

だけど確実に技能は上がっている。

みんなもどこでどの能力を使えばいいかわかってきたようで、水花さんに至っては既に『雨の雫』の面々を圧倒しだしている。

みんなこの生活に慣れだしている。

ゴブリンキングを倒した時、みんなは特に何も感んじていないようだった。

私たちは生き物をこの手で殺めた。

それも人型に近い生物を。

実際に私が殺したわけではないのだが、それでも目の前で人に近い生物が死ぬとショックを受ける。

「はぁ。なんかな」

「どうしたの?」

「ん?えっとね、みんなこの生活に慣れだしちゃったから、もし元の世界に戻れたとしたらどうなっちゃうんだろう、って」

「いつもと変わんないんじゃない?」

「でも、、」

「あの、ゴブリンキングってやつのことでしょ?」

「、、うん」

「あれはしょうがないんじゃないのかな?私たちが殺さず手を拱いていたら、あの『鉄の心』っていう人達が死んでいたのも事実だし、それにこの街につくのも遅れていたしね」

「でも、、」

「だしかに感情的には私もショックなところもあるけど、やっぱりそっちのほうが合理的だし、後々見殺しにして後悔するよりも良かったんじゃない?」

こういうところが鈴坂さんのすごいところだ。

感情と理性を完全に分けている。

「さて、そろそろ下に行きましょう。それは今後の課題ということでよろしいですね?」

「うわっ!?」

「し、翁力院さん!?」

いつの間にか翁力院さんが起きて着替えすらも済ませていたようだ。

この人は昔から理性の化け物で感情が抜けているんじゃないかなと思うところがある。

「いま、静恵に感情がないんじゃないかって思ったよね?」

「私にも感情くらいありますよ?起伏が激しくないだけです」

「でも静恵は恋愛系の話になると、、、

「鈴坂美玲さん?」

なんか覇気みたいのが漏れ出ている。

最近わかったことだが翁力院さんが人をフルネームで呼ぶ時はかなり危険な状況であるということだ。

「下に、行きましょうか?」

「は、はい」

「会長は完璧に朝が弱いので置いていきましょう。ですが、、起きてますよね坂藤さん?」

「ばれた」

「って、既に着替えてる」

「美玲よりも早く起きた」

「え!?うそ!」

「本当。さっさと行こう」

ベットから起き上がって扉に向かう坂藤さん。

この人は昔から不思議な人だ。

ドアに手をかけながらこちらに振り返る坂藤さん。

「行かないの?」

「い、行きます!」







俺の名前はベウルスト。

ベルロンにハウスを持つミスリル級冒険者チームの盗賊だ。

ミスリル級冒険者は全体の10%にも満たない冒険者で、何かあったら組合から招集を受けて大きな規模の魔物系災害に対処する数少ない上位の冒険者、それがミスリルであり、そこの街で三番目に強い冒険者チーム。

周りの冒険者からは尊敬の眼差しが、、、、

今日はない。

何故なら、大きな依頼で数年この街を開けていたアダマンタイト冒険者チーム『雨の雫』が帰って来ちまったからだ。

最近はこの街の長であるカールさんが管理する(とは言っても王国から管理を任されているだけだが)演習場を貸し切って、誰かの訓練をつけているらしい。

10人のの男女組で組合近くの宿屋に泊まってるという噂を聞いたことがある。

ま、今はそんなことは関係ないか。

組合の中にある依頼ボードという各級の冒険者に対する依頼を見ていく。

「うーん。あまりいい依頼はないな」

「おいベウルスト!いいの見つかったか!」

「まだ全部は見れてない!!」

組合の奥の方にある椅子に座っている仲間から声がかかる。

そんなに急かすなら自分で選べってんだ。

「えーと?街近郊に出たトロールの討伐?近いはいいがちょっとこの条件だとな。リスト大森林の異変の調査、、結構報酬がいいな。これにするか」

リスト大森林というのはこの近くにある下級魔物が多数出てくる森のことで、出始めの冒険者にはうってつけの森だったはずだ。

そこの異変ということは初級冒険者に被害が出るかもしれないということ。

将来アダマンタイトになるかもしれない冒険者も才能を開花させる前は新米でありその時に死んでしまっては、後に大きな魔物系災害になった時に多くの命が失われる。

受付で依頼の詳細を聞き頭に叩き込む。

話を聞いていた時に周囲がざわめく。

「ちょっといいかな?」

「なんだ?今は少し忙しいんだが、、、、って!『雨の雫』!?」

「その通りだ。折り入って君達にお願いがあるんだがいいかい?」

「それはもちろんいいが、、」

「では、10名ほど君達に同行させてくれないだろうか?」

「あんたらが鍛えてるって噂の10人か?少しリーダーに確認を取ってくる」

「報酬は君たちの独り占めでいいと伝えてくれ」

「ああ」

リーダーに事情を話すと即答でOKが出た。

多分ここで雨の雫に恩を売ってきたいという考えであろう。

「リーダーから許可が出た」

「感謝するよ。君たちは今から出発するのかい?」

「いいや、早くて1時間後だと思うが」

「じゃあちょうどいい。2時間後に城壁の正門でどうだい?」

「まあそれならいいと思う」

「ではまたいずれ」

そう言って『雨の雫』は帰って行った。

で、10人ってどんなやつだよ。



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