前衛街エルビス・到着
勇者と魔王、つまりハクトとクロトが戦ってから百年が経っていたという衝撃の真実を知ってしまったんだが、なぜこんなことが起きたのか
クロトいわく、考えられる可能性は二つあるらしい
「一つは儂らが死んで、お主に初めて会った場所、魂の世界とでもいっておくかの、そこと儂らが今いるこの世界との時間軸の違いから百年も経ってしまったという可能性
もう一つは転移の時間設定を間違えた可能性じゃ
儂らも魂での魔法の行使は初めてじゃったからの」
という事らしい、この件に関してはとやかく言っても仕方ない、どうしようもないからな
しかし、百年かもう戦争なんか終わってんじゃないか
でも、こんな事聞いたら「なんだこいつ、こんな事も知らないのか?」みたいになるよな
なんか無いか、そういうのが調べられる本とか
でも、テンプレだとこんな時代は、本が貴重で手に入らなかったりするしな、
結局、俺はエリックから情報を聞けず、
エルナー平原を出発してから三日経った日、ついに前衛街エルビス、この世界初の街にやってきた
「ようこそ、前衛街エルビスへ」
エリックが歓迎の言葉を送ってくれるが、それが耳に入らないくらい俺は感動していた、
西洋っぽい感じの街並みに、いかにも冒険者って感じの人達、行き交う馬車、これぞ異世界って感じがするな、
「じゃぁ、僕はこのまま商人ギルドに今回の事を報告してくるよ」
「ギルドがあるのか!?じぁ冒険者ギルドも?」
「う、うん、あるけど今時どんな小さい街でもあるよ」
「そうなのかぁ〜、これは楽しみだな!」
「リュースケは、たまに変なこと言うよね」
「ま、まぁな」
しまった、ちょっとはしゃぎすぎたな
「なあ、盗賊の討伐報酬とか無いのか?」
そう、今の俺は無一文、このままではない食事も宿にも泊まれない
「あるよ、心配しないでギルドに報告したら報酬を渡すから、それまでエルビスを見て回るといいよ」
「そうだな、どうだどれぐらいに終わりそうだ」
ちなみに、この世界の時間軸は一日、二十四時間、一カ月、三十日、一年、三百六十日だ
「三時間くらいかな、それまでエルビスを楽しんでくれ」
「ああ、じゃ後でな」
「うん」
よし、異世界の街を探検だ!!