プロローグ
------------ヒーロー募集--------------
☆あなたも一緒にヒーローしませんか?
☆日給五百円~五万円
☆働き具合によって日給が上がったり下
がったりします。
☆悪に立ち向かいたい方。退屈な方。
誰でも歓迎!
☆初心者経験者、どちらも歓迎!
☆詳しくはこちら↓の電話番号まで!!
(***)-****-****
こんなものが家のポストに転がり込んできたら、あなたはどうする?
もちろん捨ててしまうというのもひとつの手だ。
こんな怪しいものが入ってたりして、ましてや、この電話番号にかけるなどということをしたら、何が起こるか分かったもんじゃない。
けれども、
そんなものに電話したくなるほどに、退屈している人も、いるんじゃないんだろうか?
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「なんだこれ」
学校帰りに家のポストを開けると、夕刊のほかに、一枚の薄っぺらい紙が入っていた。
それは簡素で、簡潔な、ヒーロー募集の紙だった。
「なんだこれ」
もう一度今さっき言った言葉を繰り返しつつ、紙に目を通す。
「ヒーロー募集?」
そう書いてあった。
「なんだこれ?」
二度繰り返す。二度目は純粋な疑問だった。
これは何だ?そしてなぜ俺の家のポストに入っていたのだろうか?
けど、興味はあった。
ポケットの中にその紙をねじ込み、家のドアを開ける。
「ただいまー……」
そんな言葉は、廊下に溶けて消える。
父さんと母さんは遅くまで仕事があり、夕飯時になっても帰ってこないことが多い。
そのせいでかどうかは知らないが、なぜか家事スキルがかなりのものになってしまった。どうでもいい情報だった。
いつもどおりに食事を取り、寝室に行き、ベットに転がる。
そうすると、自然とまぶたが下りてくる。不思議なものだ。
あ、とそこでひとつ思い出す。
ポケットの中の紙忘れてた。
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次の日。いつもどおり六時半くらいにおきて、朝飯を食う。
そこで、ポケットに突っ込んだままの紙をもう一度広げてみる。
そこには昨日と変わらない文面が広がっていた。
「当たり前か」
一人ごちる。
家を出る。例の紙も持ったままだ。
これからどうするか。決まってる。
学校へ行くのだ。
久しぶりに、衝動的に描いてしまいました。
カットナッテヤッタ。ハンセイシテイル。