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Prologue

 親ガチャ親ガチャと世間で言われる昨今だけれど、親父(おやじ)ガチャをやったことがあるという人に私は自分以外に出会ったことがない。


 あれはいったいなんだったのだろう。ソーシャルゲーム等のいわゆるゲーム内の架空の「ガチャ」だけでなく、ここ数年はリアルのカプセルトイもこの国でずいぶん流行ってきている。だから私はそういった類いのおもちゃを置いている店に行くと、あの「親父ガチャ」が無いものか、並んでいるカプセルトイのマシンを隅から隅まで見る癖がついてしまったほどだけれど、やはりそのような機種は見たことが無い。いくら人に聞いてもネットで調べても、一つもそれに関する情報は出てこない。どうにもこうにも、何がなんだか分からない。


 もしかしたらあれは辛かった十代を切り抜けるために私が脳内で作り出した白昼夢で、そんなものはそもそも存在しないのかも知れない。だけどこんなにはっきり記憶に残っているし、母も覚えているようだし、いくらなんでもそんなことはないだろう。まあしかし人間生きていればこういった不可解な思い出というのは誰にでもできうるものかも知れず、だとすれば私はそれを擦り切れさせないように大切に持って、時々懐かしく思い出せばそれでいいのではないか。と、この手記のような、あるいは私小説のようなものを書きながら私は考えるのである。

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