色々と進展中
2011/10/12(水)<1>
一晩で曲を完成させたヨッシーですよ(ぇ
いや、みんなと話してる時点で、ある程度出来てたんですよ。
そんで昨夜、ちょっとまとめるか~と思ったら、そのまま完成しちゃったんです。
歌詞も微妙に変えて、個人的にはさらに良くなったと思います。
そんなわけで、バンドメンバー全員に対しては無理でも、誰かしらにはすぐ伝えようと思いましてね。
まあ、夕方から練習することになってるんで、そこで渡せば良いんですけど、善は急げって言うじゃないですか?
とはいえ、エンは仕事で無理です。
ホノもどういうわけか連絡しても電源が切れてるだかで繋がりませんでした。
残るはアツですが、アツは携帯電話を持ってないんで、そもそも連絡出来ないんですよ。
・・・てか、ガミさんもそうですけど、今時、携帯電話を持ってないって不便過ぎます。
アツ、流行がわからないとか言ってたけど、携帯電話を持ってないのも、それが理由になるんですかね?
いや、自分も流行に敏感なわけではないんで、あまり言えないんですけど。
アツは、ひど過ぎる気がします。
まあ、夜にまた集合することになってるし、夜まで待ちますかね。
てことで、今日もガミさんの店で接客をやってたんです。
またムラさんが来て、色々と話したりしてたんですけどね。
「いらっしゃい・・・アツじゃん!」
丁度、アツが来てくれました~。
てことで、早速、昨日作った『YEAH』の歌詞を見せましてね。
「昨日より良くなってる。ヨッシー、すごいな」
うん、アツの反応は良い感じです。
「まあ、みんながくれた意見をまとめただけだしね」
この曲、元々サビだけはあったわけだし、みんなで作ったって感覚が強いですね。
少なくとも自分1人では絶対に出来なかった曲です。
そういえば、昨夜アツの件について、エンから聞こうと思ってたのに、聞きそびれちゃいましたからね。
てことで、試しに本人から聞いてみますか。
話してくれない雰囲気だったら、すぐ引けば良いですしね。
そんなわけでやってみます。
「昨日、一緒にいた人達は何?」
まあ、回りくどいことせず、ストレートに聞いてみました。
「別に関係ねえよ」
・・・うん、話してくれない雰囲気ですね。
それじゃ、引きますか・・・と思ったけど、もうちょっとだけ頑張ります。
「基本的に、話してくれれば聞くけど、こっちからは聞かないってスタンスなんだけどね」
これだけは伝えましょう。
「何か困ってることがあるなら、力になるよ」
「だから関係ねえって・・・」
「同じバンドのメンバーなんだから、関係ないわけないだろうが。てか、俺が困った時には助けてもらうつもりだし、先に貸しを作らせてよ」
「え?」
そこで、アツは驚いた様子を見せた後、笑いましてね。
「何か、前にもそんなこと言われたな・・・」
「え?」
何か、エンと似たようなことを言ってますね。
まあ、よくある台詞ってことなんでしょう。
とりあえず、こっちの言いたいことは言ったし、もう十分ですかね。
「昔の仲間だよ」
「え?」
と思ったら、話してくれたし!
「昔の仲間?」
「俺、昔は悪さしてて、警察に捕まったりもしたんだ」
まあ、軽く驚きはしたんですけどね。
アツは見た目的に不良っぽい感じですからね。
予想の範囲内ではありました。
「でも、俺は改心したんだ。今はフリーターだけど自分で稼いでるしな。でも、あいつらはまた俺と一緒にいたいらしい」
「そっか・・・」
まあ、難しい問題ですね。
アツがどうこうして解決する問題でもなさそうですし。
「アツ、困った時は僕も力になるからね!」
って、ガミさん、何で微妙なタイミングで出てくるんだよ?
