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救える命

2009/11/10(火)


軽くへこみ気味のヨッシーですよ。

まあ、昨夜、検索サイトで捨て犬とか保健所について、色々と調べましてね。

てか、飼い主募集の掲示板を探す過程で、普通に見かけてるサイトもありました。

でも、関心がなくて、ちゃんと見なかったというわけですかね。

とりあえず、色々なことを知って、悲しくなっちゃいました。


そんなこんなでガミさんが来ました。

だけど、俺はまだくしゃみがひどい感じだし、すぐに帰る・・・と思ったら、ガミさんの格好がすごいんですけど!?

えっと、順番に説明しますと、まずは雨ガッパが3重(雨の日より増えてる

口にはマスクが3重(息苦しくない?

手袋は・・・多分3重ってか、何もかもが通常の3倍ですね(それが言いたいだけやん

ついでに、水泳なんかで使うゴーグルを付けてて、目も保護してます(何でゴーグルがあるの?

あ、さすがにゴーグルは1つですよ?(わかります


・・・てか、どんだけウイルス警戒してんだよ?

とりあえず、高確率で職務質問を受けるから、外へ出ないようにね。

てことで、ガミさんに色々と話したんですよ。


アッキーが話していたように、毎日たくさんの犬が処分されていること。

それも安楽死のようなものではなく、二酸化炭素を使った窒息死をさせているということ。

だから、処分される時、犬は苦しくて、暴れるそうです。

てか、そもそも論で処分という言葉そのものがあれですね。

普通に生きている命なのに、いらなくなったものみたいな扱いで・・・。


こうなってしまっている背景は、ペットブームだからといって、ろくに世話が出来ないのにペットショップでペットを買ったりする人が多いこと。

住宅事情などで、そもそも飼えない人が多いこと。

そういった理由があるようです。

まあ、一晩で得た知識なんで、足りない部分や間違っている部分もあると思いますけど。


とりあえず、冒頭に書いた通り、へこんでしまったんで、そんなことをガミさんに話したんですけどね。

「そんなの許せないよ!」

ガミさんは怒ってしまいました。

「ヨッシー、全国にいる捨て犬達を助けようよ!」

・・・いや、さすがに無理だし!


「そうしたいのは山々だけど、無理でしょ」

「やりもしないで無理なんて言わないでよ!」

「そもそも、そうやって出来もしないのにペットを飼い始めた人が、結局世話出来ないで捨ててんじゃん!」

俺の言葉にガミさんは黙りましてね。


「俺だって、かわいそうだと思うよ。でも、しょうがないことじゃん?今、処分されようとしてる犬が、どれだけたくさんいるか、ガミさんだってわかってるでしょ?それを全部世話するなんて、考えなくても無理だってわかるよ」

そこで、ガミさんは泣き出しちゃいました。

てか、何だか俺がいじめてるみたいになっちゃったし。

「僕に出来ることはないのかな?」

「ガミさんだって、犬アレルギーで飼えないんだし、しょうがないじゃん」

「じゃあ、ポチも飼い主が見つからなかったら、殺されちゃうの?」


うん、自分が避けてた言葉をガミさんは、すんなりと言いました。

『処分』なんて、物に対する言葉ですし、『殺す』という方が正しいですよね。

でも、それだとあまりにも重くて、だから処分なんて言い方にして、誤魔化してるんでしょうね。


てか、こうした話を知っても、やっぱり自分と関わりがないような感覚があって、どうも実感がわかないんです。

犬がどんな形で殺されているか、実際に見たことはないですしね。

でも、今、目の前にいるポチについては別です。

自分の身近にいる命が、人の勝手な都合で殺されようとしてるんです。

そんなことを考えたら、いてもたってもいられなくなっちゃいましてね。


「ちょっと、大家さんのとこに行ってくるね」

ポチを抱えて、家を出ました。

「どうしたの?」

そしたら、ガミさんがついてきた・・・って、マジでその格好はないよ。


そんなことを感じつつ、大家さんのとこへ行きましてね。

ドアをノックすると、すぐに大家さんが出て来ました。

「どうしたの?」

「あ、その・・・」

どう言おうか考えたんですけど、シンプルに言いますか。


「この犬、家で飼いたいんです。許可してくれませんか?」

俺の言葉に大家さんは驚いている様子でした。

「でも、家はペット禁止だし・・・」

「飼い主を探したんですけど、みんな色々な理由があって、飼えないそうなんです。でも自分なら、だいたい家にいますし、世話出来ると思うんです」

そこで、頭も下げましてね。


てか、別に良い人ぶろうと思ったわけではないですよ。

単純に色々と考えてみて、こうするのが1番かなって思っただけです。

前にも書きましたけど、ペットを飼ってみたいって思ったことありますし、これも何かの縁かと。


「でも、やっぱりペットは・・・」

まあ、大家さんは許可してくれない雰囲気だったんですけどね。

「救える命なんですよ!」

はい、ガミさんのターンです。

てか、あんた、3重マスクのせいで声がこもってますよ?


「さっき、ヨッシーから、たくさんの犬が殺されていると聞いて、出来ればみんな助けたいんですけど、それは出来なくて・・・」

てか、俺は頭で考えて、こうするべきだってことにしましたが、気持ちといった部分では、ガミさんと同じ気持ちかもしれません。

「でも、ポチを救うことは出来るんです!」

単純にどうにかしたいと思った結果、とりあえず目の前にいるポチを救おうという結論になったんです。

ガミさんは飼うことが出来ないけど、これで大家さんを説得出来れば、それはつまりポチを救うってことになりますからね。

ガミさんも、そう思ってるようで、すごい真剣な表情でした。


そんで、しばらく大家さんは悩んでたんですけどね。

「そこまで言われたら、しょうがないね」

ガミさんの真剣な態度に、納得してもらえました!

「ただし、ちゃんとしつけするんだよ?」

「はい!」

てことで、ポチを飼えますよ~(ワーイ


てか、あまりにも嬉しかったんで、ポチを抱えてることも忘れて、飛び跳ねちゃいましたよ。

そしたら、驚いたのか、ポチからギャンギャンと鳴かれたり(ぉぃ

まあ、とりあえず、改めてよろしくな、ポチ!


てことで、ポチを正式に飼うことになりました。

まあ、ネットで知った、たくさんの犬が処分されてるという問題は全く解決されてないんですけどね。

ポチの命だけは救えたのかな?なんて思った1日でした。

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