『五不』の壊滅
意識が少しづつ覚醒し自分が腕を拘束されて宙釣りにされているのがわかる。
水滴が垂れる音と自分の呼吸が一緒のスピードになったころやっとはっきりと意識が覚醒する。
「こ、、ここは?」
「起きたか《苦悶》」
「ルズスタ?ここは一体?」
「私にもよくわからないな。恐らく地下施設的な何かだろう」
「他の『五不』は如何なったの?」
「ガスピローダは死んだわ」
「ティアーニ?何処にいるの?」
「あなたがぶら下がっている後ろよ」
「《失苦》の方は対象2に連れて行かれた。ほら向こうの扉だ」
ルズスタが顎で指した方向には寂れた扉があり恐怖を感じさせる雰囲気を漂わせていた。
壁についているランプがこの部屋の中をほんの少し明るく照らしている。
「この鎖は切れないの?」
「ダメだな。おそらく魔封じの鎖だ」
「魔族であるならば拘束した対象を永遠に捉えられるあの魔封じの鎖なの?」
「その通りだ。それに魔封じの鎖は外部からの攻撃以外は受け付けない。我々はなぜ魔力を封じられている」
「つまりここから抜け出すことはできないって事?」
「その通りだ《殺悪》。魔力を封じてしまっては竜化もできないし魔法も使えない。出る手段はない」
「どうにかして脱出する手段を、、、
「脱出できると思うのか?」
私の耳元で誰かが囁く。
恐らく対象2だろう。
ガスピローダの最後が思い出される。
あの男は狂って死んだ。
狂い死にしたのだ。
文字通り狂ったせいで自殺したとかではなく狂ったから死んだのだ。
あんなのは嫌だ。
そう考えると私の後ろにいる対象2が恐ろしくなってきた。
怖い。
こんな感情子供の頃Sランクの魔物に襲われて以来だ。
だが、何故かそれと同時にだんだんと拷問をしたくなってくる。
こんなに私を怖がらせた存在が痛みに我を忘れる姿を見てみたくなったのだ。
気がつくとルズスタもティアーニもいなくなっていた。
瞬間、宙吊りにされていたはずが四肢を椅子に拘束されていた。
「な、何を」
「そうだな。少し話を聞きたい」
「は、話すと思うの?」
「話させるさ。お前がやっていたようにな」
私の指に刃物が突き刺さった。
「あ、主人さまぁ〜。もう一度お願いしますぅぅぅ」
ど、どうしてこうなっいるのだ。
私は目の前にいる今まで見た事がないグロティルナを目にしている。
四肢は拘束されており裸で床にはグロティルナの物であろう指、足、手、腕、乳、肩、臀部やその他もろもろが散らばっている。
だが目の前のグロティルナはどこも失ってはいない。
戸惑っている瞬間自分は手脚を目の前のグロティルナと同じように拘束されていた。
「さて、《殺悪》のティアーニであっているか?」
「貴様、グロティルナに何をした」
「何もしていない。ただ興奮剤と刺激剤を大量に盛りながら拷問して回復しもう一度拷問することを繰り返しただけだ」
「貴様!!」
「そんな荒れるな。此奴は色々話してくれたぞ?そして今では俺の奴隷のような物だ」
対象2の顔は寒気を感じさせるような笑みを作り私の顎をつかんだ。
「さて《殺悪》のティアーニ。話をしよう」
「話だと?」
「竜族の里はどこだ。答えろ」
竜族の里だと?
私たちの任務は対象2を宮殿へと誘い込むことだった。
ならばここで教えても良いのではないか?
ルズスタの判断が仰げない以上私が決めるしかないのか。
「バルタ山脈の中央だ」
「ダスターはどこにいる」
「陛下は黒き宮殿の中にいらっしゃる。貴様何をするつもりだ」
「教えるつもりは無い」
そう言って対象2は刀を抜いた。
対象2の手がぶれたと思ったら私は全裸になっていた。
「っ!?」
「話をしている途中だ。集中しろ」
「な、何をするつもりだ」
「勢いがなくなってきたな。なぜダスターをルークスは殺さないんだ?説明しろ」
「わ、わたしは、、何も知らないんだ!本当だ!」
「そんなに目の前のやつと同じ状況になるのが嫌か?安心しろ似たようなことはしてやる」
「そ、そんな、、」
「どうやら本当に知らないようだな。まあいい、せいぜい俺の憂さ晴らしに付き合え」
刀が私の胸に突き立てられる。
「お前は今から何回も死んでもらう。傷を負い死ぬたびに快楽を味わい壊れていく。そうだな。100回耐えたら逃がしてやる」
「ほ、本当か?」
「ああ、本当だ。せいぜい頑張れ」
私の心臓に刀が刺さっていった。
「58回が限界だったか」
ティアーニは壊れた。
何回も殺し生き返らせ殺し生き返らせた。
今は生きている。
グロティルナ、ティアーニはすでに俺に従順だ。
転移で《解快》のルズスタがいる部屋に転移する。
ここはサキ達と別れた森の中にあった廃坑でかなりの広さだったので使わせてもらっているのだ。
「貴様、三人をどうした?」
「知らんな。お前に利用価値があるとすれば、、お前の上司のところに連れて行け」
「断る」
「《失苦》のベルタを今ここで解体してもいいぞ?」
ルズスタが反応する。
やはりか。
こいつはものすごく我慢をしているタイプだ。
不満をルズスタの死体にぶつけさせれば素直になるだろう。
「そうだな、ガスピローダの死体もセットだな」
「分かった。乗ろう」
ルズスタの顔が満面の笑みになる。
ルズスタがいた部屋に二人の死体を置きルズスタを開放してからティアーニがいる部屋にもどる。
こいつらはどうしようか?
いっそデルマティにプレゼントでもするか?
とりあえず開放して目の前に立つ。
「もう一度お願いしますぅぅぅぅ」
「わたぁしもぉ」
少々怖いレベルまで壊したがしょうがない。
「そうだな。俺の願い事を聞いてくれるか?」
「はぁいぃ!」
「わかりまぁしたぁ!!」




