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薬品好きの陰キャラは異世界に転生する〜やっぱり毒とかいいよね!〜  作者: おとのそうくつ
ゲロイドール大陸編
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要求

「母さん、ネルに何をした、、」

母さんは微笑みながら俺を見つめている。

「あら?如何したのアスク?」

「ネルに何をした!」

「なんのことかわからないわぁ」

「惚けるな。その血はネルのだろ、、」

「ばれちゃった」

「答えろ!」

微笑みが狂気的な笑みへと変わり思わず身震いがする。

「親に乱暴な口調で話さないの。性格荒れちゃうわよ?」

神炎のベルニクルを軽く凌駕する威圧が屋敷全体を包む。

地面に引っ張られるように膝をつき動けなくなる。

「っ!!」

「この程度で動けなくなるなんて、まだ神になってないの?あったはずでしょ?ベルニクルと」

「なにを、、知って、、いる!」

「喋るのが精一杯だなんて息子に期待した私がバカみたい。まあいいわ、全てよ」

「す、べ、、て?」

「ええ、全てよ。5年後何が起こるのかも、あなたの正体も」

母さんは階段の奥に行き戻ってきた。

「ネルちゃんはここにいるわよ」

ドサ、とネルが俺の前に投げつけられその傷つきすぎた体が視界に入る。

足はもはや足と言われても本当に足なのかわからないぐらい負傷しており腹部と胸部には陥没があり骨が粉砕されているのは明白だった。

「きさ、ま!」

「親を貴様呼ばわりだなんて、本当にこの子のことが好きなようね?」

母さん、カルナはネルに近づき足で頭を踏んで床に押し付けた。

「この子は人質よ。解放して欲しければ、、そうね、ルークスを竜王の座から下ろしたダスターの抹殺とそれを容認した竜族の殲滅かしら?つまりルークスを竜王の座に戻しなさい」

「おまえ、、ら、だけで、、できるだろ、、、」

「できないから言ってるの。理解できてる?」

威圧が解除され自由に動けるようになる。

「分かったらさっさと行きなさい」

「ネルは解放するんだな?」

「ええ、約束ですもの」

カルナの魔力が高まり俺の周囲の空間が歪んだ。

空間の歪みは俺を飲み込みカレカレの近くの林に俺を転移させた。

「、、、、畜生が、」







その頃、サキ、リリネ、デルマティの三人は本戦の第5試合を見ていた。

出場選手はアスクに喧嘩をふっかけた貴族のボンボンカナタラと冒険者が剣で戦っていた。

サキはカレカレ近くの林の中に主人であるアスクの存在を『主人感知』にて確認した。

「アスク様が戻ってきたようですね」

「主人感知って怖い、、、」

「サキ様、今我が配下にいる虫に見に行かせたところどうやらネル様がいらっしゃらないようです」

「え?ネルはルークス様に挨拶に行って、、、

「あいつに様なんかつけるな」

アスクが瞬間転移にてサキたちがいた席の真後ろに出る。

「ふぁぇ!?アスク様!?」

「いつの間に!?」

「流石は我らが神!空間すら支配可能とは!」

「どうでも良い。ついてこい」

「え?ちょ!?」

アスクはサキの手を引っ張り席を立たせる。

サキは引っ張られ、デルマティは追従するように、リリネは慌ててついていくようにその場を離れた。

人に見られないところでアスクはそのまま時空支配により転移門を作り出し森の中に移動した。

「な、何があったんですか?」

サキが尋ねるもアスクは答えない。

「ねぇ!ネルはどこ行ったの?」

リリネが問いただすもアスクは答えない。

転移門が消えるとアスクはおもむろに手を構えて、、


バカン!


アスクの苛立ちがこもった拳は木に当たった。

陥没しバキバキになった木がアスクの腕に刺さり大量の血が溢れ出す。

「ア、アスク様!」

「大丈夫だ」

アスクはスキルでの回復はせず三人に向き直った。

「話がある」







「話がある」

そういったアスク様の表情は悔しさと怒りと後悔が混じった複雑な表情をしていた。

アスク様の手は未だに血が流れ見るからに痛々しい。

「ア、アスク様!お手を直します!」

「話を聞け!」

空気が揺れるほどの声に体が萎縮し声が出せなくなる。

「ネルが人質になった、、、、」

「え?どういう事?」

「そのままだ」

リリネが質問するもアスク様はただそれだけしか言わない。

「アスク様、攫った者はなんと?」

自分の声がひどく小さく聞こえる。

情けない。

私もそれなりに強いはずなのに、、、

「俺の父、ルークスを竜王の座に戻す事だ」

「そうですか」

要求を聞けば誰でもわかるだろう。

ネルを攫った、いや捕らえたのはアスク様の両親なのだろう。

「とりあえず今は要求を飲むしかない。ネルを助けるためにな」

「分かりました。主よ、私は今から配下に竜族の里を調べさせておきます」

「ああ。サキとリリネは俺たちが棄権することを伝えろ」

「、、、分かった」

「分かりました」

「俺は別の作業に入る。行け」

「はっ!」

「はい」

「ああ」

アスク様はもう一度門を作成し私たちをカレカレの闘技場近くに送ってくださった。

門が閉じる瞬間こう一言アスク様が呟いた。

すまない、と。
































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