人間界
今回からとりあえず強い奴を倒すだけになります
「よし、ついた」
俺たちはルーナ公国の街の中にいる。
ルーナ公国はジパングとも交流がありジパングととても仲が良い。
ジパングお気に入りのゼグルにとってこの国は重要なのである。
「へい、らっしゃい」
「安いよ安いよ」
店のおじさんが必死に客を呼び込もうと声を張る。
「へぇ、結構賑やかな国ですね」
50年ぶりの人間界に感嘆するパンドラ。
キョロキョロと首を動かし目を輝かしている。
「なあ、パンドラ、今日、明日この国を観光しないか」
まあ、せっかく人間界に来たんだから、楽しまなくっちゃな。
「はい、そうですね、敵地視察もついでにしなくてはいけないですからな」
多少顔を赤く染めながら、嬉しそうに頷く。
「じゃあ、あのラーメン屋に行くか・・・・・ってか、お前金持ってる?」
根本的な問題に気づいた。
「・・・いえ、急だったもので持ってきておりません」
・・・・・しょうがないか。
「じゃあ、俺はジパングの金をこの国の金に替えてくるから適当に回ってろ」
俺はパンドラの魔力で位置が分かるから、一人でちょっと息抜きもいいだろ。
そして俺は街を見ながら、金を替えてくれる店を探した。
「・・・・・と言ってもどうしましょう」
とりあえず私はそこら辺を歩き回る事にした。
「武器と防具の店『カエンタ』ですか、たしか人間界でシェアNo'1を誇る武器を売っている店だとか・・・・・とりあえず入ってみましょう」
「カランカラン、へいらっしゃい」
陽気なおじさんが迎えてくれた。
「お、お前さん魔術師かなんかかい、魔力の大きさが多少強いぜ」
ほう、魔力を普通の人間に合わせているつもりだったが、それを見抜くとは中々ですね。
・・・・・この人は強い・・・一見普通のおじさんだが魔力を抑えている。
魔力をバンバン放出している奴はそこまで強くはない。
普段は魔力を抑えいざという時に魔力を放出する、これによって爆発的な魔力を使用することが出来る。
たぶんこの人は魔力を放出するとこの中にいる人間は意識を失うだろう。
実際魔力を抑えるのは簡単ではない。
普通の人間なら50年は修行しないと出来ない技だ。
「お、普通ぐらいの魔力になった・・・・・相当な実力者だな・・・お前さんにはこれが良いんじゃないかい」
一番目立ってる所にあるメイスを取り外した・・・私を魔法使いに見えたのだろう。
・・・なるほど、聖なる魔力に満ちている、マテリア鉱石をふんだんに使ったメイスを出してきた。
確かに上級者用だが私にはおもちゃに見える。
と言うか私では聖なる文字が刻まれているメイスを持つと多少手が痛い。
「そんな武器はいらないもっと良い武器はないの」
「おお、これを『そんな武器』か・・・・・よしならっと、おっと、ふう、これならどうだ?」
おじさんが店の奥から剣を出してきた。
「それは?」
ものすごい聖なる力を感じる・・・これで斬られたら中級悪魔なんて塵も残さないわ。
「人造の神器だよ、この世で一番強い金属ミスリル鉱石で作られている」
「100年間、聖なる光を浴びせ、剣にとびきりの魔力を込めた聖なる文字も刻んである」
確かにこれはあの爺が魔力を込めたのか・・・・・めんどくさい事をしてくれたわね。
と言っても
「人間にもまだこんな技術があったなんて」
ミスリル鉱石を加工したり確かに神器と言うまでになった。
「な、まだ人間も捨てたものじゃないだろ・・・・・まあ、これは勇者に渡す用だがな」
まったく不用心な人だ。
「そんな物私に見せていいんですか?私がそれを奪おうとしてあなたを殺すかもしれませんよ」
多少殺気をだし本気だということをアピールする。
「ん、何だって?ククク、お前なんぞに俺はやれねぇよ……調子に乗るなよ若造が…」
『ゾワ』なんてゆう殺気か…背筋がゾクゾクしたわ……こんなの久しぶりだわ……
【久しぶりに悪魔の根源を刺激されたわ…まったく人間風情が…殺し甲斐がありそうだわ】
……いや違う違う一回落ち着きましょう……ふぅ。
まあ、一応ゼグル様に報告した方が良いかもしれないですね。
『ゼグル様、ちょっと凄い物を見つけました、速く来て下さい』
私は念話でゼグル様に連絡をする。
『ん。何が~』
『人造ですが神器です』
『 っ?!・・・・・本当か』
『はい、もの凄い聖なる力を感じます』
『・・・分かった、すぐ行く』
・・・・・念話終了。
「神器か、すぐ行くか」
俺はパンドラの魔力を感じる方へ向かった。
神器出るのはえーー