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東映版遊戯王の思い出

 私はマンガだと「ギャグマンガ日和」「ワンパンマン(原作版)」、アニメだと「ポケットの中の戦争」「カウボーイビバップ」小説だと坂口安吾、夢野久作が好きでかなり思い入れもあるのだが、小2くらいの頃にハマったアニメ、「東映版遊戯王」に関しては思い出補正もあってか、もう好きとか通り越して完全に神格化されてしまっている。


 遊戯王と言えばスタジオぎゃろっぷ、テレ東による「遊☆戯☆王デュエルモンスターズ」が有名であろう。ファラオの魂を心に宿した遊戯がカードゲームで戦う話である。こちらはコナミのカード化が大ヒットを飛ばし巨大コンテンツとなった。しかしそれ以前にテレビ朝日、東映アニメーションによる「東映版遊戯王」が、バンダイによるカード化と並行して展開していたのである。


 テレ東版は原作序盤の展開を端折り、最初からカードゲームを主体としてデュエリストとしての誇りやカードゲームとしての競技性をクローズアップしてきたのに対し、東映版は原作初期からの展開をなぞっており、遊戯が様々なゲームで悪いやつと対決して成敗していくという流れの作品である。デュエルモンスターズも登場するが数あるゲームの一つでしかない。また全体的な雰囲気も違って東映版はオカルト風味ピカレスクロマンといった側面が強い。この悪が更なる悪を頭脳プレイでやっつける感じが、普通の勧善懲悪に飽きていた私の少年心にぶっ刺さったのである。


 ちなみに主人公の遊戯の声優は表人格も闇人格も共にエヴァのシンジ君で有名な緒方恵美さんで、気の弱そうな表遊戯と色っぽくカッコいい闇遊戯のギャップがまたいいのである。卑怯な手を使ったのに手玉に取られて完全敗北し罰ゲームを受ける事になった悪役に冷たく「闇の扉は開かれた……」なんて言い放つ様なんかは、もう最高の最高であります。登場するゲームに関してもかなり幅が広く、ヨーヨーが出て来たりデジモン的な奴が出て来たり、ボードゲームやカイジに出て来そうな鉄火場ギャンブルのようなものもあって、ふんわり漂うオカルト風味と相まって飽きがこないのである。あのなんとなく温もりのあるアナログ作画も良かった。あとOPとEDも良かったし、BGMも良かった。あと、アニオリキャラのミホちゃんもよかった。……という感じで思い出補正で神格化されてしまっているので、何が良かったかと言うともう「何もかも最高で、全てが必然的に構成されている」としか言いようがないのであります。


 まあ思い出補正抜きにしても、テレ東版と比較して違いを楽しむ事もできるし、緑髪でいけ好かないおぼっちゃんキャラの海馬も出て来てテレ東版とキャラが違いすぎて面白いし、中々味わい深いアニメには違いないので是非お勧めしたい所ではある。しかし残念ながら東映版遊戯王は公式では配信されていない。テレ東版が始まった経緯からして「作風があまりに変わり過ぎたし、人気があったカードゲームを主体にしたいので序盤の展開を無かったことにして一からやり直したい」という事らしいので、序盤の展開を含んだ東映版が公式で黒歴史扱いされるのもやむを得ないが、ファンとしては寂しいものである。公式DVDボックスなんかが出たら是非とも購入したいところではあるが、恐らく永遠に出る事はないだろう。


 何にせよ私の中で「東映版遊戯王」は最高のアニメだし、これを超えるアニメは一生出てくる事はないだろう。見たのが少年時代でなければこんなにハマる事も無かったかもしれないが、出会った以上は仕方がないのである。これも一つの運命という奴であろう。

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