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今日も取材です

2009/09/13(日)


今日も取材だからということで、メモ帳とボールペンを買ったヨッシーですよ。

いや、昨日みたいに、ただついていくだけってのは嫌ですし、さすがに手ぶらはまずいと思いましてね。

てことで、家までエリさんが迎えに来てくれまして、早速出発です。

ちなみに今日もガミさんは自宅待機みたいです。

子供達の遊び相手になってもらおうと思ってたんで、ちょっと残念ですが、まあ、しょうがないですね。


「今日は子供達からも話を聞くわよ」

「はい、了解です」

「あと、今日はヨッシーが質問する形にするわよ」

「え?」

「ヨッシー、昨日、子供達と仲良く遊んでいたし、きっと私より適任よ」

そんなの無理だと思ったんですけどね。

半ば強制的に、やることになっちゃいました。


そんなわけで、到着した後、早速、子供達が集まって来ました。

「ヨッシーお兄ちゃん!」

いや、その呼び名はどうかと思うんだな~(ハハ・・・

まあ、特にツッコミを入れることなく、適当に遊びつつ、話を聞くことにしました。


「みんな、ここでの生活はどう?」

まずは無難な質問から行きましょう。

みんなの様子を見てれば、答えはわかってますけどね。

「楽しい!」

「レミさん、優しいもん!」


当初は親がいないってことで、色々と悩んでるかと思ったんですけどね。

ここにいる子供達は、そんな様子を全く見せず、明るい感じなんです。

さてと、とりあえず、話が弾んできたんで、本題に入りましょうかね。


「みんな、あしながおじさんの話は聞いてる?」

「うん、知ってる!」

「どんな人が募金してくれてると思う?」

「かっこいいおじさん!」

「私はおじさんじゃなくて、お姉さんだと思う!」


まあ、そんな感じに色々な意見が出てきましたね。

てか、手当たり次第に色々と出過ぎて、収拾がついてないんですけど・・・。

レミさんは、あしながおじさんの話をする時、みんなを大切に思ってくれている人がいると、いつも言うそうです。

それを聞いて、みんな、色々と頑張ろうと思えるみたいです。

そんな理由から、みんなそれぞれの理想をあしながおじさんに当てはめてるようですね。


てか、こんな情報で役立つのかな?と思いつつ、エリさんはメモを取ったりしてます。

・・・って、俺、普通にメモ取る暇ないんですけど!


それにしても、みんな、ホント明るいですね。

仲も良いみたいですし。

・・・だからこそ、1人だけ離れた場所にいる彼女が気になりましてね。

まあ、昨日、俺に足掛けをしてきた、あの子だから気になったってのもあるんですけどね。

とりあえず、みんなの輪から離れてるような雰囲気でした。

ただ、レミさんが普通に話し掛けてたんで、ほっといたんですけどね。


そんなこんなで、適当に時間を潰して、そこを後にしました。

てか、俺、何もメモ取れなかったし!

完全に役立たずでしたね・・・。


「じゃあ、手伝ってくれたから、給料あげるわね」

「いや、何もしてないですし・・・」

「そんなこと言わないで、奢るから、飲みに付き合いなさいよ」

・・・花火大会の時に軽く思ったけど、エリさん、もしかして酒好き?

