走っちゃいますよ!
2009/09/28(月)
昨夜、久しぶりに帰った自分の部屋が異様に片付いてて、軽くビックリしたヨッシーですよ。
まあ、ミサがやってくれたんでしょうけど。
男の一人暮らしなんて、何が出てくるか、わかんないんだし、結構リスキーなことをしますよね・・・。
ただ、嬉しいことと言いますかね。
ずっと探してた、腕時計を見つけてくれたみたいで、テーブルに置いてあったんですよ!
これで、今度こそタイムを計れるんだぜ!
てことで、早速、公園のジョギングコースを走ろうと思ったんですけどね。
家を出たところで、ミサに会いました。
「ヨッシーさん、こんにちは!」
「ああ、こんにちは」
「どこか行くんですか?」
「ちょっと走ろうと思ってさ。タイムも計ってみたいし」
「だったら、私が付き合います!」
てことで、ミサが来ちゃいました。
まあ、部屋を片付けてくれたことの礼とか、そんなのを話しながら、公園に着きましてね。
とりあえず、ミサに腕時計を預けて、走りますかね。
てか、走りながらタイムとか見ないんだったら、腕時計の意味ないやんって思いましたが、スルーします。
まあ、ミサを待たせちゃ悪いですし、1周走るだけにします。
あと、1周だけならってことで、気持ち早めのペースにしましてね。
とりあえず、目標は1キロ6分ペースです(それ、ずっと言ってるよね
1周が約2キロなんで、12分以内にゴール出来れば良いですかね。
そんなことを考えながら走り、とりあえずゴール!
さてと、タイムはどうでしょう?
早速、ミサに聞いてみました。
「どうだった?」
「8分24秒です」
やった、12分切った~♪
・・・いや、速過ぎじゃね?
「ホントに?」
「はい、ちゃんと計りましたよ」
時計のタイムを見ると、確かにミサの言う通りです。
途中で時間を止めるとか、そんなことをしない限り、このタイムで正しいんでしょうね。
てか、あっさりと目標達成しちゃったんですけど!?
「次の目標、何にしようかな・・・?」
そもそも、ジョギングを始めたきっかけは、みーちゃんの件があったからで、正直なところ、しっかりとした目標はないんですよね。
そんで、漠然と持っていた目標は普通にクリアしちゃったし、どうしようか悩んじゃいまして・・・。
そしたら、ミサから提案があったんですよ。
「マラソン大会に出てみるのは、どうですか?」
「え?」
「それなら、距離もタイムも記録として残ると思いますし、良いんじゃないですか?」
・・・ちょっと考え中。
あ、良いかもしれない!
てか、ジョギングをする理由って、健康のためじゃなかったら、後は大会に出るとかになりますもんね。
まあ、当然、入賞とかは無理なんで、完走を目標にしますけどね。
「ミサ、ありがとう。ちょっと調べてみるよ」
「目標が見つかって、良かったですね!」
とはいえ、今日はペースが速かったんで、普通にばてちゃいましてね。
そのまま、ベンチに座り、雑談することにしました。
「そういえば、ガミさんとは上手くやってる?」
昨夜の時点で、ミサはガミさんのとこに戻ってるんで、大丈夫と思ったんですけど、念のため聞きました。
「はい、ピアスの件も納得してもらえました」
「それなら良かった」
「ただ、10月から大学が始まるので、明後日には帰ろうと思ってます」
「ああ、そっか」
そこで、ミサは悲しげな表情になりましてね。
「土日とか、大学が休みの時にでも、また遊びに来てよ」
「あ、はい!」
「それに、ピアスをセカンドピアスに交換してもらう必要もあるしさ」
「そうですね!」
よし、また明るい感じになってきた~。
「あ、ヨッシーさん?」
「ん?」
「1つだけ、言いたいことがありまして・・・」
ミサは少しだけ言葉を詰まらせましてね。
「昨日、お兄ちゃんに幸せかどうかといったことを聞いていましたが、きっと、幸せだと思いますよ」
「え?」
「だって、お兄ちゃん、ヨッシーさんとのことを、とても楽しそうに話してますから」
そこで、ミサは真剣な表情になりましてね。
「実は、お兄ちゃん、今まで自由に何かをしたこと、ないんです」
「そうなの?」
「学校も、ほとんど行けませんでしたし、家で働けば良いと言って、将来の夢を持つようなこともないんです・・・」
てか、昨日も思いましたが、ガミさんも色々とあるんですね。
「だから、1年間だけ、お兄ちゃんを自由にさせようって両親が決めたんです」
「え?」
「それで、一人暮らしをさせることにしたんですよ」
え、そんな経緯があったの?
