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続真田公記  作者: 織田敦
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そして…再び乱世へ(編集途中)

まるで夢のようであった。

信長様と共に世界を駆け巡り、世界統一に近い事を成し遂げそして新しい国家を作り上げ108歳の天寿を全うした真田敦。

多くの困難を乗り越え新しい秩序を構築するために、ヨーロッパの各地の国々と外交を多く用い表向きの形だけは平和な世の中を創り上げる事をやり遂げた。

そして天寿を全うし新しい命を司る時にあのお節介の第五天の神により新たな乱世の地に追いやられる事になる。

時は西暦189年。

大将軍何進が十常侍達により暗殺をされ、後に袁紹と袁術達による十常侍征伐。

そして都の洛陽の混乱に乗じて西涼を支配していた董卓が洛陽を占拠。

最初は袁紹や曹操といった人材を厚遇をし、各地の太守として任命をするもやはり粗暴な董卓に人は付いてこず、各地にて董卓の横暴を非難する声を高々に上がり始める。

そんな声を聞いた董卓は、袁紹や曹操達を恩知らずと罵り残虐非道な行為を行い始めていく。

董卓の専横により世の中は混乱と恐怖に陥り、怨嗟の声が国中に広がる中はるか南の地である交州太守として真田敦の姿があった。


「はぁ、まさか後漢王朝の時代に連れてこられるとはな。

あの気まぐれの第五天の神のやる事はさっぱり分からん。

まぁ、大体の予想は付くが面倒くさい事だ。」

真田敦は深い溜息を吐くと軍師兼妹である真田夕夏に相談を始めていく。

流石に頭を下げそのまま主君である真田敦に近寄る女性は真田夕夏。

容姿端麗頭脳明晰まさに非の打ち所がない女性であり、時々見せる冷たい視線は冷酷な性格を持っているのを想像させるのに適しているであるろう。

真田敦の手元に持っている木簡は、はるか遠くにいる曹操からの反董卓連合軍結成の為の檄文である。

反董卓連合軍に参加をするか、それとも不参加をするのかを決める為に軍師の夕夏に木簡を手渡し返答を待つ。

しばし木簡を読みながら静かに返答をする夕夏からは、予想通りの返答があった。

「反董卓連合軍に参加するべきです。

今天下は乱れ漢王朝は混乱の極みに達し、新しい指導者が現れるのを皆が待っております。

例え董卓を討てなくとも反董卓連合軍に参加した名分により、主君の名声と共に漢王朝復興の大義名分を手に入れるのです。

もし漢王朝復興の意志がなければ主君自らが新しい王朝を建国し、天下万民の幸せの為に尽力をするべきです。

この交州の人口は約300万人、兵力は元より物資に水軍も充実しており1年ぐらいの外征であれば問題なく行えると言えます。

ただ最後の決断は主君の考えた方次第でございます。

参加するもよし、不参加を決めるもよし。

どちらの選択を選んでも家臣一同はそれに従うだけであります。」

理路整然とした夕夏の発言を聞きながら静から、太守の椅子から立ち上がる真田敦は高々と宣言をしていく。

「曹操殿の檄文に応じて我らは反董卓連合軍に参加をするとする。

夕夏は補給担当として交州に残り、大内勝雄は新しい水軍の調練に励め。

南条勝成と西原詩織の両名は余に従い約1万の兵力を従えて進軍を致す。

他の者共は各自の仕事を行いながら、領民達の平和と安全を充分に確保する様に。」

高々と宣言を終えると真田敦はそのまま執務室から外に歩き出し、南国特有の温かい気候を肌で感じながら

腰から天地無双剣を引き抜くとそれを天に向けて突き上げる。

「天よ、我はこれより天下万民の平和と安全の為に多くの敵を討ち滅ぼし、邁進をしていく事をここに宣言をする。

多くの困難が待ち受けているであろうが、必ずや我が志を全うするべくどんな苦労をも厭わぬ決意である。

宣言を終えた真田敦は腰に剣を戻すと、後ろを振り返り家臣一同に対して改めて宣言をする。

「天下万民の敵である魔王董卓を討ち滅ぼし、この世界に平和と秩序を取り戻す事をここに誓う。

皆の者、異議のある者はここで自分の意見を述べよ!

