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第十四話 事後処理のお話


あれから一週間、とりあえずギルドに状況報告を行い、人を派遣して後始末にあたった。

幸いというかなんというか、盗賊は人さらいを主な収入源としていたらしく被害者の家族から、かなりの額の賞金がかけられていた。

事後処理と賞金の受け取りを行っている合間に、俺はリックの元を訪れしばらく戻らないことを伝えると、

「いつかお前はそんなこと言うと思ったよ。

元気で行って来い。

いい土産話を期待してるぜ」

と笑いながら送り出してくれた。


アジトで出会ったあのマルマルという男も一日程度、俺の周りをうろついていたが、俺がレグルニアに行く気がないと悟ると名残惜しそうに、

「あなたの匂いは覚えました!

必ず、必ずまたお会いしましょう!アルさん!」

と最後は叫びをあげながら馬車にゆられて旅立っていった。


そんなこんなであっという間に一週間過ぎてしまったというわけだ。

なんだかんだで楽しくはあったが、今日ようやくギルドから報奨金が出るとのことで俺は受付に顔を出していた。


「すみません。先日盗賊を退治したランドールですけど、報奨金と先日確認をお願いした事柄について危機に来ました」


以外にも受付の男性は笑顔を絶やさず対応してくれた。


「はい、ランドールさん、今回は盗賊団ブルウェアを退治してくださってありがとうございます。

では、盗賊退治に関しましての報酬はこちらに、それと先日ランドールさんがおっしゃったことはこちらで確認しています。

街道に遺体が散乱しているのを通りかかった商隊が確認しました。

報告にある身体的特徴とぴったり一致したことから、同じ盗賊団であるとギルドでは認識しました」


やはりというか、予想通りの結果にただ俺は相槌を打つことしかできない。


「…そうですか。

遺体は私が話した数より少なくありませんでしたか?」


俺の言葉にギルド職員が驚く。

どうやら俺の想いとは裏腹に(・・・・・・・・・)俺の思い通りに事は運んだらしい。


「…え、ええ。確かにあなたの報告よりも数が一人少なかった。

しかしよくあることですよ。

盗賊なんて輩は仲間内で裏切ることもよくありますから。

おおかた、生き延びるために、一番最初に目覚めた者が仲間をすべて殺して、身に着けていた路銀を剥いだのでしょう。

その男には他の被害者遺族から更なる賞金が出されるかと思われます。

我々も犯罪者に対しての賞金は惜しみなく出していくので、また機会があればよろしくお願いしますね」

「どうも…」

「では…今後ともよろしくお願いします」


短い挨拶だけをすまして、ギルドから報酬を受け取る。

周りは俺を奇異の目で見ている、俺が腰に下げた報酬に対し不釣り合いだと思っているのだろう。

…あーこりゃ一回襲われっかな。

まあ、それも致し方ない。

こちらもここで名前を売るいい機会だろう。

そう思って警戒していると、入り口近くで待っているクルルに話しかける人影がいた。


「あなた、まだあれ(・・)と一緒にいるの?

もう別れた方がいいって言ったのに、あの盗賊たちの死体もどうせあなたが見つけて殺してあのあれ(・・)に全部譲ったんでしょ?

まったく呆れちゃうわ」


あの時のエルフだった。

近づく俺を華麗に無視しクルルに話を続けている。


「ふむ、お主はなにか勘違いしておるのう…まあそれくらいが、あ奴の為なのだとすればここは沈黙が金かもしれぬが…

確かに我が手伝ったものもあるがすべてではない。

あ奴と組んで此度の盗賊は駆逐したのじゃ。

お主が思っている以上にあ奴は強いぞ。

今はそれくらいしか言えぬがの」

「あっそ、せいぜいあいつに使いつぶされちゃいなさいな。

せっかく私のギルドメンバーにしてあげようと思ったのに!

後悔しても遅いんだからっ!」


俺がじっと見つめているのが気に食わないのか、捨て台詞を吐いて、そそくさと去って行った。


「また文句でも言われたか?」

「いんや、あの娘が不思議がっておったのでな。

少し話をしていただけじゃ。

それよりも、一週間前にお主が行ったことを早く説明せぬか!

まだ早いまだ早いと一体いつになったら話すのだお主は!」


クルルの怒った声に俺は思わず吹き出してしまった。


「ぷっあははっ!

なんだ、クルルまだわかってなかったのか?」


「ち、違う!わ、我なりに見当はついておる。

しかしお前の考えを聞きたいのじゃ!」


俺の笑い声にクルルが恥ずかしそうにわめく。

どうやら、ある程度は予想がついているようだ。

俺はゆっくりとうなずくと、小声で返す。


「歩きながらでいいか?

あの羊皮紙が本当ならやらなきゃいけない事があるんだ」


俺の予想が正しければ、少なくともすでに絵は描かれ始めている…はずだ。

クルルというドラゴニュートもどきに周りが驚き、俺に手を出せない状況を内心面白く思いながら、ギルドを出たその時だった。

見たことのある翼をもった女の子が鎖でつながれ道を練り歩いていた。


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