「ここで話すことじゃなかったな」
色々と話してくれてたのに、アツ、引いちゃったし・・・。
まあ、大体聞けたんで、ヨシとします。
「あ、このこと・・・」
「みんなには言うな・・・でしょ?」
「ああ」
「仲間なんだから、みんなに相談しなよ!」
「とりあえず、ガミさんは黙ってようぜ~」
話がややこしくなりそうだったんで、ガミさんを止めます。
「仲間の力はすごいんだよ!?」
「だから、黙れよ!」
止まってくれなかったし!
てか、ガミさん、無駄にパワーアップし過ぎだよ!
まあ、それでアツが店を出ちゃったんで、自然と話は終わりになりましたけどね・・・。
「アツさん、大丈夫ですかね?」
ミサなんかも心配してます。
「まあ、本人は大丈夫って言ってたし、ホノとかエンには言わないでおこうか」
とりあえず、何かあれば力になるつもりですが、現状は特に問題が発生してるわけでもないし、様子見でしょうね。
「ヨッシー、甘いよ!その判断が命取りになるよ!」
無視します(ヒド
そこで、マツさんとアッキーが来ましてね。
昨夜、色々と話でもしたのか、さらに仲良くなってるみたいですね。
「ヨッシー、今夜は暇?」
「普通にバンド練習だっての」
「今夜、出店作ったりもするし、出来れば来てよ」
まあ、軽く考えましてね。
バンド練習を適当なとこで切り上げれば、行けるかもです。
「じゃあ、遅れて行くよ」
「それじゃあ、私達は人集めしようね」
「私が言っても、みんな聞いてくれないと思います」
「そんなことないよ。みんな聞いてくれるから」
「はあ・・・」
てか、マツさんは相変わらずネガティブですが、アッキーが一緒なら、大丈夫ですかね。
「ヒロ、大丈夫?」
とそこで、ガミさんがヒロを心配してましてね。
別にヒロ、いつも通りじゃね?なんて俺は思ってたんですけどね。
「ごめん、少し気持ち悪いんだよね・・・」
ガミさん、さすがというか、ヒロのちょっとした変化には敏感なようです。
この調子で、他のことでも空気読んでくれると良いんですけどね~。
「ヨッシー、ヒロを病院に連れてって!」
「・・・え、何で?」
「僕は店があるし、ヨッシーならヒロが倒れても運べるから・・・」
「いや、そうじゃなくて、病院に連れてく必要はないんじゃないかなと・・・」
気持ち悪いってだけなら、横になったりすれば治ると思いますしね。
そしたら、ガミさんはテーブルを叩きました。
「ヒロに何かあっても良いの!?」
・・・うわ、マジギレしてる!?
「アス君、大したことないから・・・」
「祭りも、もうすぐだし、ヒロも無理しないでよ!」
「・・・わかった。ヨシ君、ごめん、お願いしても良いかな?」
てことで、ヒロを病院まで連れていくことになりました。
てか、俺はペーパードライバーで運転出来ないし、一緒に歩いて行くだけですけどね。
「アス君、言い出すと聞いてくれないから・・・」
とのことなんで、素直に従いましょう。
「まあ、ヒロのことを大切に思ってるってことだもんね」
「うん、そうだね」
ちなみに病院は結構近くにありましてね。
ただ、診療所のような小さな病院じゃなく、普通に大きな大学病院なんですよ。
なので、受付した後、しばらく待つ感じになっちゃいましてね。
ただ、俺は時間を潰すものを持ってるんです。
「ヨシ君、それ何?」
「ライブでやる曲。歌詞とか覚えないといけないからさ」
歌詞とコードを書いた紙、ちゃっかり持ってきたんですよ。
この後、みんなと練習するわけだし、しっかり覚えないとですしね。
「頑張ってるね」
「まあ、ガミさんからの巻き込まれではあるけど、やるからには頑張らないと」
「・・・ありがとう」
この時、ヒロのありがとうが何て言うんですかね。
すごい心がこもってたというか、色々な思いを感じたんです。
それが何故なのかは、わからなかったんですけどね。
ついでにヒロが病院の人に呼ばれて検査だかに行っちゃったんで、考えるのはやめました。
まあ、1人になっちゃったんで、引き続き歌詞を覚えたりしましてね。
「ヨッシー、何してるのよ?」
その声に顔を上げました。
そしたら、ホノがいましてね。
「ホノこそ何してんだよ?」
「私が先に聞いたんだから、ヨッシーが先に答えなさいよ」
・・・やっぱり、ホノは苦手かもです。
俺の方が確実に年上なんですけどね・・・。
まあ、普通にヒロの付き添いだって説明しましたよ。
「で、ホノはどうしたの?」
「企業秘密よ」
「さすがに怒るぞ・・・」
「短気は良くないわよ?」
そこで、ホノは笑顔を見せましてね。
「私、妊娠してるから、よく健診に来てるのよ」
「あ、なるほど」
・・・?
