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ヒロが役者をやってる理由

2010/02/03(水)


そういえば、学生の時よりもヒロと関わる機会が多いな~と思ったヨッシーですよ。

一応でも付き合ってたわけなのに、ヒロのこととか、全然知らないですしね。


さて、昨日で舞台作りは終わったし、今日は最初から練習に参加する予定です。

ただ、ちょっと困ったこともありまして・・・。

「僕、病院に行かないといけないから・・・」

なんてことをガミさんが言ってきたんですよ。


てか、ガミさん、今はすっかり元気になってますが、免疫力が低いってのは、相変わらずです。

なので、時々、検査なんかを受ける必要がありましたね。

まあ、しょうがないってことで、1人で行きますか。

とはいえ、検査が終わり次第、ガミさんにも来てもらいますけどね。


そんなわけで、ヒロと2人で稽古場に行きました。

ちなみに、会ったとこで、

「ガミさんは病院に行ってるんだよね」

と話したんです。

「え、ガミ君、具合悪いの?」

そしたら、こんな反応が返ってきましてね。


・・・って、ガミさん、ヒロには話してないってことじゃん!

俺、KYな感じになってるし!

まあ、無駄な気もしますが、誤魔化してみます。


「ガミさん、よく病院まで遊びに行ってるんだよ」

・・・てか、冷静に考えたら、ありえない話です。

前にガミさんがこう言った時、ツッコミを入れつつも、信じた俺がバカらしいですよ。


「そうなんだ。ガミ君、変わってるね」

って、ヒロも信じたし!?

うん、てか、ガミさんだと十分ありえる話になるんでしたね。

そう考えると、やっぱりガミさんって、すげ~。


ちなみに、今日は稽古場に誰も来てなくて、ヒロと2人きりになっちゃいました。

ガミさんとヒロを2人きりにしようとしてた自分としては、ちょっと悲しいですね・・・。

そんな気持ちはさておき、練習開始です。

てか、ヒロはドンドン演技が良くなってます。

練習とはいえ、一緒にやってる俺も頑張らないとなって思っちゃいましたよ。


そんで、一通りやった後、軽く休憩することにしました。

「ヒロ、演技上手いんだね」

これも、学生時代は知らなかったことですからね。

とにかく、おとなしいって印象しかなかったんで、何だか変な気分です。

「そういえば、役者やってる理由みたいなのってあるの?」

てことで、せっかくだし聞いてみました。


・・・そしたら、ヒロは軽く困ってましてね。

「私、自殺しようとしたことがあるでしょ?」

ヒロは、ゆっくりとそう言いました。

「多分、ヨシ君もだったのかな?私、親との関係が良くなかったから・・・」

てか、俺はヒロに親とのことを話してないはずです。

でも、ヒロは気付いてたみたいですね・・・。


「実は、ヨシ君と別れた後も、何度か死のうとしたんだよ」

「え!?」

まあ、普通に初耳だったんで、驚いちゃったんですけど。

ヒロは表に出さないだけで、今でも色々と悩みを抱えてるようです。


「でも、いつも失敗しちゃって、何やってるんだろうってまた悩んで・・・」

てか、俺はヒロに何も言えませんでした。

ヒロの悩みがあまりにも重過ぎて、俺の軽い言葉をかけても無駄だと思いましてね。


でも、そこでヒロは軽く笑いました。

「そのうち、死ぬ気になって何かをしようと思ったの。本当は緊張するし、嫌なんだけど、ずっと役者に憧れてたから・・・」

今、ヒロが役者をやってる理由はこれみたいです。


てか、ちょっと捻くれた解釈をすると、死ぬ前に好きなことをやろうとか、そんな考えですよね?

俺は正直、それで良いのかなって疑問を持って、とにかく何かを言おうとしたんです。

でも、やっぱり何も言葉は見つかりませんでした・・・。

マサのことなんかがあったし、そんな考えを持ってほしくないとは思ってるんですけど、上手く言葉に出来なかったんです。


そこでガミさんがやってきて、話も中断しちゃいましてね。

また練習を再開して、今日は解散になっちゃいました。

まあ、ヒロの考え、間違ってるって気持ちはありますからね。

何か、説得出来る言葉を探そうと思った1日でした。

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