生きるということ
2009/08/13(木)
今、生きてますか?
そんな疑問が思い浮かんだヨッシーですよ。
今日も俺はマサの見舞いに行ってきました。
当然、ガミさんとミサも一緒なんですけどね。
そんで、スポドリとアップルとも合流し、いつものメンバーになりました。
そんなわけで、夕方ぐらいまで、適当に雑談してたんですけどね。
まず、スポドリとアップルが帰ることになり、それに合わせ、ガミさんとミサも帰るって感じになりました。
まあ、連日、夜遅くまでギター練習に付き合ってもらったりしてたんで、結構疲れ気味みたいでしたしね。
ただ、俺はもう少しマサと話したかったんで、その場に残り、2人になりました。
「ヨッシー、ありがとう」
2人になった途端、いきなり、そんなことを言われましてね。
「何が?」
「色々と」
マサは普通に笑ってました。
「てか、俺の方こそ、ありがとう」
「え、何が?」
「色々と」
そこで、お互いに笑っちゃいました。
「そうだ、ヨッシー?」
マサは少しだけ、真剣な目になりましてね。
「何?」
「俺のギター、もらってくれないかな?」
「随分と唐突なこと言うね・・・」
てか、この時、俺は嫌な想像しちゃいましてね。
「マサ、ガミさんの周り、ありえないことの連続だし、マサの病気だって奇跡的に治るって!」
「あ、そういう意味じゃなくて・・・」
マサは少しだけ間を空けましてね。
「俺・・・歌えなくなった時、生きてても意味がないなんて思ったんだよ」
マサは、ゆっくりとこれまでのことを話してくれました。
本当に歌うことが好きだったマサは、喉頭ガンの治療のため、声を失ってしまい、生きる希望もなくしてしまったそうです。
そんな時、出会ったのがユキさんでした。
「何か、初めから馴々しくて、本音を言うと、うざいなんて思ってたんだけどね」
ユキさんはマサに色々な注文をしてきたそうで、ソロギターもユキさんに言われて始めたそうです。
自分自身もガンにかかり、辛いはずなのに、ユキさんはマサを元気付けようと色々なことをしてくれたみたいです。
そうして過ごしてきて、マサは自然と生きる希望をまた見つけられたそうです。
ユキさんとの時間が、とても楽しかったんでしょうね。
「でも、ユキが死んで・・・俺にはギターしかなくなった」
そういえば、マサと会った時から、マサは自分のことよりもギターを大切にしてましたよね。
てか、それなら、俺なんかにギターを貸して、しかも今、あげようとしてるのは、どうなの?
そんな疑問に、マサは答えてくれました。
「でも、ヨッシーに会って、毎日がまた楽しくなった」
「え?」
「昨日のヨッシーの演奏、良いと思ったよ」
「いや、たくさんミスしたし・・・」
「この先、上達したら、今よりもっと良い演奏するんだろうなとか考えたら、すごい楽しみになった」
その後も、マサは嬉しそうに話を続けました。
「あと、昨日、ヨッシー達に聞かせた曲、俺の目標だったんだよ」
「え?」
「人を楽しませるような、そんな曲をずっと作りたかった」
確かに昨日も書きましたが、昨日の曲は今までの曲とは全然違いました。
「ユキがいなくなってから、ずっと退屈な毎日を送ってたと思う。それをヨッシーが変えてくれた」
「いや、俺は何もしてないし・・・」
「そんなことないよ。ヨッシーのおかげで、毎日が楽しくなって、自然とあの曲が出来た」
てか、むしろ退屈な毎日を変えてくれたのは、マサの方ですよね。
「昨日、あの曲をヨッシー達が笑顔で聞いてくれて、それで俺は目標を達成出来たから、だからギターはもう必要ないんだよ」
「でも・・・」
「ヨッシーが弾くギターの音、大好きだよ。だから、ギター、もらってほしい」
俺はしばらく悩みました。
答えはすぐに出たんですけど、その答えでいいのか、自信がなかったんです。
でも、決めましたよ。
「わかった、マサのギター、もらうよ」
「ありがと」
「てか、お礼を言うのは俺の方だよ。ありがとう・・・」
マサはメチャクチャ嬉しそうでした。
「あと、録音機材とかサイレントギターもあげるよ」
「いや、そこまでは・・・」
「俺には必要ないから」
まあ、断れる雰囲気でもなくて、もらっちゃいました。
てか、随分と高額なプレゼントをされちゃいましたね。
今度、何かお返ししようかと思います。
「あと、俺が録音した曲、ヨッシーに編集お願いしても良い?」
「え?」
「ヨッシー、DTMとかやってるんでしょ?俺、編集は苦手だからさ」
「ああ、了解。俺も得意ではないけどね」
「じゃあ、録音機材ごと、今度渡すよ」
その後も、マサと色々な話をしました。
そういえば、こんなことも言ってくれたんですよね。
「俺、もっともっと生きたくなった」
「え?」
「ヨッシーの演奏、また聞きたいからさ。もっと色々な曲を聞いてみたいし」
「随分とプレッシャーかけるね」
「そりゃそうだよ。俺のギター使うんだから、下手な演奏したら許さないよ」
「・・・自信ないので、やっぱり、ギター返します」
「おいおい・・・」
「冗談だよ。頑張る」
そんな感じで色々と話して、今日は帰りました。
てか、マサと話してて、俺は色々なことを考えました。
マサは、生きるということに真剣な姿勢で向き合っていると感じました。
でも、俺はそんなこと出来ていません。
マサからもらった『道』という歌は人生をテーマにしているようだと前に書きましたが、正直言うと、本当の意味ではあの歌を理解出来ていないと思います。
だけど、自分も生きるということを真剣に考えようと思いました。
たくさんギターの練習をして上達したって、歌の意味を理解していなければ意味がないですからね。
少しずつでも、前に進んで行きたいです。
そんなことをマサから教えてもらった気がした1日でした。