「妊娠してんの!?」
「最初に言ったでしょ?私、大学も停学になってるし」
「いや、そんなこと絶対聞いてないし!」
「聞かなくても、空気読んで気付きなさいよ」
「無理だし!」
まあ、普通に驚いちゃったんですけどね。
「相手は・・・」
これを聞こうとして、1人思い当たる人がいたんでやめました。
でも、ホノは笑いましてね。
「ヨーの子供よ」
それは、自分の予想通りでした。
上手く言えないんですけど、雰囲気的にホノはヨーって人と付き合ってたんだろうなと思ってましたしね。
とそこで、
「ヨーって、どんな人だったの?」
今まで聞こうと思いつつ、聞けなかったことを聞いてみました。
俺の前にギターボーカルをやってたってことだし、何か聞きたくなりましてね。
そこで、ホノは軽く考えてるようだったんですけど。
「ヨッシーと似てたわよ」
「・・・え?」
「さっき、アツに会ってね。ヨーから言われたことをヨッシーからも言われたって話してたのよ」
「そうなの?」
「それで、エンも同じこと話してたし、ヨーとヨッシー、考え方が似てるみたいね」
まあ、そんなことあるんだ~?なんて思っちゃったんですけど。
だからこそ、ホノ達とは気が合うのかもしれませんね。
「ライブやろうと思ったの、この子のためなのよ」
「え?」
「ライブで自分が頑張ってる姿をビデオで撮ってもらって・・・いつかそれをこの子に見てもらうのよ」
「へ~」
何か、そういう理由も良いですね。
「ヨッシーが来てくれて、ホントに嬉しい。ありがとね」
そこで、そんな風に改まって礼を言われましてね。
「いや、俺の方こそ、ありがと」
俺は、あることを話すことにしました。
「俺、実は何回かバンド組もうとしたんだよ。メンバー募集してる人に会ったりしてさ」
ライブをするにしても、1人だと不安だしって理由からですけどね。
それで、スタジオに入って音合わせをしたりってこともやったんです。
ただ、どれも気が合わなかったり何だりで上手くいかなかったんですよ。
「でも、ホノ達とは上手くいく気がして・・・良いライブに出来そうな気がするよ」
「気がするんじゃなくて、出来るのよ」
そんなホノの言葉に思わず笑っちゃいました。
そこで、歌詞とコードが書かれた紙を持ってるってこと、思い出しましてね。
「後で会うけど、先に渡すよ。少し手直ししたから」
「これで完成なの?」
「いや、後でみんなと一緒に直すとこあると思うよ」
ホノは紙を見て、また嬉しそうに笑いました。
「じゃあ、また後でね」
「うん、また」
それで、ホノは行こうとしたんですけどね。
「ヨッシー?」
「ん?」
ホノは少しだけ間を空けた後、こんなことを言ったんです。
「この世界、楽しくてつまらない世界よね」
・・・なぞなぞ?
「楽しくてつまらないって、矛盾してね?」
「意味がわからないなら、良いわよ」
そのまま、ホノは行っちゃいましてね。
何だったんでしょうかね?
てことで、楽しくてつまらない世界という言葉の意味を、軽く考えてみた1日の途中でした。
てか、皆さんは、どう思います?