魔王と勇者の転生者
これからよろしくお願いします!
「何処だ.....ここ?」
気が付くと俺、佐藤 龍助は真っ白広い部屋に居た。いや、部屋と言うには広すぎる、なんせ壁が見えないのだ俺が混乱していると、
「やあ、ようやく起きたかい」
そんな声が聞こえて来ると同時に目の前に光る白い玉が現れた、何だこいつ、どうやって玉が喋ってるんだその前にこいつは誰だ?
「お前は...何なんだ?」
「僕かい? 僕は....うーんなんて言えば良いのか?まぁーざっくり言うと君が生きてた世界とは違う世界で勇者をやってた者だよ」
は? 勇者?それに生きてたって
「生きてたってなんだよ俺は今ここに....」
そこまで言って声が詰まった、目の前の光る玉に掴み掛かろうと腕を動かそうとすると腕の感覚が無い事に気がついた、指を動かそうとしても指の感覚も無い足の感覚も、なのに動ける俺は混乱している脳を必死に動かし今の状況を整理する、そしておそるおそる自分の身体を見て見ると、
「なんだよ.......これ」
そこにあったのは目の前の白い玉のような俺がいた。
いや、俺なのかも分からない
「そう、君死んだんだよね、不幸な事故で」
光る玉がそんな事を言っているが今の俺には理解出来なかった、だから必死に今まで何があったか思い出す
俺はいつも通りの学校を終え、本屋でラノベを買っていつも通りの道を通っていたんだ、そこで...そうだそこで小さい女の子が猫を追って車道に出たんだ!
そこに車が突っ込んで来て...俺はその子を庇って...
「状況は理解出来たかな?」
「俺...死んだんだな」
「そうだね、悲しい事だけど、でも君のおかげで女の子は助かったよ」
そうか、俺の死は無駄じゃなかったのか
「そこでだ、君には僕の転生者として異世界に行って欲しいんだ」
はぁ? 俺が異世界に?
「なんで俺なんだ?」
「実は僕のいた世界は今戦争中なんだ、人類と魔族のね、そこで僕は勇者として魔族を率いていた魔王と戦って相打ちに下までは良かったんだ、でも他の有力な魔族達が魔王の仇打ちだとか言ってまだ戦争は続いているんだ、だから僕の転生者として人類に協力して欲しい」
いきなりスケールのデカい事を聞かされまた頭が混乱しそうだ、でも勇者か、前世の最後は人を助けて死んだしやって見ても良さそうだな
「分かったやっ「ちょーーっと待ったーーー!!」
俺が答えようとした瞬間、どこからか大声が聞こえてそしたら目の前に光る玉がもう一つ、ただし今度は黒色に光っていた、
「お前は...魔王!」
どうなってるんだこの状況、白いのが勇者で、黒いのが魔王、なんで魔王もここにいるんだ!?
「どうしてお前がここにいるんだ!」
「儂が貴様の策が分からぬと思ったか転生しようなどと小癪な真似を、おい!貴様!」
「俺!?」
なぜか魔王に呼ばれる俺
「そうじゃ、貴様じゃ勇者なんぞやめて魔王に転生せんか?」
「なっ!」
この誘いには勇者も俺もびっくりだ
「何を言っている!魔王!彼は僕が先に見つけたんだ」
先に見つけたって俺は物かよ
「ふん、知ったことか、どうするもこやつの自由よ」
「ぐっっ...それはそうだか」
なんか勇者が押されてるな
「きっ..君はどうなんだ!」
え〜ここで俺に振ってくんのかよ
「えー、じぁあ転生するとどんなメリットがあるか、それぞれ発表して下さい」
「「えっ?」」
これには勇者も魔王も驚きらしい、まぁーそうなるわな
「メリットか、うーむ...他の人間には無い力が手に入るぞ」
「それなら、魔王も他の魔族には無い力が手に入る」
「魔王なら、魔族にモテモテじゃ儂も若い頃はこれでもかと言うほどモテたわい」
「そっ..それなら勇者もモテるぞ! 君は元人間だから勇者の方が良いだろう」
「貴様!人間と魔族の違いなんてあまり無いじゃろ!」
「人間には角も尻尾も羽も付いてない!」
余りに言い争いが長いので、俺は提案をして見た。
「じゃあ、勇者も魔王もどっちの力も貰って、世界を見てから決めればよくないか?」
まぁー、流石にこんな提案乗ってこないよな、と思っていたら、
「「それだ!!」」
「えっ?」
「なるほど、確かにそれなら君の目で見るからより現実感が湧くだろう」
「儂も異論は無い、そうと決まれば早速転生の準備じゃ」
「おう!」
お前ら、本当は仲良いだろ...