『五不』の敗北
小国ダルトン堕ちる!
この大きな出来事はすぐさま大陸中の国家に伝えられた。
そしてダルトンの中でも南東部に位置する街・ノルタが街の人間全員酷い殺され方をされて『廃国之団』を名乗るものに街が崩壊していたことも同時に伝えられた。
各国は警戒を強めるも街などが次々に崩壊されていき三日経った頃には犠牲者がおよそ5000にも登ったことがわかった。
中にはAランク冒険者が混じっていたためBランク以下の冒険者達は街に近づこうとしなくなった。
それによる不況が続き遂に各国が騎士団や魔法師団を集めて討伐に乗り出した。
それを面白いと感じたのか『廃国之団』はある大国のある街を次に襲うことをオブジェとして残した。
その街の名はカレカレである。
「国王陛下!お逃げください!もうしばらくすると『廃国之団』がやってきます!」
「しかし、、、」
「陛下や王女殿下はお逃げください。ここは私が死守します」
「参加者にも何人か暴れたいものがいるようです。早く!」
「う、うむ。ただし約束せよ。命は無駄に散らせるでないぞ」
「分かりました。引き際は心得ております」
国王や街の人間、そしてある程度の冒険者もカレカレを抜け出していった。
中には腕試や知り合いの復讐などを目的に残った冒険者もいた。
グラストは一昨日の闘争祭の日、所謂カレカレにまだ『廃国之団』の襲撃予告が届く前の日に棄権した4名の男女を思い浮かべた。
もしこのことを予期していたのなら彼らが『廃国之団』と何かしらのつながりがあるのではないか?とグラストは考える。
が、彼らのリーダー。
アスクはグラストと同じ転生者なのだ。
彼を信用するには信用出来る情報は少ないが逆に警戒もできないのだ。
「甘くなったものね、私も」
「全員!グラスト総指揮官に敬礼!」
ッザ!!!
改めて見ると壮観だ。
なぜなら大陸中の大国の騎士団と魔法師団が大量に、そしてAランク以上の冒険者が十数人もいるのだから。
騎士団や魔法師団のまとっている防具などには各国の国旗が彫られている。
「『廃国之団』は着実に各街や首都を襲撃し確実に堕としている。犠牲者の無残な姿は聞いているでしょう。確かに『廃国之団』は強いかもしれない。やつらが今回のように襲撃予告をばらまいて回るとも思えない。だからこそ止めなくちゃならない!死んだ国の民たちやこれから死ぬ危険性が高まっている各街の町人のためにも!私たちは戦わなくてはならない!『廃国之団』を潰すわよ!!!!」
『『『『『オォォォォォォォ!!!!!!』』』』』
その戦士たちの覚悟の叫びとともに街の端が吹き飛んだ。
緊張が走る。
しばらくすると遠くの方に五人の人影が見えた。
「我ら竜騎士『五不』を倒すことは竜聖騎士様でもない限り不可能」
「あのさ〜なんで女いないの〜」
「うるさいわね。静かにしなさい」
「最強種族たる我ら竜族に抗うことを選んだ人族よ!後悔しながら死ぬがよい!」
「廃国之団竜騎士『五不』が一人!《解快》のルズスタ!」
「同じく《失苦》のベルタ!」
「同じく《殺悪》のティアーニ!」
「お〜な〜じ〜く〜《性暴》のガスピローダ〜」
「そして《苦悶》のグロティルナ。よろしく〜それで〜、、、
「「「「「さようなら!!!」」」」」」
『五不』たちの抜いた剣が飛ぶ魔力の斬撃となり周囲の建物を破壊しながらグラスト達へと近づいていく。
「伏せて!!」
「その必要は無い」
グラストの脳内で声の主と人物が一致する。
斬撃は突如掻き消え突如『五不』の目の前に現れる。
「っ!?」
「なんだこれは!?」
「っち!」
「いて〜わこれ」
「ちょっとかすったかな?」
『五不』は素早い反応速度でそれぞれの方法で対処し突如現れた自分達の攻撃を回避した。
「おっと!早速対象2をはっけ〜ん」
「ふむ、なかなかの強者のようだな」
「命令の通りひくわよ」
「そうだな」
『五不』は少しづつ後退していき最終的には見えなくなった。
「お前らはここにいろ」
「貴方一人では危険よ!」
「ここにいろ」
その時グラストを見たアスクの目は冷たく怒っているような目だった。
「わかったわ」
アスクが掻き消え場は静かになった。
「来ているようだな」
「このまま距離を保ちつつ宮殿に誘い込む。陛下の作戦とは一体なんなのでしょうか」
「私たちは任務を遂行すればいいのよ。竜聖騎士様に連絡を」
「もうしたぞ。30十秒後に合流してくる」」
「流石は《失苦》だ。止まれ!!」
「対象2の反応が消えた?」
「何処を見ている?」
《性暴》のガスピローダに何かしらの液体がかかる。
それがかかった瞬間ガスピローダから笑い声のような呻き声のような声が聞こえガスピローダはグロティルナに襲いかかった。
その動きは竜騎士とは思えない野生的な襲いかかり方で避けるのは簡単だった。
驚いている『五不』の前でガスピローダは鳥のような声と自分の欲望を垂れ流しにした発言とともに泡を吹きながら死んでいった。
足音と共にだんだんと霧がかかってくる。
「きさまがやったの、、か、、、」
「ベルタ!?くそ、意識が、、、」
「ここを離れるわよ!」
「無理だな、魔法ではないが結界が張ってある、、、、」
「くそ、、が、、、、」
「ティアーニ!?ルズスタ!?」
遂に立っているのはグロティルナだけとなり一層霧が濃くなっていく。
「すまないが話を聞かせてもらう。おとなしく捕まれ」
それがグロティルナの意識が途絶える前の言葉だった。




