闘争祭4
開始から30分。
バージルとゴルゴニアの戦いは未だに続いていた。
バージルとゴルゴニアは技量でいえば互角だ。
どうやらスキルは使用せずに戦っているようでなかなかの迫力だ。
スキルは使っていないがスキルを使用せずに魔力で体の周りで覆い魔力の不可視の攻撃を行っているようだ。
スキルを使った場合スキルの能力や相性で勝負がつく。
両者の傷はだんだんと増え満身創痍となりながらも攻撃を続けついに魔力も限界に近い。
両者は次で決めたいようで魔力を拳に集中させて構えた。
動きとともに圧縮された魔力が爆発し煙とともに二人を覆い隠した。
観客は誰一人として喋らなくなり煙が晴れるのを待っている。
『しょ、勝者は、、、』
煙が晴れ全てが露わになる。
『相打ちだぁ!三十分に及ぶ激戦は相打ちで終わってしまったぁ!』
『この名勝負!どうなうことかわからなかったけども
両者相打ちという結果になってしまったけれども!
この後も注目選手がいるからちゃんと見ていてよねぇ!』
『どうやら二人は医務室に運ばれたようなので第二試合の準備を始めるわよ!』
休憩時間になり観客はぞろぞろと外に出て行った。
その場に残っていると魔法使いたちが現れ闘技場を修復し始めた。
そして次の試合は魔法が使用されると思われるからか結界を張り始めた。
10分もするとオカッパとロンゲートが入場してきてそれと同時に観客もほぼ全員戻っていた。
『さて本戦第二試合の始まりだぁ!!』
『『『ウオォォォォォォォォ!!!!』』』
『魔法対剣!この勝負は見ものよぉぉ!!!!』
『両者用意が整ったみたいね!それでは!』
『『第二試合!始め!』』
始まりの合図とともにロンゲートの火魔法が飛ぶ。
それをオカッパは簡単に避けロンゲートに斬りかかる。
ロンゲートはオカッパの剣をいともたやすく掴み腹に直接電気魔法を打った。
「ぐあっぁ!?」
「もういっちょ!!」
さらに爆発魔法が打たれオカッパは吹き飛びフィールドの壁にぶち当たる。
オカッパはどうやら初手での攻撃、つまり居合斬り系の剣を使うらしくそれを止められたら勝機はない。
それに対しロンゲートは多彩な魔法を使い、慣れが見えている。
スキルはルーナに劣るだろうが使い方と習得数では圧倒的に勝るだろう。
その後、何回もオカッパは切り掛かるが手も足も出ず最後に気絶しこの勝負は終わった。
ロンゲート強すぎね?
俺よりは弱いかもしれないが今回の試合は圧倒的な実力差があった。
少しオカッパが可哀想になったがイケメンなのだから美女たちに慰められていることだろう。
そう思うとネルもサキもリリネも割と美少女な方なのだろう。
ていうかかなり美少女だ。
「我が主よ、試合の時間です」
「分かった。本気でやれよ?」
「はは!あなた様に刃を向けるご無礼をお許しください!」
デルマティと一緒に試合の準備室に向かっていく。
準備室は真反対のところにあり分かれ道でデルマティと別れた。
準備室の前にはカナタラがおりこちらに向かい、続け様に喋りかけてきた。
「どうも、無礼者。君には勝ってもらわないと困るんだよ?」
「どういうことだかわからないな」
「君は国王陛下に対し無礼を働いた。その罪を断罪するのはこの僕だ。
使い魔ごときにやられては困るんだよ」
「そういうことか、安心しろお前も倒してやるから」
「やれるならやってみるがいいさ」
そのままカナタラはどこかへ行ってしまった。
いや、ぶっ倒せるんですけどそんな自信満々に言われてもねぇ?
