他種族への変身
ーー 変身の条件
ブータン王国側から再び魔境を抜けてイスタンブル王国側に戻ったのが、翌日の昼過ぎであった。
走力が特段に速くなっている、ステータスを確認すると
[身体強化(大) 時間魔法(中級) 重量軽減魔法(上級) ]
にスキルアップしていた。
そしてレベルは80から変化なく変身スキルに変化が。
[変身〜獣人・エルフ・ドワーフ、 制限はクールタイム24時間 ]
[変身〜人族、 制限はクールタイム23時間 ]
と変わっていた。
とうとう他の種族に変身できるようだ。
この結果を見ると
・種族レベル MAX
・スキルレベル 中級以上若しくはほとんどが上級
・1日以上変身をしているとクールタイムが減少する
と考えられた。
今度は獣人の国に向かい検証を行うことにしよう。
ーー 獣人の国に
家族に一月ほど森に入ってくると言い残して僕は西部大森林の外周を北に向かい疾走していた。
北側には険しい山脈が隣国との自然の国境となっている。
北側の隣国は、ライオネス国と言う獣人が治める国がある。
国とは言っていいるが獣人は同系統の獣人が個別に街を作り住んでいるため、獣人の集合体のような感じだ。
一応国王という者がいるがそれは、獣人会議で決めているそうである。
険しい山を猿や山羊のように登り駆け飛び越えて1日で山の向こうへ辿り着いた。
そこで村人などに見つかる前にとスキルを使い変身することにした。
『獣人へ変身』
身体が淡くひかり、目線が高くなった。
手持ちの手鏡で顔を確認すると
「耳が生えている!尻尾もあるぞ。」
と興奮している自分に少しばかり気恥ずかしくなる。
「毛色はシルバーの狼系かな。名前はシルバーで良いか。」
と思いステータスを確認する。
獣人のシフトのステータスは、
[ 名前 シルバー、年齢 20歳、種族 獣人族(変化可能〜24時間後)、種族レベル 40
MP〜500、 HP〜1000、 INT〜500、 VIT〜1500、 STR〜1500、
DEX〜500、 AGI〜2000、 LUK〜500、
スキル
言語理解、 状態異常耐性(大)、 身体強化(大)、 魔力感知(不可)
変身(使用可)、 魔法属性(全)、 再生・回復(大)、
気配察知(初級new)、 牙・爪攻撃(初級new)、 魔眼(初級new)
嗅覚強化(new)
魔法(人族)
火・水・風・土魔法(上級不可)、 空間魔法(上級)、 創造魔法(中級)
時間魔法(初級不可) 重量軽減魔法(上級不可) ]
であった
レベル40でこの能力なら問題ないね、魔法系が使えない項目が多い割には僕しか使えない魔法は使えるようだ。
レベルは元の半分という感じかな。
獣人特有のスキルも発現したのでこれを伸ばしていこうか。
山の麓から周囲を確認しながら歩いていると、草原の魔物グレーウルフが現れた。
群れで狩りをする魔物の代表格だ。
周囲の気配を探ると・・・!
「判るぞ!12頭のグレーウルフがいる。」
突然走り出すシフト、包囲を破られ慌てて追いかけるグレーウルフ。
走りながら攻撃範囲に入って来た魔物に創造魔法で造ったナイフを投げる。
「ギャン」
ナイフを受け悲鳴をあげて倒れる魔物。
3頭ほど倒したとことで、相手も考えたようで攻撃範囲に入ってこない。
持久戦に持ち込むようだ。
僕はさらにスキルの効果を確認するために反転、ウルフ達に向かっていく。
突然の反転に隙を見せるグレーウルフ達に
「クロウ!」「ファング」
と爪と牙のスキル攻撃を試すと。
飛ぶ見えない攻撃が魔物達に達し、切り裂かれたり削れたりして倒れだす。
「中々凄い攻撃力だ。一撃で戦闘不能になる。」
面白いように攻撃が当たり7頭のグレーウルフが倒されると、残りのグレーウルフは逃げ出した。
「生存本能はあるみたいだな。」
レベルが5上がって45になっていた。
スキルについても
[ 気配察知(中級)、 牙・爪攻撃(中級) ]
に上昇していた。
シフトは魔眼のスキルの検証をしながらさらに進む。
魔眼は
[遠見、看破、夜目]
で、遠くのものがよく見える遠見、暗い場所でもよく見える夜目、看破についてはまだ分からなかった。
半日ほど進むと遠目に煙が見えた。
「人がいるようだ」
慎重に近づくと簡易な柵で囲まれた集落が見えて来た。
動く人影を見ると耳の長い女性が数人いる。
「ウサギのような耳だ兎人族のようだ。」
集落の入り口まで達すると、ガタイのいいウサギ耳の男が姿を見せて
「何者だ!」
と声をかけて来た。
「俺は旅人だ、シルバーと言う。この国に初めて来たのだいくつか教えて欲しいのだが。」
と言いながらここまでに狩った魔物の毛皮と食肉を差し出すと。
食肉に目を惹きつけられた男は、
「暫く待て」
と言って集落の奥に姿を消したが、近くに数人の気配を感じていた。
暫くすると数人の仲間を連れた先ほどの男が現れた。
中に1人、高齢の兎人族の女性が前に出て
「旅人と聞いたが真か?」
「ええ、その通りです。あの山の向こうから来ました。」
「あの山を超えて来た・・・それで聞きたいことがると言うことだが。」
「はい、この国には初めて来たため色々教えて欲しくて。これは手土産です。」