ああ、だから1年しかこっちにいないってなことを最初から言ってたんですね。
「お兄ちゃん、初めは乗り気じゃなかったんです。すぐ家に帰って、家の洋食屋さんで働きたいと言ってましたから」
そこで、ミサが笑いましてね。
「そんなお兄ちゃんから、少しした後、手紙が届きまして、そこにヨッシーさんのことばかり書かれてたんです」
「俺のこと?」
「隣に住んでる人と、すぐ友達になれたって喜んでましたよ」
・・・いや、友達になれてないし!
「ヨッシーさんと仲良くなれて、勇気が持てて、そのおかげで色々な人に話しかけられるようになったとも言ってました」
「え、ガミさんって人見知りなの?」
「そうだと思いますよ」
え、てか、ガミさんって色々な人と知り合いになって、一緒にトラブルも持ってくるじゃないですか?
それは全部、俺の自業自得ってこと・・・?
う~ん、最初の方で、もっとシカトすれば良かったですね(マテ
まあ、それよりも思ったことがありましてね。
「ミサも似たようなもんでしょ?」
「え?」
「今まで、自由に何かしたことないんじゃない?」
「私は・・・やりたいことが見つからなかったんです」
そこで、ミサは左腕を見せてくれました。
そこには、ミサンガが付いてましてね。
「これ、昨日、お兄ちゃんにもらったんです」
「え?」
てか、今まで、ミサはミサンガを付けてませんでしたね。
「私、夢や目標をずっと持てなくて、それでお兄ちゃんが言ってくれたんです。だったら、学校で勉強を頑張れば良いって。そうすれば、夢が見つかった時、きっと役に立つと」
「だから、夢を見つけてないミサに、執拗な感じで勉強しろって言ってたの?」
「あ・・・はい」
ミサはミサンガに目をやりましてね。
「でも、昨日、お兄ちゃんに、今私が持ってる夢の話をしたんです。そうしたら、これをくれました。それで、応援するって言ってくれました」
「ミサの夢って何?」
「教えません!」
「え?」
「教えたら、願いが叶わないそうです!」
・・・そういうものなんだ?
「ミサンガを付けている限り、願いは少しずつ叶うそうです」
「あれ、切れた時に願いが叶うんじゃないの?」
「いえ、付けた時点で、叶い始めます」
「え、違うと思うんだけど?」
「お兄ちゃんが言ってました!付けた時点で願いは叶い始めます!」
・・・ミサンガのルールが変わってるし。
まあ、でも・・・確かに俺のミサンガに込めた願い、既に叶ってる気はしますね。
「私、大学での勉強も頑張ります。でも、夢を見つけたので、その夢を叶えるためにも頑張ります」
「うん、良いと思うよ」
「お兄ちゃんも、それが良いと言ってました」
そういえば、ガミさんはトラさんにも似たようなこと、言ってましたもんね。
今回、ミサが自分の夢をはっきりと伝えなかったのも、ケンカの原因だったのかもしれません。
だから、ミサの夢がわかって、今はガミさんも応援してくれてるんでしょうね。
「あと、お兄ちゃんも、ヨッシーさんの言葉を受けて、自分の幸せを探してみると言ってました」
「ああ、そっか」
・・・てか、また厄介ごとを持ってくる気がしますけど。
まあ、みんな頑張ってるみたいだし、俺も出来ることから、やっていきましょうかね。
てことで、帰った後、申込み締め切りがあと僅かだった、マラソン大会に申込みしてみた1日でした。
この辺で開催される、シティマラソンというもので、日取りは12月6日、距離は約21キロのハーフマラソンになります。
さあ、これからジョギングを本格的に頑張るぜ!