第十一話 結果と対策のお話
「さてと、こいつらをどうしたもんか…」
と俺はいまだうめき声をあげる男たちを見下ろした。
「好きにすればよい、殺してもよし、一人二人残して連れて帰って町の兵士に突き出すもよし、お主にとって益となるものを選択すればよいではないか?」
その声に俺は答えず、死んでいる盗賊の体をまさぐる。
別に生きた奴でもいいのだが、一つ気になることがあった。
人形老の館への道は普段誰も通らない。
街道に面している道とまったく逆の方向にあるのだ。
たぶん人嫌いの人形老自身が人気のない場所を選んで館を立てたのだろうが、だとするとここで一つの疑問が生まれる。
盗賊の存在だ。
普段、盗賊とは街道近くで商人を待ち伏せる。
そして、自分たちが襲っても大丈夫な規模の商人や旅人を襲うのだ。
それが奴らの手口だし、こいつらもそれに近いことを今までやってきたはずだ。
だが、今回こいつらはここに現れた。
街道からわざわざ離れた道にだ。
この先には人形老の館しかなく人はめったに通らない。
…もしかしたら、また誰かの手のひらの上かもしれない。
そんな寒気が俺を襲う。
その可能性を、こいつらがここにいる意味を探るために荷物を漁った。
そして、リーダーの死体から一つの羊皮紙を見つけた。
「クルル、死にかけてる奴らを助けてやってくれ」
「ふむ、しかしよいのか?こいつらに情けは無用だと思うが…」
その言葉を遮るように俺は軽く答える。
「ああ、聞きたいことがあるんだ」
そういって俺は転がっている盗賊をもう一度見る。
あの羊皮紙と合わせてみて、違和感がある男を見つけた。
幸いにも生きている。
手始めとしてはあれがいいだろう。
「おい!そこのお前」
「ひゃっ!?は、はい!」
「お前らのアジトに案内しろ」




