プロローグ
ここは日本の医療最先端技術を集結した、日色病院・・・・・・床を樫の木のデザインで作ることによって自然な印象を与えつつ、壁そして天井までもが白い塗装によって、清らかな印象をこの病室の患者に与え、心地よく過ごせるように工夫されている。
病室の左奥には机がついてる患者が使用するベッドがあり、その隣には。お見舞い用の椅子がある。そして、そのベットには、今まさに患者が横たわっていて、その患者の視線の先には、ガラス越しに見える、きれいな風景があった。その風景とは桜の木に風当たることによって、咲き乱れていた桜の花びらが舞い、後ろには、ガラス張りの高層ビルが聳え立っていて、まさに芸術と呼ぶにふさわしい風景だった
(綺麗だな・・・・・・もう少しこの景色が見れたらいいんだけどな。)
ベットに横たわる彼は、未練のような心情を残し、もうすでに旅立とうとしていた。
それは現在から二年前・・・・・・彼は16歳の時、高校の体育の授業の時、いつものように校舎を先頭ではしり、2kmほど走ったときだ、彼は唐突に全身に力が入らなくなり、そのまま体制を崩し意識を失ってしまった。
もう意識が戻ったころには今の見慣れた病室に横たわっていた。彼の身体には前代未聞の全身の機能を徐々に不完全にしていく、病名不明の病気だった。後にこの病気は、゛全身機能不全゛と名づけられ、これを治すために、最先端技術を集結させた日色病院に送られたが、結果は惨敗・・・・・・どんな最先端技術を使おうが、彼の病気は一向に治る気配を見せず悪化していき、現在では指一本すら動かせない重体になっていた。そして、その命ももう尽きようとしていた。
(結局、誰にも見送られず静かに死ぬのか。もし次があるのならば、俺は・・・・・・)
そして彼は、とある病室で、静かにその若い人生に幕を下ろした。
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なんだか騒がしい。俺は目をゆっくり覚ます。
そこには見知らぬ天井があった。まわりは俺の方を見て、喜んだり、泣いたりしている人たちが5人いる。
三人は白黒のメイド服をきている。もう二人はどこか貴族っぽい服を着ている。そして気づいたことがある・・・・・・。なんで俺は生きてるんだ?俺は病院で息を引き取った。なのに、ここにいる。ここがどこかは知らないが間違いなく生きている。そして周りが何を言っているかわからない。
俺は違和感を感じた。身体に感覚がある。
恐る恐る俺は、自分の腕を動かしてみる。謎の病気で二年も動かなかった腕が、今こうして動いている。
そして俺が目にしたものは、赤ちゃんのような小さな手だった。
俺はこうして生きていて、身体も動かしている。言葉は出ないが、声は出せる。そして身体は赤ちゃんの身体になっている。
この情報から引き出せる答えは一つしかなかった。
そしてようやく気づいた・・・・・・。
俺は転生したのだと。