仕事モードです
2011/10/14(金)<2>
てことで、ガミさんの家から帰ってきたヨッシーですよ。
とりあえず、こっちに戻った時点で既に15時とかになっちゃってたんですけどね。
家に寄ることなく、直接会社へ行っちゃいました。
まあ、私服で行っても良いと許可をもらってますしね。
「よく来てくれたね」
「今、どれぐらいまで進んでますか?」
この仕事の担当は自分とサイさんですからね。
とりあえず、サイさんが対応してるのは納得です。
ただ、今は少しでも人手が必要な状況です。
といっても、プログラミングが出来る人となると限られちゃいましてね。
「まだほとんど進んでないよ」
普通にトラさんも一緒に対応してくれてるみたいです。
まあ、とりあえずは修正内容と、今の状況だけ確認しようとしたんですけどね。
「私のせいです。ごめんなさい・・・」
サイさんが何だか落ち込んでます。
というのも、お客さんに仕様を確認する際、サイさんが誤った形で内容を受けてしまい、結果的にそれが原因で今の状況になってるそうです。
なので、責任を感じてるみたいなんですけどね。
「自分も確認して問題ないと思っていたわけですし、サイさんだけのせいじゃないですよ」
今回、指摘を受けるまで、自分も誤りに気付かなかったですからね。
サイさんのせいだなんて気持ちは全くないです。
それより、伝えることがありましたね。
「自分、明日にはガミさんのところに戻りたいんです。なので、今日、残業してでも終わらせたいので、遅くまで残っても良いですか?」
一応、電気や空調の管理とかもあるんで、あまりにも遅い時間まで残る場合は、予め許可が必要なんです。
なので、早めに言っておこうと思いましてね。
「今日だけで無理をしても・・・」
「残るのは自分1人で良いですから。今まで休んでましたし、大丈夫ですよ」
まあ、実際は色々あって疲れてると言えば、疲れてるんですけどね。
今はこれを終わらせることに集中しないとです。
てことで、修正内容だけ確認して、プログラムの修正を開始しましてね。
このプログラムの中身、久しぶりに見るわけですが、それまでに長い間見てるプログラムでもありますからね。
大体、内容を覚えてるわけで、エディタの検索機能なんかを使えば、修正箇所の割り出しも、その修正もすぐ終わらせられるんです。
ちなみにスケジュールを計るため、どれだけの修正をどれほどの時間で終わらせられたかとか、確認しないといけないんですけどね。
それを考える手間も惜しいんで、無視して先に進めちゃいます(ぉぃ
そういえば、うちの会社は定時が17時30分なんですよ。
つまり、自分がここに来てから2時間30分しか経ってないんですけどね。
「自分の担当分、終わりました」
自分の担当分、全体の3分の1ぐらいだったんですが、普通に終わりました。
「早いな・・・」
まあ、スーパー集中力(?)のおかげですね。
「じゃあ、あと残り半分ぐらいだし、今日はこの辺で・・・」
まあ、トラさんはここで切り上げようと考えてたみたいなんですけどね。
「自分が今夜のうちに全部やっておきます」
自分の頭の中に、明日まで回すという考えはないですからね。
このままトラさんやサイさんの担当分まで終わらせちゃいます。
「そんなに焦らなくて良い。それにどうしても戻りたいなら、あとは俺達でやるから戻っても構わない」
トラさんはそう言ってくれたんですけどね。
自分、今、かなりやる気になってるんです。
てか、仕事に対して、ここまでやる気になってることないんじゃないかってぐらいのやる気でしてね。
「考えたんですよ。ガミさんと一緒にいると毎日がメチャクチャで、とにかく楽しいんです」
ちょっと話すことにします。
「でも、自分はここで仕事してる方が良いと思ったんです」
こんな風に考えられた理由については、上手く言えないんですけどね。
実を言うと、仕事をしてる時、前みたいにただ楽しいだけの毎日がまたやってこないかなんて考えたことがありました。
さらに言えば、仕事を辞めてしまおうかと思ったこともあるぐらいです。
でも、今回、ガミさんに呼ばれて、また楽しいだけの毎日が始まりました。
それはそれで、やっぱり楽しかったんですけどね。
こうして急に仕事が舞い込んできたら、自然と自分がやらないと!って気になったんです。
てか、同時に今のこういう仕事したりなんだりの毎日も悪くないな~なんて思っちゃいましてね。
だからこそ、こう言います。
「今、自分、仕事したいんです。だから、やらせて下さい」
そしたら、トラさんが笑いましてね。
「じゃあ、今日中に終わらせよう。俺も協力するよ」
「はい、私も一緒にやります」
俺が巻き込んだ形になっちゃいましたが、トラさんとサイさんも一緒にやってくれるみたいですね。
てことで、定時を過ぎても作業を続けてたんです。
まあ、途中でみんな帰ってしまい、3人だけで作業する形になったんですけどね。
「夕飯を食べに行ってくる」
トラさんが外に出てしまい、サイさんと2人になりました。
てか、この前書いた通り、サイさんとは微妙に上手くいってない感じなんで、気まずいな~なんて思ってたんですけどね。
