衝撃の真実
盗賊達を倒し終わり俺は商人っぽい奴の元に帰ってきた
「あ...あんた一体何者、なんだ?」
「俺は、唯の旅人さ」
「そ、そうか、いやっ良いんだ誰にだって言いたくない事はある」
なんか勘違いされたが、まぁ良い
「実はだな、路銀が尽きてきたんだがエルビスまで一緒に連れて行ってくれないか」
「そうだな、命の恩人の頼みだ、できれば出てきた盗賊とか魔獣は、倒してもらって良いかい?」
ちゃっかりしてるな
「いいぜ、その代わり食事なんかは、頼んだぜ」
「ああ、任された」
普通こんな簡単に信用なんてしないんだろうが、盗賊を倒した後だから、害意は無いくらいには思って貰ってるんだろうな
そんなこんなで二人と二匹でエルビスへ向かっている、しかしハクトとクロトの事は何も聞いてこない、子犬の姿が役に立ったか
ちなみに今俺は馬車の御者席に座っている
隣には、商人、もといエリックが座っている
エリックは二十五歳らしく、商店をやっているらしい、しかもエルビスで、近くの村々をまわって行商みたいな物もやってるらしい
ここで俺は気づいてきた、いや、本当は色々おかしいとは思っていた、
俺が転生した場所、エルナー平原大陸の中央にあるはずなのに戦闘の痕跡すらなかった
戦争中なら激戦区、とまではいかなくとも戦場くらいにはなっているはずだ
しかし、そこは極めて平和な平原だった、
そして、エリックがまわったという村々、前衛街の前にあるのはおかしい、
ということは、ここはハクト達が生きていた時代より未来になるわけだ
「なぁエリック、魔王と勇者が戦ったのっていつくらいのことだっけ」
「どうしたんだい、いきなり...確か百年くらい前だったと思うよ」
ひ、百年、そりゃぁ平原が平和で村が出来るわけだ、そう思いハクトとクロトを見ると二匹一緒に俺から目線を外した
はぁ〜、これからどうなんだよ
そんな事を考えながら、俺は深い溜息をついた