と毛皮と肉を差し出すと。
「分かった、入りなさい。」
とその女性が答え、そばの男が土産を大切に受け取った。
集落は人口80人ほどの規模で、子供の姿が見えなかった。
先ほどの老女はこの集落の長で、ミオという名前だった。
兎人族は獣人族の中でも最弱に近い種族で、街外れに集落を作って暮らしているらしい。
そこで、この国のことを教えてもらう代わりに
・周囲を囲む柵の強化
・食糧と素材になる肉や毛皮等の提供
等を条件とした。
「先ずは柵の強化だ」
シルバー(シフト)は、近くの森に行くと太い木を創造魔法で創り出した斧やノコギリを使い切り倒し始めた。
30本ほど切り倒すと所持していたマジックバッグに収納し始めた。
次にシルバーは音に反応して寄ってきた魔物を狩り始めた。
魔物は
・ツノ兎
・グレーウルフ(群れ)
・ゴブリン
・オーク
・コボルト
・ボア(スモール、ビッグ)
・サイレントスパイダー(静かな蜘蛛)
・アーマーアント(鎧あり)
・ポイズンビー(毒蜂)
・ビッグバード(大鳥)
・スピードホーク(鷹)
がこの辺りで見つかる魔物。
兎人族が狩れる魔物はこの中で
・ツノ兎
・ゴブリン
・コボルト
・オーク(単独)
くらいで食糧となるのは、ツノ兎とオークくらいしかいない。
そのため焼き物や機織りでお金を稼ぎ生活している状況にある。
機織りも麻や綿物で金額的には安い物である。
シルバーは食料や素材がお金になる魔物を中心に狩りその日の獲物は
・オーク〜15頭
・ツノ兎〜20匹
・ビッグボア〜5頭
・ビッグバード〜2羽
であった。
「ドサッ」
狩った獲物を集落の共同処理場で積み上げるシルバー、それを見て目を丸くする村人。
村長のミオが
「シルバーよ、これは今日狩った獲物か?」
「ああそうだ、処理をしていないから村の者で処置して処分してくれ。俺はこれから柵の強化をするから。」
と言い残して村の外側に出て行った。
その後村中の人手を使い魔物の解体が始まった、祭りのような賑わいだった。
村を囲む柵の総延長は約300m、今日倒して持って帰った大木は長さ約20mのもの30本。
大木を3分割して長さ約6mの丸太にする。
今までの柵の外側に土を盛り始める、高さ約3m幅2m。
錬金術で造ったスコップでさらに外側に堀を作りながら土壁をせっせと作っていった。
3日かけて土盛りをして土壁が完成した。
それにさらに5日かけて丸太600本(大木200本)を用意し、土壁に刺して丸太の壁を巡らす。
高さ6mの外壁が完成するとシルバーは、土を錬金術で石に形状変化させた。
創造魔法を使いまくっていたら、錬金術が発言したのだ。
ついでに、丸太を硬質化することにも成功、鋼鉄のような丸太に変化した。
12日目。
シルバーが村長に
「これからはこれを使って布を織ってみてはどうか?」
と言いながら
・絹〜蚕の魔物の糸
・最上級糸〜サイレントスパイダーの糸
を見せた。
「素晴らしい糸だがどうやって手に入れるのじゃ。」
「俺がティムして持ってくるから、村で育てて糸を取るんだよ。」
「お前さんがテイムしたらその魔物らはずっと糸を出してくれるのか?」
「ああそうだ、危険はないただし大きな倉庫のような場所を作ってそこで飼うようにしてほしい。建築材は明日にでも持ってくるから皆んなで建ててほしい。」
「・・・分かった。お願いするぞい。」
ということで、シルバーは次の日から建築資材を集めにまた森に向かい、食糧となる魔物や蚕の魔物を探し回った。
5日後。
大きな倉庫風の建物ができた。
集めた蚕の魔物を半分に囲い残りにサイレントスパイダーを囲った。
餌は兎人族でも集めることができる
・桑に似た葉〜懐古の魔物用
・ゴブリン、コボルト〜サイレントスパイダー用
で問題ない。
3日もすると村中で機織りの音がし始めた。
出来上がった布はとても上質な布で、試しに街に村人が売りに行くと信じられないほどの高値で売れたのだった。
これでこの村の経済問題と村の防御問題が解決した。
3週間にわたる滞在にシルバーは、一旦山の向こうに戻ると言い残して村を去ることにした。
それを聞いた村長は、その夜そう別の宴を開いてくれた。
ーー 兎人族の村を後にして
今のシルバー(シフト)のステータスは
[ 名前 シルバー、年齢 20歳、種族 獣人族(変化可能〜24時間後)、種族レベル 66
MP〜680、 HP〜2500、 INT〜600、 VIT〜2200、 STR〜3000、
DEX〜800、 AGI〜3500、 LUK〜500、
スキル
言語理解、 状態異常耐性(大)、 身体強化(大)、 魔力感知(不可)
変身(使用可)、 魔法属性(全)、 再生・回復(大)、
気配察知(中級)、 牙・爪攻撃(中級)、 魔眼(初級)
嗅覚強化
魔法(人族)
火・水・風・土魔法(上級不可)、 空間魔法(上級)、 創造魔法(上級)
時間魔法(初級不可) 重量軽減魔法(上級不可) 錬金術(中級nwe) ]
であった、3週間程度でここまでステータスが上がったことに少々驚きがあった。
帰りの山越は、獣人の姿で来る時と同じ1日で越えていた。




