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トラさんの家族

2009/09/17(木)


ギターの弦が古くなったので、マサからもらっていた予備の弦に変えようと思ったら、普通に切れてしまって、ショックが隠し切れないヨッシーですよ。

てか、弦を変えるの、メチャクチャ難しいんですけど・・・。

まあ、楽器屋まで弦を買いに行った後、ネットでやり方を調べて、何とか変えられましたけどね。


さて、それはさておき、今日はトラさんが家族に色々と話す日です。

会社を辞めて、今、無職でいること。

そして、自ら会社を興そうとしてること。

てか、いきなりそんなことを言って、大丈夫でしょうか?

トラさんの家族、驚いたりしないかな?


そんな心配もしつつ、俺とガミさんは昼過ぎに公園へ行きました。

てか、話をするのは夕方って言ってたし、明らかにフライングですね。

とりあえず、やることないってことで、適当に遊具でけんすいをしてみたり、ジョギングコースを軽く走ってみたり、無駄に体力強化をして、待つことにしました。


そんなこんなで、トラさんを発見です!

まだ、家族は来てないようで、1人でいますね。

まあ、当たり前ですが、トラさんは少しだけ緊張してる様子です。

とりあえず、ここは様子を伺うだけにして・・・


「トラさん!」


うん、ガミさんの性格的に、話し掛けると思ってたよ。

でも、トラさんは笑顔を見せてくれました。

てか、トラさんの様子を見る限り、うちらが来ることを望んでたみたいですね。


「さっき、家族に連絡したよ。そろそろ来ると思う」

そこで、またトラさんは不安げな表情になりました。

「トラさん、絶対に大丈夫ですよ!」

ガミさんは、相変わらず自信に満ちてますね・・・。

てか、その自信が、どこから来るのか気になります。

でも、ここまで自信満々に言われると、ホントに大丈夫な気になりますよね。

トラさんの表情も、少しだけ和らぎましたし。


そんな感じに少しの間、話をして待ってたんですけどね。

「来た・・・」

トラさんが、そんなことをつぶやきました。

目をやると、少し年上に見える女性と、小学生ぐらいだろう女の子が来ましたね。

まあ、トラさんの家族だろうって、すぐにわかりました。


「トラさん、自分を信じて!」

「いや、少し引こうよ・・・」

ガミさんが、このまま話に参加する勢いだったんで、下がってもらいました。

何はともあれ、いよいよトラさんの問題が、どうなるか決まりますよ!


「あの・・・」

トラさんは言葉に詰まりましてね。

「トラさん、当たって砕けろです!」

「とりあえず、黙れよ!」

ガミさんと、そんなコントをやったら、トラさんが笑いましてね。


「話があるんだ。実は・・・」

「仕事のこと、知ってるよ」

・・・え?

トラさんの奥さん、意外すぎる言葉なんですけど!?


「何で・・・?」

「あなたのことなら、わかるよ。前の仕事、あなたには合わないと思ったし」

「でも、次の仕事は一応、見つけてるんだ。だから・・・」

「そんな気持ちじゃ、すぐに辞めちゃうと思うよ?」


てか、奥さんはトラさんから、話を聞いていないはずです。

なのに、話し振りが何もかも知ってるかのようなんですよね。

そこで、トラさんは少しだけ気合いを入れるかのように、深呼吸をしましてね。


「今、自分で会社を興さないかと誘われてるんだ。付いてきてくれる人もいる。でも、しばらく収入がなくなるし・・・」

「私が働いたって良いんだよ?」

「でも・・・」

「パパ、私、仕事頑張ってるパパが好き!」


娘からも、そんな風に言われ、トラさんは目に涙を浮かべました。

「この子にも、話をしたよ。だから、あなたのしたいようにして」

「俺は、何よりも2人が大切だ。だから・・・」


とりあえず、決まりかけてる仕事に就く。

それが、トラさんの考えなんだろうと思いました。

トラさんの家族、今初めて会ったばかりなんですけど、トラさんのことをよく理解している、とても良い家族だと思います。

でも、だからこそ、そんな2人のために、不景気な世の中で会社を興すなんて、無謀なことは出来ないと。

何となく、そんな考えなんだろうなって、感じたんです。


「どちらかを選ぶなんてしないで下さい!」


・・・そんな考えをガミさんが吹き飛ばしましたよ。

そこで、トラさんは少しだけ、考えている様子を見せましてね。

それから、笑いました。


「俺、やりたいことがあるんだ。お客さんのことを第一に考えて、現場の状況に合わせた柔軟な体制を取れる会社を作りたいんだ」

それから、トラさんは自分がしようとしていることを詳しく話しました。

そして、トラさんの家族は、笑顔で話を聞いていました。


「そのために仕事をしたいんだ」

「それが、トラさんの仕事する意味なんですよね!?」

ガミさん、出しゃばるなっての!

でも、トラさんは笑顔で、うなずきました。


「だったら、私達も一緒に頑張るよ」

奥さんも娘も、笑顔でトラさんの考えを受けてくれましてね。

てか、この家族、マジで良い家族です。

これから、大変かもしれませんが、上手くいってくれる気がしますよ!


と、そこでガミさんが、そっと話し掛けてきましてね。

「ヨッシー、後はもう大丈夫だから、行こうよ」

・・・いや、引き際、遅過ぎるだろ!

むしろ、もう引くところじゃねえし!

まあ、珍しくガミさんが引いてるわけですからね。

ここは、それを評して、帰ることにしましたよ。


「てか、トラさんの家族、良い家族だよね。トラさんの考えをしっかり理解してるしさ」

「そんなの当たり前じゃん!」

・・・当たり前か!?

「ヨッシーの家族だって、きっとそうだよ!」

「あ~、そうかもね」

てことで、適当にかわしましたよ。


てか、相変わらず、ガミさんとは話が合わないな~と思った1日でした。

でも、トラさん、家族に色々と理解してもらえて、ホントに良かったと思いますよ!

大変だと思いますが、頑張ってもらいたいですね!

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