一難去ったあと
気が付けば朝になっていた
どちらかと言えばもうそろ昼か?
昨日の戦闘でさすがに体が答えたのだろう
体は痛いが心は痛くない
仮に俺がオルヴィンロードを倒せなかったら...
最悪な事態を想像すると・・・
「考えたくはないな...」
「ロイド兄さん起きたんですか」
寝起きに天使のような声が聞こえた
「ああ、サラ昨日は心配かけたな」
「めっちゃ心配しまいたよ!」
普段は使わない言葉を使って
気持ちを伝えてくれた
「でも、ロイド兄さんならやってくれるって信じてました」
「いや昨日はほんとにぎりぎりだったよ、
でもサラが村を守ってくれるって思ったら力が湧いてきたんだ
だからサラ、昨日はありがとう」
「兄さん...」
俺は感謝を伝えるとサラが照れた
照れるところではないと思うが
かわいいからいいだろう
バシッという音と同時に扉が開いた
「おい主殿、呼び出しじゃ」
「わかった今から行くよ」
どうやらカタリナに呼ばれたらしい
カタリナが呼ぶのは珍しい気もするが...
「カタリナさんおはようございます、どうしたんですか」
「あ、ロイド君来たのね」
最初はさんで次は様今回は君だから次はちゃんか
そう思っていると深刻そうに言ってきた
「昨日オルヴィンロード倒したじゃない?」
「はい一応倒したと思いますけど...」
倒せてないとかいうんじゃないよな?
そうなると次は俺死ぬぞ
「そのオルヴィンの群れが従順になってしまって」
「ほぅ、危害がなければいいんじゃないでしょうか」
「いや、どうやらあなたが命令しないと動かないみたいだわ」
申し訳なさそうにつづけた
「私は小さいころに従魔のやり方を教わったのだけれど...」
どうやらカタリナは小さいころ魔物を使う技を習っていたらしい
それでも使役することは無理だったのか...
俺が群れのリーダーだからなのか
俺の命令にしか従わないのか
少しめんどくさいな...
そこで俺はあることを思いついた
「おいお前ら魚を一匹とってこい!」
「「「わおーーーん!」」」
そうしてすぐに動いた
どうやら言葉はわかるらしい
すげー頭いいじゃんこいつら
そして10分ぐらいたったあと
「全員戻ってきたな」
各々早い奴から遅いやつがいたし
でかい魚や小さい魚を持ってきたやつもいた
見た感じ遅いからでかいってわけではないし
こういう時はどうやって能力を見分ければいいんだ?
そもそもそんな能力がないかもしれないしな。
「確かに俺のいうことに従順ですね」
「私も従順ですわよ」
こいつ...
子供をなめてるとつぶすぞ
「どうにも市場とかにもだしにくいですしねぇ...」
「そうですわね、こうも優秀なオルヴィンですと高値で買い取られるんですが
この数ですと時間がかかりますわ」
ん?今優秀って言ったのか?
確かに走る速さは昨日の動きより早いな
能力が高いならこいつらを使ってみるのもありだな
「カタリナさん申し訳ないんですがこいつらのめんどう見てくれませんか」
「ええ、もちろんいいのですけど私も命令が利かない以上は...」
「おいお前ら今からはこのカタリナの命令にも従ってもらうぞ」
「「「わん」」」
尻尾を振りながら答えてくれた
「呼び捨てだなんて、なんて男らしいんですわ」
「いやカタリナさんも呼び捨てでいいっていってましたよね?」
「あら、強情なお・と・こ」
めんどくせぇ...
「とにかくこれで面倒見てくれますか?」
「わかりましたわ、ちゃんと責任を取って面倒を見ますわ」
とにかくオルヴィンの数が多すぎるしな
この村にも多少は分けてやりたいが
「それはできない可能性が高いな」
パイクさんに相談すると断られてしまった
「でも村のことを考えると人民が恐れてしまう可能性がある、これに関してはみんなの意見を聞かないことには...」
「なら一匹だけわしがもらってもいいかのう」
そうしているとマルクスさんが言ってきた
「いいんですか!?」
「一匹だけならわしでも扱える」
おそらくオルヴィンが暴れたとしても抑えることはできるって意味だろう
その意味にどれまでの意味があるかはわかっているが
「それならパイクさん一匹だけマルクスさんのところに預けてもいいですか?」
「マルクスがそういってるなら大丈夫だが、めんどう見れなかったらわかっているよな」
パイクさんは釘をさすようないいかたをした
ちゃんと村のことを思っている人なんだなと思う
そのあとマルクスに命令権を委託した
一応俺の命令も聞くようにした
人は殺すな、傷つけるな、むしろ助けろ
これを3原則として俺から命令しておいた
とにかく
みんなが大事に至らなくてよかった
・・・・・
俺は今回のオルヴィンロード討伐の件を報告しに
ギルドへと赴いた
「アーリさん、クエストクリアしました。」
その報告と同時にオルヴィンロード討伐の件も話した
そしたらアーリさんはびっくりした表情で聞いてきた
「オ、オルヴィンロードを討伐したんですか...?」
「かなり苦戦しましたけど、討伐できたと思います
見ての通りオルヴィンが従順ですし...」
そういってギルドの外で待ってもらっているオルヴィンたちを見せた
アーリさんは信じられないといわんばかりの顔をしている
「わかりました、その件もこちらから上に報告して報酬を決めたいと思います。
あと、そちらのオルヴィンたちはどうするんですか?」
「少しやってみたいことがあるので...」
アーリさんはわかりましたと言って報告書をもって行ってしまった
俺らも今日のところはすることがないので解散にしようと思ったが
「あ、こいつらどこに預けようかな」
時間が空きすぎてしまった