闘争祭3
遅れました。ごめんなさい!
それから二日後、
闘争祭本戦が始まろうとしていた。
予選で通過した11名と2団体が集まりトーナメント戦で行うらしい。
サキとリリネは無事に予選を通過した。
リリネはちょっと危なかったが、、、、、
カナタラと言う1日目で絡んできた貴族のボンボンも通過した。
今は予選を通過した者たちで控え室で開会式が始まるのを待っている。
貴族のボンボンは2日目だったようで俺とデルマティ、ネルの試合は見ておらずこちらを警戒はしていないようだ。
『闘争祭本戦の始まりだぁ!』
『現時刻は午前7時!眠気を吹っ飛ばす試合をよろしくねぇ!!』
『早速選手を紹介していくぞぉ!』
『控え室にいる選手達!フィールドにおいでぇ!』
控え室にあった扉が開き闘技場のフィールドへと続く通路が見える。
集まる時に言われた順番通りに並びそのまま歩いていく。
暗い廊下から陽射しが当たるフィールドに出る。
なんで太陽が見えるんだ?
ここ地下だよな?
『本日は晴れたため屋根を開けたわよ!』
『紹介に入ります!事前にアンケート式調査をしておりますのでバッチリくっきりわかりますよ!』
『第一試合はこの方!』
『バージル選手よぉ!』
『『『ウオォォォォ!!!!!』』』
『この大陸一の格闘家と言われるバージル選手!』
バージルは焼けた肌のいかにも脳筋感がある男だった。
半裸だしね。
『アンケートの中に称号を聞く質問があるのですがそこには『最高峰の格闘家』
と言うものがあるそうです!まさに神様が認めた格闘家です!』
『コメントには「絶対に勝つ!」と書いてあるわよぉ』
『そのゴツイ筋肉から放たれる拳はまさに魔拳!』
『そしてその対戦相手はゴルゴニア選手!』
『流拳と言う技を使う格闘家だそうよ!』
『静と動の戦いがここある!』
ゴルゴニアは細マッチョ体型をしていて知的な感じだった。
魔法使ったらそれっぽくなりそう。
『第二試合はロンゲート選手だぁ!』
『『魔法の達人』の称号を持つロンゲート選手は様々な魔法を駆使しあらゆる魔物を屠ってきた猛者!』
『その細い身体と短い髪からは予想できない攻撃が繰り出される!』
「余計なお世話だ!!」
『ロンゲート選手ここで憤慨!案外気にしていたのかぁ!?』
「うっせぇ!!!!」
声量が異常。
あ、ロンゲなのに髪の毛が短い。
すごいやつれてるけど大丈夫か?
『対する対戦相手は『剣の長』の称号を持つ凄腕の剣士!オカッパ選手!』
『その剣術は百人力だぁ!』
『その長い髪をたなびかせ舞い踊る様に瞬殺していく!』
『いろいろ真逆なこの二人!勝つのはどっちだ!?』
オカッパなのにロン毛。
くそイケメンなんだが、、、名前以外。
『三試合目は『原初の魔王』というなんだか強そうな称号を持つアスク選手!』
おっと俺か。
なんか強そうってなんだよ、、、
悲しくなるだろ。
『コメントは書かれていない!書く気がないのかぁ!?』
『対する相手はなんとその使い魔!『崇拝する者』のデルマティ選手よ!』
『この主従対決!どちらが強いのか白黒つけなさぁい!』
『本日の最終戦・第四試合は団体戦よぉ!』
『かの有名な冒険者チーム!トーラス率いる『百獣の眼』!』
『そしてそのライバルチーム!ラー・イオン率いる『虎の爪』!』
『10年に及ぶ大げんかにどちらが勝つのか!』
『コメントには『ガキの時貸した銅貨4枚を返せ!』って書いてあるわよぉ〜』
『くだらなーい!』
子供の時貸した銅貨で十年間喧嘩してるってこと?
そんなん尊敬するわ。
『そんなわけで本日の紹介が終わったわ!』
『これから開会式の始まりだぁ!』
「「「「「「始まってなかったのかよ!!!!」」」」」
出場者のツッコミとともにリズミカルな太鼓の音が聞こえ始め軽快な音楽が流れる。
が、その音楽とは裏腹に超大量の魔物がなだれ込んできた。
「これは開会式というのか!?」
「とりあえず殲、滅、、、を?」
魔物が、、、、、踊り始めた。
宙返りや組体操の様なものを披露する魔物たち。
「どうなってるのこれ?」
「おそらく魔物を召喚したんだと思う」
「それを召喚使権限で操ってるってわけか」
客席は笑いに包まれ、出場者達は議論し始めた。
十数分もすると音楽が終わり魔物達は帰って行った。
開会式の終わりを迎え本戦の第一試合・バージル対ゴルゴニア戦が始まろうとしていた。
先日の様なフィールドではなくしっかりとした土の上での戦い。
心が躍る。
聞けばバージルは今この大陸一と言われているらしい。
楽しみで仕方がない。
あいつは覚えているだろうか?
