竜王の死
「なあそうだろう?我が甥よ」
金髪の若い男が俺に向かってそう言い放った。
その青色の瞳は俺をしっかりと捉えている。
「な、何をおっしゃいますダスター陛下。お戯れを」
「茶番はやめろ」
「、、、、、、、、」
「へ、陛下?一体どういう、、、、」
「いつからだ?」
偽装を解いて立ち上がる。
竜聖騎士・ベルダーティは俺を見て呆然とし一瞬遅れてから飛び退いた。
「何者だ!早くお前達もこちらに来い!」
「よい。下がれ」
ベルダーティはそのまま竜王の前のまで下がっていった。
「いつからだ?という質問には答えられないな」
「スキルの露見を怖がっているのか?」
「どうだかな。無駄話はいい『五不』は負けたようだな。すべての意味で」
「どういうことですか陛下!」
「最早奴らはあの男、我が甥アスクの忠実なシモベになってしまったようだ」
「それこそどうでもいい。で?俺を連れて来たかったようだがお前こそ何の用だ?」
「単刀直入に言おう。お前たちが生きていると困る。死んでくれ」
「そのまま返す。少し事情があってな」
「いいだろう」
急激に王座の間の中の魔力濃度が濃くっなってくる。
その濃さはウルツァイトドラゴンを見つけた迷宮の内部よりも濃くもしこの場にリリネがいたならば一瞬のうちに聖力欠乏症で死んでいただろう。
背後に隠れていたであろう竜聖騎士5名が迫ってくる。
「「「「「連技!五滅斬!」」」」」
絶対防御を発動し降りかかる刃を弾く。
五人の剣が弾け飛んだと同時に神速で加速し五人の首を撥ねる。
前からベルダーティが斬りかかってきた。
「うおぉぉぉ!!竜滅斬!!」
「遅い。そして弱い」
視覚神化・意識速度神化・身体神化を一斉に発動しベルダーティの剣を握り潰す。
腐万毒を少量纏わせた蹴りを腹に打ち込み天井に蹴り上げる。
轟音とともに天井を突き抜けベルダーティはそのまま宮殿の別の報告へと飛んで行った。
「成る程。確かに強い。しかしそれでは私には勝てない」
「どうだろうな」
「その証明として教えてやろう。この私こそ『竜魔王』:ダスター・デルガルダ・ノール=ビリタ。竜族を統べるものだ」
「称号というわけか」
「権能発動」
体に何かが流れ込んでくる感覚が生じ酷い不快感が俺を襲う。
「ち、抵抗するか」
「お前の称号スキルはいわば竜族支配ってところか?残念ながらハーフだからな。あまり効かないな」
「まあ良い。顕現せよ!『始祖竜の大王』!」
ダスターの背後に黒い鱗の巨大な竜が現れる。
実態はなく所々壁にめり込んでいる。
黒い鱗の竜・『始祖竜の大王』はダスターの中に入っていきその直後ダスターの魔力が異常に膨れ上がった。
「ははは!!これが始祖竜の力か!素晴らしいぞ!死ね!『破壊の吐息』!」
ダスターの口から黒い煙が吐き出される。
煙が触れたところは崩壊して砂になっており煙はどんどんと増えていった。
時空断裂を使い大盾を作る。
「そんなものではこの攻撃は防げないぞ?」
大盾をも破壊した煙はだんだんと部屋を崩し始めていた。
魔素消去で煙に含まれた魔素を消去すると煙は消えた。
「なに!?『竜星群』!」
上空に大量の隕石が現れここを目指して落ちてくる。
時間停止を使って時を止める。
ダスターの時間も止まり全てが動かなくなる。
絶対切断・時空切断・防御貫通・身体神化・武具神化・『死万毒』付与を重ねて斬撃を行う。
時の流れを無視した全てを切り裂き全てを殺す斬撃はダスターを切断しそのまま斬撃の直線上ある宮殿を含めた竜族の里にある全てを破壊した。
時の流れが戻りそれと同時に轟音と震動があたり一帯を襲った。
衝撃が隕石まで伝わり隕石を粉々に破壊する。
ダスターの体は両断されて地面にころがった。
二つに割れた王座の背後から一人の女性が出てくる。
この世の美を凝縮したような女は俺に向かって拍手をして笑っていた。
「すごいわね。今の一撃」
「誰だ?」
「姉さんも恐ろしい子を産んだものだわ」
「は?」
女は両断されたダスターに近づきその頭をつかんだ。
「オンペルタ・ヌルビモア・ルンカルタ・メロニカキ・ジルンビア」
女が謎の呪文を唱えるとダスターの中にいた『始祖竜の大王』が現れる。
「ベルチトネ・スヌメント・ビルモキア・ノルンベア」
その瞬間、始祖竜の大王が女の目の前に現れた試験管に吸い込まれていった。
俺の背後に誰かが転移する。
「あの男の相手は大変だったのよ?姉さん?」




