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行ってらっしゃい

2009/06/13(土)


とてもとても謙虚な性格なんで、スポドリとアップルにお土産を頼もうと思ってるヨッシーですよ(マテ


さて、ガミさんの提案でスポドリとアップルの見送りに行こうってことになったんで、今日は早朝から近くの駅へ。

昨日、スポドリとアップルが話してたんですが、修学旅行で行く場所が京都とか奈良らしく、新幹線を使うそうです。

ただ、新幹線の乗り駅である東京駅集合だから、そこまでは自由な経路で行っていいとのこと。

そんなわけで、東京駅まではスポドリとアップルの2人で行くようです。


駅に着くと・・・スポドリいるよ!

正直言うと、バックレるんじゃないかと心配だったんですが、ちゃんと大きな荷物を持っています。

「おはよう」

「あ、兄貴、おはようございます」

「ちゃんと来たんだね」

「あ、はい・・・」

スポドリはちょっと照れくさい様子。

うん、てか・・・


「アップルは?」

「まだ来てないんです」

「そうなんだ~」


呼び出した奴が来てないって、どういうことよ!?


「時間は?」

「まあ、まだ間に合いますけど・・・」

「僕、捜してくるよ!」

ガミさんは慌てた様子で行ってしまいました。


てことで、スポドリと2人になったんですが、俺は今回の件、色々と疑問というか、納得いかないことがありましてね。

それは、何で急にスポドリが心変わりしたのかなって点です。

まあ、せっかく2人になったんだしってことで、聞くことに。


「スポドリ?」

「はい?」

「何で急に行く気になったわけ?」

「とりあえず、修学旅行に行くだけです」


スポドリはそんな風に言いましたが、俺としては、修学旅行が終わった後、普通に学校にも行くんだろうなと感じているので、当然納得しません。

「アップルが学校に行かないとか言ったから?」

「・・・そうですね」

スポドリは少しの間、どうしようか考えてましたが、話してくれましたよ。


「俺・・・アップルやガミさんに色々言われて、自分なりに考えてみたんです。それで自分なりに学校へ行く理由を見つけたんです」

スポドリは少しだけ深呼吸をしました。

「学校へ行く理由を探すために、学校へ行こうって」

「え?」

「学校へ行かないと、理由なんて見つからないと思ったんです」


おいおい、普通にかっこいい台詞言ってんじゃねえか。

でも、確かにスポドリの言うとおりかもしれません。

まあ、スポドリの持つ理由というのはこれだけじゃないみたいでして、

「あと・・・アップル、結構面白い奴だから、それも理由の1つかもしれませんけどね」

そんな風に付け足しました。

てか、俺としては、この理由の方が大きいんじゃないかなと思いましたよ。


ちなみに、ここで俺はふと昨日思い出したことを話したくなりましてね。

話すことにしました。


「俺、中3の時、結構、学校楽しんでたんだよね」

「この前、話していた、スポーツドリンク好きの友人がいたからですか?」

「え、誰それ?」

思い返してみましたが、俺が言ってる友達は惣菜パンが好きだった気がします。

てか、そもそもスポドリに話してないし・・・。

うん、リアルに忘れてましたが、思い出しましたよ。


「ごめん、この前、話したこと、全部嘘だから」

スポドリにスポーツドリンクを買わせないためのね(今思えばひどい理由

「え・・・」

とりあえず、スポドリは困ってましたが、今話したいのはそんなことじゃないんですよ。


「話戻すけど、中3の時、不良っぽい奴と仲良かったんだよ」

ちなみに自分はへたれなんで、不良のかけらもありません。

何で仲良くなれたのか、未だに謎ですよ。

まあ、話を続けましょう。

「そいつ、どういうわけか俺のことをすげえ評価してくれててさ。そいつのおかげで将来の夢を持ったり、彼女もそいつの紹介で出来たし」


そういえば、自分が過去のこととか話すの、すごい珍しい気がします。

「将来の夢って?」

「・・・教師」

軽く答えるの恥ずかしかったり。

「え?」

「そいつ、色々と問題起こしてたから、教師から理解されてなくてさ。でも、話してみるとメチャクチャいい奴で、何で教師はそれをわかってやらないんだ~って思ってさ」

まあ、ありきたりな理由ですね。

「俺が教師だったら、理解してやるのにって思って、教師になろうと思ったんだよ」

「そうなんですか?」


こういったこと、すっかり忘れてたんですけどね。

「ただ、そいつ、引っ越しちゃって、結局半年ぐらいの付き合いだったし、そいつがいなくなってから、俺は色々とやる気なくしちゃって、その夢も、学校へ行く理由もなくしちゃったんだけどね」

前置きが長くなりましたが、ここらで伝えたいことを伝えましょう。


「俺はその後、学校へ行く理由とか、そんなことを考えることもなく、ただ何となく学校行ってたんだよ。それで今、こんな感じになってるからさ・・・」

スポドリは真剣に話を聞いてくれてます。

うん、てか、こういう真剣な感じの空気、苦手なんだけどね・・・。

「だから、スポドリには学校へ行く理由、見つかるまで探して欲しいんだよ。少なくとも、俺みたいにならないようにしろよ」


何度も言うようですが、今回、俺はホント役立たずだったんで、最後ぐらい背中を押そうと思いましてね。

「・・・わかりました」

スポドリは素直に俺の言葉を受け取ってくれたようです。


そんなこんなで、アップルが来ました。

「ごめん!」

「遅いよ!」

「間に合うよね?」

てか、こんだけ長話をしても間に合うってことは、そもそもの待ち合わせ時間、早過ぎじゃね?

まあ、でも無事に合流出来て、良かったよ!


・・・てか、ガミさんどこ行った?(ぇ


「ガミさんは?」

「え、知りませんけど?」

「まあ、いいや。遅れたら大変だし、早く行けよ」

「はい」


2人は切符を買い、改札を抜けました。

あ、俺、大事なことを忘れてた!


「おい!」

「はい?」

「お土産、買ってきてね」

よし、俺、最後にいい仕事した(がめついよ


まあ、そんなこんなで2人は行ってしまいました。

さて、俺も帰りますか~・・・って、ガミさん来たし!


「アップルは?」

「普通に来て、さっき、スポドリと一緒に行っちゃったよ」

「それなら良かった~」

いや、見送り出来なくて残念だとかはないの!?

まあ、でも、これで一応は解決ってことですかね。


てか、普通に俺も旅行したいな~と思った1日でした(いつか行こうかな

ヨッシーにとって苦手分野の問題を描いた『学校へ行く理由』は、今回で一応終わりです。

ただ、本当の意味での理由はまだ見つかっていないので、それはまた後の話として続いていきます。

学校へ行く理由をテーマに、作中でその答えを示しましたが、それとは違った、人それぞれの理由を探して頂ければ、幸いです。

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