接触
魔物の 咆哮 により衝撃波が発生し周りの死骸は全て吹き飛んだ。
この力は異常だ。
最初から全力で行こう。
「毒刀召喚『溶万毒』『腐万毒』『痛万毒』『焦万毒』『狂万毒』『壊万毒』:総合毒太刀『死万毒』」
称号を得たことにより太刀は大太刀へと進化している。
対峙する両者。
その光景を見たものがいたら誰もがこう考えただろう。
『ここにいたら死ぬ。』と、、
動き出す両者。
死万刀が魔物の腕に当たると、金属音が響き魔物の左腕によって死万刀がはじかれる。
魔物は右腕で殴りつけてきた。
神速で下がり体制を整える。
「グガ、、、ニガサ、、ナイ、オマエ、、コロス」
知性がないはずの魔物はそう言った。
魔物が神速の倍以上のスピードで懐に入ってくる。
瞬間移動と神速を同時発動し魔物と同じ速度を出す。
更に速度操作で魔物の速度を大幅に下げる。
神級偽装を使い魔物の視界に複数の俺を作り出す。
瞬間転移で上空に飛び、『刀術神』の絶対切断・時空切断・防御貫通と『時空神』の飛ぶ斬撃、時空断裂を使い更に死万毒をそれに乗せて独りでに暴れている魔物に当てる。
それだけでダンジョンが裂け巨大な地下渓谷を作り出す。煙が待っているところに称号スキル『原初の魔王』の
魔剣・魔刀召喚で武器を召喚しそれを操作して空間掌握でつかんだ渓谷の底にいる魔物のいる方向に投擲。
この作業が僅か10秒。
六種の万毒と死万毒を津波のように生成し渓谷を死の世界へと誘う。
全ての物質が『無』帰り質量保存の法則を無視する。
その速度は加速していきマントル層まで到達。
ここで全ての万毒を消去する。
生成された大量の『無空間』に物質が入り込む。
通常の原子や分子によって構成される世界。
反物質という反核子と陽電子、反中性子から構成される“この世界の物質とは全く逆の電荷を持つ物質”によって構成され宇宙のどこかに存在するとされている反世界。
それをつなぐ無の空間から大量の反物質が放出される。
その瞬間、物質と反物質のお互い触れることによって対消滅しこの星系をも崩壊させるほどのエネルギーを持った爆発が起きる。
『時空王』の時間停止で全てを止めて異界作成によって別世界を生み出し魔物もろともエネルギーを隔離する。
静寂。
何事もなかったかのように全てが消える。
『無の空間』は既に発生したエネルギーによって補充され通常の世界に戻る。
残されたのは爆発によって破壊されたダンジョンだけであった。
突如、異界の揺らぎを感じた。
恐らく爆発を無理やり別のところに追いやったせいで反発した威力が加算され異界を崩壊直前まで持っていくほどになったのだろう。
神級再生と神級回復の速度を上回る消費をしたためかなりの体力・精神力・魔力を持ってかれた。
徐々に回復しているが蘇生薬を生成し飲み干す。
回復だけに蘇生薬を使うなんて贅沢の極みである。
面白い。
まさか反物質を放出し爆発させるとは。
彼には我々の仲間になる資格がある。
是非とも仲間になってほしい。
これまでの試験は上々。
最高の結果だ。
この世界の枠に捕らわれている中では以前の私よりも強いだろう。
何せスキルの組み合わせ方がいい。
欠点があるとすれば戦闘経験の少なさから来る油断だろう。
強者を力技でスキルに頼ってきたからか、これで終わりだと思っている。
あの魔物はこの世界の枠から抜け出した魔物だ。
私達でなければ殺せないだろう。
さて、この後はどうなるか、、、、
朝になり私達はジュルグルの街を散策している。
サキがアスクへのプレゼントを買いたいらしい。
この子は少しアスクを愛しすぎではないだろうか?
アクセサリーのような物を見ていくといきなりサキが立ち止まる。
「っわ!どうしたの?」
「繋がりが消えた。」
「はい?」
「急ぐよ!」
「え?ちょっと待ってよ〜!!」
いきなり走り始めたサキ。
慌ててついていく。
「繋がりが消えたってどういう事?」
「私の称号の中にアスク様と主従関係を結んだため得られた『魔王の従者』という物があります。」
「まって!アスクって魔王だったの!?」
「それよりもです。『魔王の従者』には主人感知と言う物があります。」
「そのままね。」
「どれだけ離れていてもどこにいるかわかる物で私はこれを『主従の繋がり』と呼んでいます。」
「それってやばくない!?つまりアスクが、、」
「消える方法は主に三つ。アスク様が死んでしまうか、危機的状況か。
もしくはアスク様が異界に行かれたときかです。」
「それじゃあ異界?に行ったんじゃないの?」
「アスク様が異界に行くときは必ず一声かけてくれます。昨日のような方法で。」
「それじゃあ危機的状況って事じゃなの!」
「だから急がなくては!」
「でも足手まといになるだけじゃ!?」
「っ!、、そうですね、、。」
立ち止まり悔しそうな顔で拳を握るサキ。
「私にもっと力があれば!!」
「そんなに力が欲しいかい?」
「っな!?」
サキと私は後ろに現れた若い男を警戒する。
いつの間に現れたんだろう、、
其奴が身につけているコートとグローブはアスクが来ている物と色こそ違う物の全く同じ物であった。
「何者だ?場合によっては容赦はしない。」
「君たちじゃ僕に勝てないし君のご主人様は今大変な事になっているよ?」
「どういう事だ!?答えろ!」
「サキ落ち着いて!」
「そうだ落ち着きなよ。実力差がわからない君じゃあるまい?」
こいつが言った通りこいつは間違いなく強い。
「彼は今試験を受けているんだよ。僕たちの仲間になる資格があるかどうか。」
「どういう事だ?」
「それに伴い君たちには死んでもらう。彼がこの世界に枠から抜け出すためにね。」
「それには必要はないよ?」
奥から美しい美少女がが出てくる。
この少女も目の前の男と同じくアスクと色違いの装備を着ている。
「センパ〜イ。そうじゃないと抜け出せないですよ〜?」
「彼は私たちと違って元がしっかりしてるから今回の試験で
問題なく抜け出せるだろうってベル兄さんも言ってたよ。」
「お前ら、一体何の話をしている!」
「教える義務は無いもん。いずれ知る事になるしね。」
「行きますよセンパイ。これ以上無駄話してちゃ僕が怒られる。」
「そうだね。」
「待て!」
「そう焦んなくてもいいよ。」
彼らは言い終わった瞬間煙のように、いや煙すら残さず消えていった。