まあ、それならってことで了解しましてね。


まだ早い時間だったんですけど、近くの飲み屋に入りました。

「ヨッシーは昨日今日と話を聞いて、どんな風に記事を書きたいと思ったかしら?」

「え?」

・・・何か、答えづらい質問をされましたね。

「私は今日のこと、あしながおじさんの正体を追うって感じにしたいんだけど、情報が少ないし、どうまとめれば良いか困るわね・・・」

エリさんはそんなことを言ってたんですけど、まあ、思ったことをそのまま言いますか。


「あしながおじさんとは、ちょっと関係ないんですけど、あそこ、良い場所だと思いました。みんな、レミさんのことを慕ってますし、仲も良さそうでしたし」

そこで、1人だけ違ってたのも、気になりましてね。

「1人、みんなの輪から離れてる子もいましたけど、仲が悪い感じではなかったですし・・・多分、今日は自分なんかがいたので、照れてたのかなと思いました」

エリさんは、黙ったまま、俺の話を聞いてくれましてね。


「それで、ああいった雰囲気だから、あしながおじさん・・・募金しようって思う人がいるんじゃないかって思いました」

「なるほど、そういうアプローチにしようかしら」

エリさんはそう言いながらメモを取りましてね。


「あの・・・?」

「事実を伝えると言っても、伝え方があるのよ。例えば、1年の猶予がある時、『1年もある』と、『1年しかない』は印象が違うでしょ?」

エリさんは笑顔で続けましてね。

「今日のこと、あしながおじさんのことを書くのと、あしながおじさんが現れるような場所を書くの、どちらが良いかしら?」

「え?」

「ヨッシーの考え方なら、後者よね?」


エリさんはササッとメモを書きましてね。

「ヨッシーの意見を参考に、こんな感じで書かせてもらうわ」

まあ、軽く見ただけですけど、あの児童養護施設のことを中心に書かれていて、あしながおじさんのことは補足のような感じに書かれてました。


てか、俺の伝えたいこと、全部入ってますよ!

さすが、ライターです!

「良いと思います」

「ありがとう」


それから飲み始めて、しばらく心霊関係の話を聞いてたんですけどね。

「ところで、エリさんは今の仕事を続けてる理由とかありますか?」

ふと、そんな質問をしてみました。

そんで、エリさんは軽く考えましてね。


「この前、話しそびれちゃったんだけど、以前アシスタントを雇ってたことがあるのよ」

この時、エリさんの話し方から、良い話じゃないと感じました。

「心霊体験をした人の取材をしていたんだけど、突然その人から襲われて、アシスタントが大怪我をしたの」

「そんなことがあったんですか?」

「その人、心霊とか興味なくて、ただライターの手伝いが出来るという理由で、私のアシスタントになったなんて言ってたのよ。でも、本当は違ったの」


エリさんは酔った勢いで話そうとしてるのか、グビグビと酒を飲みましてね。

「彼、今も意識不明で、私は今の仕事を辞めようとも思ったのよ。でも、彼の親から意外なことを言われたの」

「意外なこと?」

「彼、私の大ファンだったそうよ。だから、アシスタントとして来て・・・あの時、襲われたのは私だったのよ。でも、彼が命がけで助けてくれて、私は無事でいられたの」

そこで、エリさんは笑いましてね。


「私が今の仕事を続けているのは、彼のためかもしれないわね」

「・・・そうですか」

「ヨッシー、仕事する意味が見つけられないなんて、ケイに相談したそうね」

「あ、はい。お金のためとか言う人もいますけど、家は裕福なので、働かなくても生活出来ますし・・・」

もしも、貧乏だとか・・・いや、一般家庭レベルだったら、仕事してたと思うんです。

まあ、多分というレベルですけど(ぉぃ


「まあ、仕事する意味が見つけられないなら、無理にする必要はないんじゃないかしら?」

エリさんも、ケイさんと同意見ですね。

「あと、お金のために仕事するなんて、つまらないわよ?」

「え?」

「やりたいことを仕事にしなさい」

「・・・簡単に言いますけど、それ、大変じゃないですか?」

「そんなことないわよ!」


てか、エリさん、すっかり酔ってますね。

・・・って、運転どうするの!?


「あ~、眠いわね」

「いや、寝ないで下さい・・・」

「ごめん、ケイに連絡して、迎えに来てもらって」

そう言いながら、エリさんに携帯を渡されましてね。

しょうがないので、ケイさんに連絡しました。


「たく、何やってんだ?」

すぐにやってきたケイさんは怒ってたんですけどね。

こういったこと、よくあるみたいでして、何とかするとのことでした。


・・・てことで、結局、俺は歩いて帰ることになっちゃった1日でした。

まあ、それなりに近いし、酔い覚ましにもなったので、良かったですけどね。

てか、結構飲み過ぎたのに、頑張ってブログ書いちゃいましたよ。

とりあえず、すぐに寝ますが、結構やばいなま・・・。

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