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僕にとっての詩

作者: 渋音符


 (うた)とは何か。

 そんなことを僕は考えたことがある。

 一応、小説投稿サイトに拙い作品を投稿している自分でもこんな評論じみたものを書くのは烏滸(おこ)がましいと思うし、多分読者からしてもこんなものを読みたいのではなく、もっとファンタジーチックなものや、激しいバトルの方が断然読みたいだろう。僕もそうだ。こんな調子に乗った評論モドキではなく、下手でも面白味のあるファンタジー小説の方が読みたい。

 だから、まあ、これはただ単なる僕の感想文だと思ってくれ。

 まず読者の皆さんは、詩、と聞いて何を思い浮かべるのだろう。僕が真っ先に思い浮かべたのは古典や現代文の授業に出てくる詩歌ではなく、もっと身近にあるものだった。おそらく、読者の大半もこれを思い浮かべるだろう。

 歌詞、である。

 歌詞。詩という言葉が使われていないけれど、歌詞も詩の一つだと僕は思う。ただメロディーがあるだけで、楽器が演奏するだけで、他はなんにも変わらない。誰かのために書かれた、詩。

 詩というのは元々恋人達や親子がその絆と愛を確かめ合うために使われた感情表現の一つである―――とどこかの評論か何かで読んだ気がする。なるほど確かにそうだ。古典の詩―――俳句、短歌、川柳、その他諸々を見ても、大半を占めるのは恋の歌、家族の歌ではなかろうか?詩のルーツがどうであろうと別にどうでもいいが、そう考えると割とすんなり納得の行くことがある。

 ラブソングは売れる。しかも結構長く。

 他の歌、例えばロックやら何やらは売れるかもしれないが、反発も多い。けれど、ラブソングは多くの人に愛されがちで、共感も得やすい。つまり売れる。

 となると、詩の根本にあるのは恋慕や愛情ではないか―――と、そんな考えが僕の中に芽生えた。

 でも、こうして文章を書くなかで感じたが、僕にとっての詩は恋愛とか絆とか、多分、そんなくだらないことではないような気がする。というか、絶対にそうだ。

 こんな恋もしたことのない、愛を確かめ合ったこともないクソガキがそういうもののために詩を書けるはずがないし、書く気もない。

 僕にとっての詩、それは自分の理想、或いは妄想だ。

 あの時こうしていれば、この時こっちを選んでいれば、その時はこうしよう、どの時にどうしよう―――という具合に、自分が選ばなかった、選ぼうとした選択肢を妄想したもの。

 もしこんな事が起こったら、もしあんな人と知り合ったら、もしそんなものを持っていたら、もしこんな世界へ行けたら―――という具合に、自分が望まなかった、望んでしまった世界を理想としたもの。

 それを文章にすることで、日頃の鬱憤を晴らしているにすぎない。

 もちろん、読者に楽しんで欲しい、というのもあるだろう。けれど、そんなのは思っていても一割程度で、残りの九割は全部自分にとって都合のいいことを考えている。

 僕はそこらの学生と変わらない。

 小説を書いているからって特別になれやしない。

 だから、こんな詩を今も鬱憤晴らしのために書き綴っているのだ。

 別に、これは僕の意見だから共感は求めない。

 むしろ共感されたら吐くまである。

 だって、感性なんて人それぞれなのだから、こんな感想文に共感できるのは僕のドッペルゲンガーか、平行世界の僕か、或いは生き別れた双子ぐらいしかいないだろう。

 だから、共感とかはしてほしくない。

 ただ、これを読んで「ふーん、こんな考え方があるんだー」とでも思ってくれれば、それでいい。



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