我が宣言に加担する者は左袒を脱げ!」

これを聞き入れた家臣一同はみな左袒を脱ぎ、真田敦の宣言に従う姿勢を見せていく。

こうして交州の片田舎から天下統一を目指す真田敦の第二の人生が始まろうとしてた。


その宣言の数日前にある会議が開かれていた。

この時代の気候に関する事である。

後漢末期の気候は小氷河期と言われる気候であり、北方に行くほど作物の実りが悪い時代である。

反董卓連合軍に参加をした後の事を考えると、交州の領土だけでは天下統一を望む事は事実上不可能である。

と言って、北の荊州や東の揚州に西の益州を仮に押さえたとしても中原の国力の差を埋める事はやはり無理である。

ならば中原の国力に対抗する国力を、どこで手に入れるかの議論になる。

まず真田夕夏が手を挙げてから発言をする。

「歴史上を見ても南から国を興して天下統一をした事例は少ないと言えます。

ここは中国大陸のみを見るのではなく東南アジアの地域を支配下に治め、そこの人口や生産力等を足す事により中原に勢力を持つ敵に対抗するべきです。」

夕夏の発言を聞いた南條勝成は、次に手を挙げてこう発言をする。

「夕夏様の発言は正論に近いですが、東南アジアまで出陣をする余裕は今の我々にはありません。

ならば中原の勢力が大きくなる前に荊州揚州益州を支配下に治め、速攻を持って洛陽を始めとする司隸地域などを手に入れるべきです。

孫氏にも兵は拙速を尊ぶと書かれている以上、速やかに軍勢を動かして各地を手に入れるべきです。」

勝成の発言にも一理あると言える。

敵対勢力が大きくなる前に、こちらがそれを上回る勢力を作り上げるのも間違いではない。

そして3番目にやや控えめに手を挙げたのは、水軍大将を任されている大内勝雄である。

「私はどちらの案にも反対をしませんが、今大切なのは南船北馬の状況を考えるべきです。

反董卓連合軍に参加するのは反対ではありませんが、ここから中原にまで補給路が伸び切るのが問題であると言えます。

輸送に必要不可欠な馬の数は少なく、長江を渡るのに用いる輸送船の数も充分に足りているとは思えませぬ。

おそらく自軍の兵糧は、自前調達が基本になると思われます。

反董卓連合軍参加云々よりも、この補給路の構築から目を逸らさないで欲しい物です。」

この発言もまた重要な事である。

この時代の補給部隊の重要性は何よりも大切な事である。

出陣をする全軍の約4割ぐらいを補給部隊に当てるのが、当時の常識と言われているからである。

今回の反董卓連合軍に出陣をする動員数は約1万。

そのうち4割を補給部隊に当てたとすると、約4000人に相当する。

残り6000人が最前線で使える兵士数になる事を考えると、やはり兵力的には少ないと言える現実である。

しばしこの3人による議論をしていた後、静かに意見を聞いていた真田敦が重たい口を開く。

「まずは勝雄の発言から解決していこう。

補給路の構築に関しては長沙辺りの港から長江を横断をしてそのまま北上をして漢水に入り、出来るだけ戦場に近い場所まで運ぶしかあるまい。

そして足りない輸送船に関してだが、これは商人の船等を金を支払って借りるより他はあるまい。

もちろん船の新規建造もやっていく。

正直今回の反董卓連合軍に参加をする意義は、天下に名を知らしめる事である。

本気で董卓を討つつもりなど最初からない。」

敦の発言により勝雄の悩み事は全て解決したとは言い難いが、それでもある程度の解決策を発言してくれた事により勝雄はここで発言を控える事になる。

そうなると次の問題は、夕夏と勝成の発言に対する解決策である。

頭を抱えている敦の前に外から、「失礼します」とドアをノックして、その音を聞きつけた敦が「どうぞ」と声を掛けてから入室してくる人物がいた。

入室してきたのは西原詩織であり、補給部隊の準備が整った事を報告しに来たのある。

まさに渡りに舟。

内心そう思った敦は詩織に助けを求めるかのように、これまでの軍議の内容を丁寧に詩織に説明。


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― 新着の感想 ―
続編執筆ありがとうございます。戦国時代から、三国志に舞台を移し、これからの展開に目が離せません。次話を楽しみにしています。
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