昼飯
えっと、なぜか全然進みません
どうしよう?
俺たちは店を出て、通りを歩いている。
今俺たちはとあるラーメン屋を探している。
その店は『豚骨豚朗』豚骨ラーメン専門店である。
創業250年の老舗である。
創業当初からスープを研究し、それに合う麺を開発し、今もなお発展を続けている。
豚骨ラーメン界のトップになってまで未だその向上心は衰えない…これこそラーメン屋の本当の姿。
…と考えてるゼグルはぜひ寄ってみたい店の中の一つである。
「お、あったあったパンドラ中に入ろうぜ」
とゼグルがパンドラの手を引いて中に入とろうする。
しかしここのラーメン屋は只のラーメン屋ではない。
そう人気ラーメン店の象徴と言えるアレがあるのだ。
そう行列である。
ゼグルはそれらを無視して店に入ろうとしたのだ。
「おい、お前にはこの列が見えねェのか?」
並んでいたおっさんに止められる……メンドイなぁ。
「ほら、金やるから入らせてくれや」
金貨10枚をおっさんの手に握らせる。
パンドラが『何てことを…』みたいな目つきで睨んでくる……怖いよ、それめっさ怖いよ?
「お、おいこんなに貰っていいのか?」
自分の手の中にある金貨と俺の顔を交互に見ながら言う。
勘違いではなく行列の目線が痛い……スルースルー。
「ああ、だから前に並ばせてくれよ」
悪魔にしては優しい方法である……普通なら暴力で脅すのだからな。
「ああ、どうぞどうぞ…これで良い食い物食えるぜーー」
と、走り去った……このラーメン屋を超える食べ物なんて数えるぐらいしかないと思うが…。
まあ、どうでも良いと頭の中をラーメンでいっぱいにする……はぁよだれが…。
と頭の中をバラ色にしてると自分の順番が来た。
俺とパンドラがカウンター席に座る。
席に座った瞬間からラーメンとの戦いは始まっているのだ。
ラーメンは食われるんじゃない食うんだ。
豚骨ラーメンのインパクトに負けてラーメンに食われては店主の勝ち、逆にこちらが食せば俺の勝ち。
「豚骨ラーメン2つ」
と店主に言って注文を済ませる。
イメージトレーニングを済まし戦闘態勢が整った頃ラーメンが運ばれてきた。
パンドラも戦闘態勢は整っているようで落ち着いている。
「はいよ、豚骨ラーメンお待ちどう」
と目の前にラーメンが置かれる。
……箸を割り麺を掬いフーフーと冷ましてから一気に麺を口の中に滑らせる。
麺と共にスープも入ってくる……噛んでみる……。
ウッ……何だこの破壊力は……スープはとても味がしみていてとてもおいしい…味が濃いぞこれは。
しかし脂っこくはなくあっさりしながらも味はしっかりとついている。
この麺もスープを引き立たせることに徹している…麺のもっちり感がスープをより一層おいしくする。
周りの客は心ここに在らずという感じでラーメンを啜ってる。
くっ、耐え抜いた、1撃目で落とせなかったな豚骨ラーメンよ。
1撃目を防いだらもう俺の心を落とすことは不可能だ。
パンドラも耐えたようで、二口目にすでに行ってる。
「ぷはぁ、食った食った」
俺たちはラーメンを完食し銀貨2枚を支払って通りにでた。
「さてとパンドラ」
「はい、何でしょう?」
「どうやったらスリット盗賊団のアジトを見つけるんだ?」
「知りませんよ」
………え?
どうやって探そうかな?