俺は昔奴の同級生だった。
あいつは昔から体がでかく特に目立った。
病がちな両親を持っていて体が弱かった俺からしてみれば羨ましくて仕方がなかった。
ある時、奴は当時の俺からしたら大きなイノシシを狩ってきた。
家で飼いたくて捕まえたらしい。
あの時は本当にムカついた。
体が大きくて強い奴だけもてはやされる。
その不平等に怒りを覚えた。
ある時そのイノシシが暴れ出し俺の母親に重傷を負わせ母さんは寝たきりになった。
そのイノシシはバージルが押さえ込んで小屋に戻して行った。
なんで殺さないんだよ、、
そう思った。
その数ヶ月後またそのイノシシが暴れ出した。
そのイノシシを殺したのは俺だ。
俺の家まで突っ込んできて両親を家屋の下敷きにした。
両親はそれで死んでしまった。
その瞬間何かがブチ切れイノシシを包丁で目を串刺しにして斧で体をじわじわと切っていった。
重さに任せて切っただけなのでそこまで深くなかったがイノシシはそのまま死んでいった。
そのあと奴はこう言いやがった。
どうして殺したんだ!?と。
『ふざけるな!』
そう言ってバージルの顔面を殴った。
馬乗りになり何回も何回も何回も。
お前がちゃんと飼っていなかったから、お前の飼いたいって言うふざけた理由で母さんと父さんは死んだんだぞ!と言いながら殴ったのは今でも覚えている。
俺の両親が死んだ、ましてや最初の暴走で怪我を負ったことすら知らされていなかったのだろう。
ぽかんとした表情でそのまま、『は?』と言って俺を押しのけ俺は知らないだのほざきながら逃げ帰って行った。
孤児になった俺を養ってくれるところなどあるはずも無く俺は村を追われた。
そこで今度は俺が魔物に襲われた。
それを一人の老人が助けてくれた。
俺よりも痩せているのに一撃で魔物を倒してしまった。
これが俺と師匠の出会いだった。
師匠のもとで暮らしていき強くなっていき今ここに立っている。
奥からバージルが出てきた。
『第一試合!始め!』
「久しぶりだな。ゴルゴニア」
「そうだな、クソ野郎が」
俺らは同時に動き出し先手として足を出した。
容易にジャンプで避けられ俺の頭にバージルの足が迫る。
それを掴んでる下に落とす。
「っふ!」
轟音とともに地面が陥没しバージルは打ち付けられる。
「がは!」
反動を利用され顔面を思い切り蹴られた。
そのままバク転で下がっていくバージル。
「いてぇな畜生」
「お前はその程度ではないだろう?」
「そうだな!」
奴の体が赤いオーラに包まれる。
「は!!!」
繰り出された拳は離れているにもかかわらず風が吹いた。
「っ!!??」
咄嗟にバージルの拳の延長上を回避する。
すると地面にヒビが入るほどの小規模の透明な爆発が生じた。
「気づきやがったか」
「卑怯な奴だ」
そういい拳を緩めて流拳の体制に入る。
思わせぶりに手を振る。
すると見えない五本の刃がバージルに向かっていく。
奴は正拳突きでそれを相殺しこちらを向く。
「同類じゃねぇか」
「一緒にするな!」
バージルの拳をさばきながら隙を窺う。
拳を完全にさばかなければ奴の拳から放たれる見えない攻撃が俺を襲う。
が、逆に奴も攻撃をやめたら俺の攻撃を許すことになる。
「断裂突手!」
「破壊正拳!」
見えない断裂と見えない爆発をまとった攻撃が交差する。
上に飛び回避して背中の筋肉を切り裂く。
完全には避けきれず太ももが少し持って行かれた。
迷わず追撃するが反応されてしまい振り出しに戻った。
突き出された腕を引かれる前に掴んでバージルの勢いを利用しそのままフィールドの壁に投げつけた。
バク転で止まった奴は構直しこらちに向き直す。
さっさと終わらせるしかないな、これは。