準備室は以外と充実しておりジュースや菓子などもあった。
ドアをノックされ試合が始まることを告げられる。
もう一つのドアを開け通路を通る。
すると、、、、
『『『ウオォォォォォォォォ!!!!』』』
大きな歓声がビリビリと響き腸に来る。
その音量は前世のクラブの爆音すら掻き消してしまうほどのものだった。
客席とフィールドでこれだけ違うとは、驚きだ。
『さぁて!きました主従対決!』
『この二人は私の注目選手でもあるわよ!』
『どちらが勝つのかは神のみぞ知る!では!』
『第三試合のはじまりぃ!』
デルマティはこちらを警戒しながら隙をうかがっている。
距離はおよそ50メートル。
ここからでも俺の攻撃が届くのは知っているのだろう。
予選の比ではない量の魔蟲を召喚し完全戦闘体型へと身体が変わっていくデルマティ。
これは俺の竜人化や吸血化によく似ていて本来の種族の身体へと変化するものだ。
観客は息を飲みその量に驚きを隠せていない。
ブーンという音とともに巨大な虫の羽が生え中に浮いたデルマティは魔蟲を俺に特攻させる。
大きな紫の蜘蛛や緑色の蜂、更には何十メートルもあるムカデがこちらに津波のように押し寄せてくる。
魔素消去で魔蟲の周りの魔素を消し魔素欠乏症にて三分の一を殺す。
溶万毒を霧状に生成し据えての魔蟲を溶かす。
ものすごい異臭が発生し観客の中には吐くものも出るほどだった。
これが腐万毒だったら気絶してしまうものが多数出るかも知れなかった。
デルマティは俺がこの程度をすぐに片付けると知っていたようで大量の蠅を召喚し向かってきた。
常人では捉えられないほどのスピードで蠅とともにデルマティはその巨大な鎌で襲い掛かってきた。
シュン!という音とともにその直線状にあった俺以外のものが切り裂かれる。
鎌を素手で受け止めデルマティの腹へ容赦なく蹴りを入れる。
実際は普通の蹴りというほど甘いものではなく身体神化と神速で攻撃力が高められた人の頭を飛ばすことが可能な威力の蹴りなのだが。
デルマティの頑丈な外骨格がベギリという音とともにヒビが入りそのままフィールドの壁に激突。
その壁でさえも陥没ができていた。
蠅というと俺が今デルマティを蹴り飛ばしたことによりデルマティの方によって行った。
蠅ぐらいならすぐに殺せるのだが正直言うと気持ち悪い。
もしかすると時空断裂を薄く膜のように身体の周りに張れば結界のようなものができるのではないか?
早速やってみよう。
まあそうなるわな、、、、
時空断裂で体を覆ったら服が消えかけたので辞めることにした。
アブない。
もうすぐでマッパになってしまうところだった。
膜はできないにしろ時空断裂で壁を作るのはできるかも知れない。
蠅は起き上がったデルマティとともにこちらへ向かってくる。
蠅の前に何十もの時空断裂の壁を作り消滅させる。
できた。
予想より多くの蠅が時空断裂によって消えたため残りはデルマティだけとなった。
「さすがは我が主。小細工では通用しませんか」
「そうだな。だがそろそろ本気を出しても構わないぞ?」
「分かりました。では!」
先程の速度以上の速度で迫ってくる。
手には、召喚した剣のような蟲が張り付いており言うならば鎌剣のような形をしていた。
ウルツァイトソードを向き応戦する。
攻撃をさばいていくと何度か殺せるタイミングができた。
剣速は増していき最早ネルとサキ以外は視覚すらできないでいた。
「す、すげぇ」
「ひ、人のできる技じゃねぇ」
観客からはそんな声しか聞こえなくなっていた。
魔族って人なのだろうか?
でもステータスには人族は人族と書いてあり竜族は竜族と書いてある。
やはり魔族は人ではないのだろうか?
まあいいか。
デルマティの腕を切り飛ばし頭を押さえつけ地面に押し付ける。
瞬時に腕は回収し回復薬でくっつけてある。
「我の負けです」
デルマティの敗北宣言により第三試合は幕を下ろした。