「ごめんね。私のせいで・・・あ、タメ口にしてしまって、すいません」
サイさんはそこで困ったような表情を見せましてね。
それが、何だかおかしかったんです。
「サイさんの方が先輩ですし、タメ口で良いですよ」
「それを言ったら・・・私の方が年下なので、タメ口で良いですよ」
そこで、お互いに笑っちゃいましてね。
「基本は敬語で、時々タメ口になっても気にしないってことにしましょうか」
「それが良いかもしれないですね」
てか、サイさん、思ったよりも話しやすいですね。
「せっかくの休みだったのに、ごめんなさい」
「別にさっきも言った通り、サイさんだけのせいじゃないですし、それに仕事じゃないですか」
そんな風に言ったら、またサイさんは笑いましてね。
「これが仕事なんですよね」
「大変ですよね」
「ホント、大変です」
そこで、サイさんは何か考えている様子でしてね。
「仕事をしてる理由みたいなもの、ありますか?」
そんな質問をされました。
「理由ですか?」
「お金のためですか?」
「いや、自分は違いますね・・・」
そこで、軽く考えましてね。
「自分に出来ることをしたいと思ったんです。それに、色々と大変で、時にはつまらないって思うこともありますけど・・・」
そう言いながら、自分の頭の中に、ある言葉が浮かんでましてね。
「だからこそ、色々な努力をして、少しずつ出来ることを増やしたり・・・そういう風にやっていくのは楽しいんです」
そして、思わず笑っちゃったんですけどね。
「楽しくてつまらないんで、この仕事やってますよ」
ホノが、楽しくてつまらない世界なんて言ってましたが、この言葉の意味、わかったかもしれません。
まあ、もしかしたら違うかもしれないですけどね。
「楽しくてつまらないか・・・。私は元々こういう業界に入りたかったんです。だから、一応、夢を叶えられたってことなんですよ」
「そうなんですか?」
「私、実はゲーマーなんです」
・・・え!?
「ゲーマー!?」
「解析なんてこともやるぐらい、コアなゲーマーですよ」
そんな感じには見えなかったんで、ちょっとビックリですね。
「自分、趣味でゲーム作りとかやってましたけど、ゲーマーとは違いますしね・・・」
「え、ゲーム作れるんですか!?」
そこで、サイさんが異様にくいついてきましてね。
「私、いつかゲームを作ってみたいと思ってプログラミングを始めて、それでIT関係の仕事に就いたんですよ」
「そうなんですか!?」
「はい、なので、今度機会があったら、ゲームの作り方、教えて下さい」
「いや、自分も教えられるほどのものは作ってないんですけど・・・」
その後は何かゲームの話になりましてね。
まあ、ゲームの話といっても、あるゲームのバグについて、きっとプログラムがこうなってるせいだとか、そんなコアな話をしました。
てか、プログラミングが出来る人との会話って、こんなに楽しいものなんですね。
普通は色々な用語みたいなものも出てきてしまい、理解されづらい話題なんで、話せないんですよ。
でも、知ってる者同士なら、コアな話でもドンドン出来ますからね。
もっと早くサイさんとこういう話題を話してれば良かったですよ。
そんなこんなで、トラさんが帰ってきまして、自分はサイさんと2人で近くのファミレスまで夕飯を食べに行きました。
そこでも当然、コアな話をしたんですけどね。
それから仕事に戻り、また急ピッチで作業を進めました。
そしてついに・・・
「終わった~!」
何とか、全部の修正とそれについてのテストが終わりました。
時間的には23時とかになってますけど。
てことで、すぐ帰宅って流れになりましてね。
「ヨッシー、ありがとう。助かったよ」
トラさんからそんな礼を言われました。
「いや、別に大したことないですよ」
「祭りの準備や、ライブの練習で大変なのに、ホントにありがとう」
「いえ、別にそんな・・・」
・・・ここで、ちょっと違和感がありましてね
「ガミさんかミサに聞いたんですか?」
随分と詳しいなと思いつつ、まずは誰から聞いたんだろうという疑問が生まれたんです。
それから、そもそも何でそんな詳細まで聞いたのだろうかという疑問が生まれましてね。
「・・・ヨッシーが今の仕事に対して、少しずつ疑問を持ってるんじゃないかと思ったんだよ」
「え?」
てか、正に図星だったんで、驚いちゃったんですけど。
「休みも取らないで、切羽詰ってやっているのが心配で、だから息抜きさせようと思ったんだ。ただ、休みを与えただけじゃ持て余すと思って、ガミさんに協力をお願いしたんだよ」
・・・黒幕はトラさんだったのか!(ぇ
「それなのに、呼び出してしまって申し訳ない」
「あ、いえ・・・」
てか、そこまで考えてくれてたんですね。
そんで、トラさんの思い通り、自分は仕事に対して、またやる気になれてるわけですが・・・。
そんなわけで、今夜は自宅で休んで、明日の朝、ガミさんのとこに戻ることにしました。
今の仕事をしてる毎日の方が良いなんて思えたんですけどね。
やり残したことだけは、全て終わらせてしまおうと、そんな風に思った1日でした。