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中学生の頃の思い出

 私はかなり友達が少ない方だが、中学生の頃は結構友達がいた。当時はN君やH君なんかと仲が良く、休み時間にゲームやアニメ(主にケロロ軍曹)の話をしていた。N君は分厚い眼鏡と青白い顔というちょっと爬虫類っぽいルックスに違わぬガチゲーマーで、Xboxなんかも保有しており世界ランクにも載ったことがあるようだ。彼はグラフィック重視派で最新鋭のゲームグラフィックについて熱く語っていたものだが、一方で当時の私は通ぶって「名作は古くても面白い」理論に乗っ取り全然ファミコン世代ではないのにファミコン互換機で中古のマザーとか初代マリオとか初代ファイナルファンタジーとかを遊んでいて、最新ゲームといっても精々ゲームボーイ系くらいしかやっていなかった。なので私がファミコンの話なんかをするとH君は「そんな低レベルなグラフィックのゲームやって何が楽しいの?」とか馬鹿にしたように言い放ち、私の方も「はー? 名作は時代を超えても色あせないんですけど?」といった感じでしばしば意見が対立するというか、軽いプロレスを繰り広げる事もあったがそれはそれで楽しかった。


 もう一人のH君は気持ちポッチャリ系でスポーツできないのに常に小麦色の肌をしており、大人しいようで程よくツッコミ入れて来るタイプだった。キョロキョロした目といいリスっぽい感じで、なんとなく憎めない感じの雰囲気だった。私はそんなH君の家に毎週のようにお邪魔してガンダムVSZガンダムをやっていた。本当にそればかりやっていた。

 ガンダムVSZガンダムはガンダムVSガンダムシリーズの元となったPS2のアクションゲームで、2対2で戦ってモビルスーツを撃破して戦力ゲージを0にしたら勝ちとなる。強いモビルスーツだと撃破された時戦力ゲージが大きく減ってしまうので、やられ役の量産機でもコストが低い利点があり弱いとは限らないのが面白い所。私は初代ガンダムのジオンカラーとかギャンとかハイザックを主に使っていた記憶がある。モードはアーケードモードとかフリーモードの協力プレイとか対戦とかで遊んでいたが、中でも記憶に残っているのが私が考えた「勝敗関係なく撃墜数が多い方が勝ち」という特殊ルールでの対戦である。


 このルールだとゲームシステム上は味方同士なのだが実際に意味があるのは撃墜数だけなので、独自の駆け引きや足の引っ張り合いが発生する。当然味方はロックオンできないが射線上に味方がいれば攻撃が当たるので、頑張れば味方に攻撃する事も可能である。私が上手い事H君に格闘攻撃を当てたりすると「お前やめろってー!」とパーティゲーム感覚で盛り上がってとても楽しかった。もちろん味方への攻撃はただの賑やかし要素だけに留まらない。味方を撃墜しても撃墜数にカウントできる仕様になっているので、上手い事味方を撃墜できれば大きなアドバンテージとなる。味方への攻撃は重要テクだった。その為アーマー値が減ってきたらわざと敵に撃墜され、相手に撃墜数を稼がせないといった戦術も有効であった。


 足を引っ張り合いながらの戦いなので、大抵システム上は私とH君チームの敗北となり、悲愴な音楽と共にモビルスーツが撃破されるカットインが流れる事となる。その後の敗北リザルト画面で撃墜数が表示され、真の勝敗が判明するのである。流れる重々しいBGMに皮肉な笑みを浮かべつつ「よし勝ったー!」「クソー!」と盛り上がったのは中々にいい思い出である。


 ……今ではN君ともH君とも全然会っていない。どこで何をやっているかも分からないが、元気でやっていてくれたら嬉しい所である。


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