神と神の戦い
その“悪”はゆっくりと降りていく。
それに合わせるように三人の神もゆっくりと降りていった。
悪神の体はいつの間にか漆黒の着物で飾られておりその姿は誰もが見惚れるほどの姿だった。
「おお、悪神様。御復活おめでとうございます」
「よくやりんした。妾はぬしらに褒美を与えるでありんす」
まるで嘗ての遊女のような口調で三人の神に手をかざした悪神は目をそっと閉じる。
目が開かれた瞬間には三柱の神に異変が起き始めていた。
三柱の神の体が光りを発しその力の全てが異常に上昇した。
神の力の源である神力。
此の世をの大部分を形成している魔素、魔力量。
そしてスキルの権能。
元々上位神以上の実力を持っていたがその全てが上昇した今彼らに勝てる神はシューメール最高位の四柱と悪神のみになっていた。
「これほどのお力をいただけるとは!悪神様に永遠の忠誠を誓わせていただきます!」
「わ、私も忠誠を誓わせていただきたいです!」
「お断りでありんす」
「は?」
「神性強化してその程度の力の神など邪魔なだけでありんす」
悪神の手から闇の結晶が生成される。
その結晶はやがて剣の形になり三柱の首をはねた。
「さて、残るは下の新神でありんすね」
漆黒の着物をたなびかせ降りていく悪神はさながら悪美と表現できる様な美しさを放っていた。
悪神は新たな神に一歩ずつ近づいていく。
(この神力・魔素、恐らく最上位神に匹敵するほどの力がありんしょうね。妾がここまで完全に近い状態で現世に出てこられたのもこの者の神力があったからでありんしょう。全く楽しみでありんす。)
闇の結晶剣は霧散し着物に散りばめられ、着物は黒く輝く着物へと変わり悪神の神力を増大させた。
「いつまでその女を抱いているんでありんすか?」
「、、、、、、、、、」
「無言じゃわかりんせん。何か言ったらっ!?」
悪神に向かって死の毒液が時間を超える速度を持ち突き進んできた。
闇の結晶の壁を作るも貫通され悪神が放った悪の波動で毒液が蒸発してその攻撃は終わった。
(危なかったでありんすね。あれに当たったらせっかくの神力鎧が少しダメになったでありんす)
「お前がいたから、、、、」
「なんでありんすか?よく聞こえないでありんす」
「お前という存在が居たから、、、」
「居たからどうしたでありんすか?」
「もういい」
「一体なんなんでありんすか」
「とりあえずネルの魂の回収から始めよう。お前には死んでもらう」
「生意気な新神でありんすね。身の程をわきまえたほうがいいでありんすよ」
悪神の手には闇の結晶剣が。
新たな神の手には銀の刀が。
踏み出す両者、光りを置いていく斬撃。
一瞬の後金属音が発生しその後に衝撃波が発生する。
地面から枝のように結晶の槍が生えるがその結晶は毒液によって破壊されていってしまう。
そして新神の毒も悪神の波動により蒸発していく。
(神力を扱える神格システムが再起動したばかりとはいえ妾とこうも互角に戦える新神。さっさと始末しておいたほうが良いでありんすね)
「なるべく早く終わらせていただくでありんす。眷属創造」
悪神の背後に大きな闇が出現しその中から魔獣や神龍、そして神龍の上位種であり八つの龍頭を持つ八岐大蛇、魔獣にして神龍と同等の力を持ちミミズのような体に大量の人間や虫の手足が生えている多手餓蟲王、神龍と同格にして理性なき暴力の化身であり大量の人間の顔を持つ翼の生えた人面翼獣。
世界ですら崩壊足らしめることができるこの神たちを前に新神は笑みを浮かべていた。
「世死崩壊」
一つの球がゆっくりと化け物たちに近づいていく。
化け物たちが30m内に入った瞬間その球体が崩壊を始めた。
崩壊と同時に化け物たちの体も次々に崩れていき砂のようになった後ドロリと溶け出して赤黒い水球を作り出した。
「世死再生」
巨大な水球は粘着質になり巨大なスライムへと変貌を遂げた。
何本もの触手が悪神を狙う。
「なるほどでありんす。眷属を殺しその神力を自身の眷属へと変化させたでありんすか」
触手は一瞬で全て切り裂かれ、落ちた触手はまるで死万毒のように全てを殺して溶けていった。
「ただ欠点がありんすね。そもそも妾の眷属に妾がやられるはずがないでありんしょうしそのスライムは貴方の毒と同じ性質がありんしょう?つまりは」
悪の波動がスライムを襲いスライムを蒸発させた。
悪の波動が空中に留まる。
波動を吸収するように闇の結晶が形成され大きな槍になる。
他の攻撃と同じく時間を置いていく速度で新神に向かっていく槍は同速度で飛んでくる死の毒液の槍とぶつかった。
毒の槍は蒸発し新神に結晶の槍が迫る。
槍は銀の刀に弾かれ少しそれた後勢いが留まることなくそのまま全てを貫通し宇宙空間まで飛んで行った。
その速度の衝撃波は地面を大きくえぐり大きな谷を作った。
直後宇宙で度合的にはある程度近い星が核を貫かれ爆発した。
そこで槍が蒸発したから良いものの衝撃波は星系を揺らし破片は各星々に隕石として到来した。
「妾の波動結晶の槍を弾くでありんすか。もう少し本気をっ!?」
「予想より早かったな」
その直後相対する二人の神の間に四人の神が降り立った。




