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一緒にいるべき2人

2010/03/11(木)


バネのために、もう一肌脱ごうと思ってるヨッシーですよ。


てことで、今日はまず、ミサと一緒にレミさんとこへ行きましてね。

「ルリって何時頃に帰りますか?」

「今日はすぐに帰ってくるよ」

「あ、そうなんですか?」


てことで、少しだけ待たせてもらうことにしたんですけど。

「あ、ヨッシー君?」

そこで、レミさんが話しかけてきました。

そして、ある提案をしてもらったんです。


「バネ君に、うちの手伝いを頼めないかな?」

・・・てか、普通にこっちからお願いしようと思ってたことですね。

まあ、この前、子供達もすごく楽しそうにしてたし、良いと思います。

「はい、言ってみますよ」

てことで、即決しましたよ。


そんなこんなでルリが帰ってきましてね。

「何でヨッシーがいるの?」

「ルリ、これから出られる?」

早速、本題に入ります。

「バネのお見舞いに行かない?」

そんな提案をしてみたんです。


そこで、ルリは少しだけ困ってる様子でした。

「私が行って良いの?」

「バネを説得出来たのはルリだし、良いでしょ」

そう言ってみましたが、ルリはやっぱり悩んでるみたいです。


「ルリちゃん、行きましょう」

そしたら、ミサが笑顔でそう言いましてね。

少しした後、ルリはうなずきました。


そんなわけで、バネのお見舞いに行きましてね。

「遅いよ!」

別行動だったガミさんが既にいました。

まあ、実はガミさんにちょっとしたお願いをしてたんですけど、ちゃんとやってくれたみたいです。


「あ、聞いてよ!バネ、今日で退院だって!」

「え?」

軽く、早くね?なんて思ったんですけどね。

「こんなとこにいると息が詰まるし、通院に変えてもらったんだよ」

バネの話では、そういうことみたいです。

てか、それで良いの?って気はしますけど。


それより、今日はルリが一緒ですからね・・・って、病室の中に入ってきてないし。

てことで、病室の外で止まってたルリを中に入れましてね。

「何か、無理やり連れてこられたの」

バネを見ると、ルリはそれだけ言いました。

「そうか・・・」

って、2人とも気まずい雰囲気だし!

てか、この様子から、やっぱりルリもバネが兄だってこと、知ってるようだと思うんですけど、だからと言って、お互いにそのことを言うのは難しいかもです。


「そうだ!これ食べてよ!」

そこで、ガミさんはコロッケパンを出しました。

まあ、俺がお願いしてたんですけどね。

「2つあるから、1つはルリにあげるよ」

てことで、バネとルリにコロッケパンが渡されました。


てか、普通に唐突過ぎるよ!ってツッコミを心の中で入れましたけど。

「・・・じゃあ、頂きます」

2人は少しだけ困った様子を見せた後、食べ始めました。

「あ、この味・・・」

そこで、ルリはそんなことを言いましてね。

ただ、バネの方を見て、すぐに黙ったんです。


「あの日、2人で食べたコロッケパンと同じ味だよな」

そこで、バネからそう言いました。

「そうだね・・・」

そしたら、ルリもそう返しました。


まあ、バネがガミさんのコロッケパンを食べた時、前に大切な家族と一緒に食べたとか言ってましたからね。

その大切な家族っていうのは、やっぱりルリのことを言ってたようです。

てか、うちらがいると邪魔かと思い、行こうと思ったんですけど、伝えるべきことがありましたね。


「バネ、レミさんから話があるみたいだし、今日で退院ってことなら、ルリを送って行きなよ」

ホントは、俺からレミさんの用件を伝えることになってたんですけど、直接の方が良いかと思い、伝えませんでしたよ。

「じゃあ、うちらは帰るから」

てことで、ガミさんとミサを連れて、出ようとしたんですけど。


「ヨッシー?」

「ん?」

「おまえ、まだ何もしねえのかよ?」

バネから、そんなことを言われたんです。


まあ、バネの言いたいことはよくわかります。

「仕事しろってこと?」

「俺は頭も悪いし、出来ねえことばかりだ。でも、ヨッシーはそうじゃねえだろ?」

「前も言ったけど、父さんのことで気を使われるのもあれだし・・・」


そこで、バネは笑いました。

「ゴチャゴチャくだらねえことを考えるなよ。自分の置かれた立場を理解して、それに乗っかれば良いだろ」

まあ、前もそんなことを言われましたが、改めて考えてみました。


「そうだよ、ヨッシーには出来ることがあるんだから!」

「私もそう思います!」

って、ガミさんとミサが押せ押せな感じで説得してきたし!

うん、てか、こんな空気になると逃げられないってのはわかってます。


てことで、ちょっと考えましてね。

「わかった、父さんに連絡してみるよ」

一応、それだけはしようってことにしました。

前にバネが言った通り、父さんが社長をやってるってのは、変わらないことですからね。

変に意地なんか張らずに、そうしたことを理解して、とりあえずは乗っかってみようかと思います。


まあ、それだけ言って、今度こそ行こうとしたんですけど。

「あと、ありがとな」

「私も・・・ありがと」

バネとルリから礼を言われました。

まあ、俺はほとんど何もしてないんですけどね。

そんなわけで、病院を後にしました。


「良かったですね」

てか、ミサがメチャクチャ嬉しそうです。

でも、何だかんだ言って、俺も嬉しいんですけどね。

そんなわけで、本来、一緒にいるべき2人を一緒に出来て、気分が良い1日でした。

ついでに、自分の将来と言いますかね・・・。

就職とかについて、一応、結論を出してみることにしますよ。

今回で『優しい不良』は終わりです。

以前からヨッシーが書いていた、中学時代の親友こと、バネを中心に、様々な方が登場する、集大成のような話でした。

また、今まであった多くの伏線に対する、答えのようなものを示した形になります。


何かしようと思ってることについて、一歩を踏み出せないでいるようでしたら、バネが言う、「自分の立場を理解し、それに乗っかる」という考えを1つの答えとして頂けると、幸いです。

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