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仲間のために

2010/03/06(土)


今、何が問題なのか、わかった気がするヨッシーですよ。

てことで、今日は早速、バネのとこに行きました。


まあ、ガミさんとミサも一緒に来たんですけどね。

「この前、バネさんが言ったことに納得してない人もいますし、このままだと大変ですよ」

バネの病室に着いたとこで、そんな話し声が聞こえたんです。

てか、ちょっと悪いと思いつつ、重要なことっぽいんで、立ち聞きしますか(ぉぃ


「バネ、お見舞いに来たよ!」

って、ガミさんがバラしちゃったし。

「じゃあ、また後で来ます」

そんなことを言って、この前も見た、舎弟っぽい人は行っちゃいました。

まあ、軽く残念ですが、本来の目的に戻ります。


「コンビニ強盗の件、色々と調べてわかったんだけど・・・」

「もしかして、犯人がわかったの!?」

「いや、ごめん、ガミさんは黙ってて」

普通に話を中断されつつ、続けます。

てか、犯人がどうとか、関係ないんですよ。


「警察は何かしら理由をつけて、バネ達を捕まえようとしてるよ」

「え?」

バネは軽く驚いてたんですけど。

「実際にコンビニ強盗を見た人から、話を聞いてわかったんだよ」


まず、老人のようだったって話だけで、バネ達の中の誰かって考えるのは無理があります。

ついでに、バネ達が裏にいて、強盗をさせてるなんていうのも、老人が相手となると変な考えです。

「てか、バネ達の中に、コンビニでバイトしたことある人いるでしょ?」

「ああ、今してる奴もいる」


てか、レジが開けられる状態だったのに何もしなかったってことは、開け方がわからなかったってことです。

そうなると、バネ達の中に教えられる人がいたはずだし、そもそもわかる人が行けよとか、何なら顔を隠して集団で行けよとか、色々とツッコミを入れられます。

といったことを説明しましてね。


「つまり、どう考えてもバネ達が関わってるなんて考えられないんだよ」

「それだけ、警察がバカだってことだろ」

バネは、そう言うと笑いました。

てか、まだ気付いてないようなんで、はっきり言います。


「警察はコンビニ強盗を捕まえるより、まずはバネ達をどうにかしたいんだよ」

「え?」

「関係ないのに、犯人扱いをされれば、当然反発するでしょ?それで何か事件を起こしたりすれば、すぐ捕まえる気なんだよ」

まあ、完全に個人的な考えってか、予想なんですけどね。


俺の話にバネは軽く驚いてました。

「そういうことか・・・」

てか、バネの様子を見る限り、思うところがあるようです。

てことで、色々と話してくれました。


まず、最初のきっかけは、ただ数人で集まっていただけなのに注意されたことからだそうです。

さらにその時は、付近で起こってる自転車盗難の犯人ではないかと、根拠のないことも言われたそうです。

それから、そうした決め付けによる、犯人扱いが何回かあったみたいでして。

バネに対してだけでなく、この辺りにいる不良全体に対しても、そんな感じみたいです。


「自然と反発する奴もいたし、それで軽い事件を起こしたりしたら、さらに色々言われてな。俺は構うなって言ってんだけど・・・」

てか、バネは何だかんだで平和主義というか、そうした態度を取られても、気にしないようにしてるみたいです。

事件があった時も、警察に任せとけってなことを言ってましたしね。

でも、そんなバネの話を聞いて、確信しました。

俺の考え、間違ってないようです。


「それは、俺にも責任があるな」

そこで、お見舞いなのか、ケイさんが来ましてね。

うちらの話を聞いてたらしく、色々と詳しいことを話してくれました。

まあ、ケイさんの話だと、イヤミという刑事が不良達を嫌っているからという理由だけで、こんなことになってるようです。

てか、随分とひどい話ですね。

ついでに、イヤミって結構えらいからってことで、警察全体がそんな傾向になってるみたいですし。


「そういえば、この前も、こっちが被害者なのに、メチャクチャなことを言われたもんな。あれにはさすがにムカついたよ」

「不満を持ったからと言って、反発すれば思う壺だ。ここは堪えろ」

てか、ケイさんは何だかんだ言って、うちらの味方ですね。

厳しいことも言ってますが、それもうちらを思ってのことですし。


「あと、聞きたいことがあったんだ。今、おまえ達の間でグループが分かれ始めてるようだが、何があった?」

そこで、ケイさんがそんなことを聞きました。

まあ、これを聞くってのが、ケイさんがここに来た理由だったみたいですね。

そしたら、バネはため息をつきました。


「俺に反発してる奴ら同士が集まってるんですよ」

「今、分裂して、抗争なんかに発展したら・・・・」

「わかってますよ。あいつら、勝手に集まってきたんですけど、俺の責任だと思いますし、俺が何とかします」


まあ、ちょっとわからない部分もあるんですけど、バネが困ってるのは、わかります。

「僕に何か出来ることはないかな?」

「私も力になります!」

そしたら、ガミさんとミサが、そんなことを言ったんですけどね。


「首を突っ込むなと言ってるだろ!」

予想通り、ケイさんが怒っちゃいました。

「ここは俺に任せとけよ」

そこで、バネはそんな風に言いました。


てか・・・

「おまえも入院中なんだ。ここは俺達に任せろ」

予想通り、ケイさんから、そんな風に返されてますね。

ただ、それでバネは納得してないようでして・・・。


「ここまでの話をまとめれば・・・警察に任せるってことは、下手すると、みんな捕まるってことだろ?」

バネの言葉にケイさんは困った様子を見せました。

「みんな、俺のために集まってくれたんだ。確かに不良やってるけど、みんな悪い奴じゃねえ。ただ、やりたいことがあるのに上手くいかねえで荒れてるだけなんだ」

バネは真剣な表情で言いました。


「だから、あいつらを捕まえる気なら、俺1人を捕まえろ」

「・・・安心しろ。そうならないようにする」

そんなやり取りをした後、ケイさんは行っちゃいました。


それから、軽く沈黙が続きましたが、

「バネさん、素敵な仲間に囲まれてるんですね」

ミサがそう言うと、バネが笑いました。

「ああ、そうだよ」

てか、ここで思ったことがありましてね。


昔のバネは、とにかく周りが敵って感じに過ごしてました。

ホント、一匹狼なんて言葉が良く似合う奴でしたし。

それが今、仲間のために自分を犠牲にしようとまでしてます。


うん、思えば、ケイさんの言う通りですね。

10年近く会ってなかったわけだし、変わってることだってあるわけです。

・・・バネはすごい仲間思いな奴に変わってるんですね。


てことで、俺もバネみたいに、良い方向に変われたらな~なんて思った1日でした。

ついでに、軽く濡れ衣を着せられてるような状態になってる、バネ達の助けになれないか、考えてみましょうかね。

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