ステータスアッパー
「60銀貨...ってどうなってんだよこれ!」
昨日の温泉で俺がいない間に酒の飲み比べで
調子にのって「全部童が払ってやる」と言った
酒代は合計で10銀貨ぐらいでなんとか払えるけど
人が倒れてその日の経営が困難になったらしく
そのつけを俺が払わなきゃいけないことになったしまった
そして俺たちはしばらく出来んとのこと
「ラッピーはしばらく酒禁止な
つか永遠に酒禁止だ!」
「そこをどうか童を煮るなり焼くなり好きにしても
酒だけはどうか」
こいつ尻尾振ってやがる...
俺はこぶしを握り締めて言った
「お前を奴隷として売ってやろうか」
「それだけはぁ」
「とりあえずそんなことしても、現状は変わらないですよ」
「確かにそうだな、とりあえずクエストいくか」
俺はギルドに向かうことにした
Dランクのクエストは銀貨2,3枚程度だ
それにたいしてCランクはいいものだと10銀貨はある
「よし俺たちで少し危険だけど今回はCランクのクエストをするぞ」
なるべく効率よく金を返さないと信頼もなくなってしまう
・・・・・・・・・・・
今日もギルドはにぎやかだな
そう思っていると後ろから声をかけられた
「ロイド様本日はどこに行かれますの」
「様だなんてよしてくだいよカタリナさん」
「あら、私の故郷では心を許した相手には様をつけるのですわよ」
「それ本当に言ってます?」
「冗談ですわ」
いや冗談じゃない
確実に本当だろう
だろうついてる時点で揺らいでいるが
顔がまじで言ってる
僕の初めて奪われちゃう...
「それで今日はどのクエストに行かれますの?」
「あ、この前の温泉での騒動ってもう聞いてたりします?」
「もちろん」
「その弁償金が60銀貨でして...」
「60銀貨ぐらいなら私が払いましょうか?」
「「「!!!」」」
やっぱりどっかのお嬢様だった
つか金銭感覚ばぐってるだろこの人
でもAランクにもなればそれぐらい普通なんだろうか
「失礼、私が全部払うと恩を押し付けてしまう感じになりますわね」
「そうですね、なので全部とは言わないので少しだけ
クエストを手伝ってくれると助かるのですが」
「いえこの前のこともありますし、私としても
若い子と冒険できるのは思ってもいないことなので
手伝わせていただきますわ」
「本当ですか、ありがとうございます!」
子供でよかった
そう感じた
Aランク冒険者も一時的に仲間に加わって
クエストをやることになった
Aランクがいれば俺たちでも
Bランククエストがいけるような気もするが
ミスれば命に直結することなのでやめといたほうがいいと
カタリナさんがいってくれた
実際に昔それで仲間を一人失ったらしい
なら今回はCランククエストを回すことにした
「どれから回そうかな」
人は余裕ができた時迷いがちだ
しかしこの人は余裕があるのにも関わらず
俺たちのことを考えてくれて選んでくれた
「これなら簡単に集めれる場所を知ってますわ
しかも意外と簡単に倒せますし」
「ならそれで行きましょう!」
クエスト選びから行先や準備、対策など様々な知識を
教えてもらった
Aランクって実力だけじゃなくて知識もすごいな
この人を関心するしかなかった
・・・・・・・・
「これで最後ですわね」
「カタリナさんって、すごいですね」
「Aランクですもの、子供に褒められるって気分がいいですわね」
ちなみに移動手段は3人でラッピーに乗ることにした
ラッピーはいつもよりかは重たそうに走ってたし
サラはいつも俺の後ろに座ってたけど
その席をとられてか少し怒っている感じがした
カタリナさんはずっと俺の体を触ってきた
正直毎回手つきがいやらしい、が
「なんだかこう触っていると子供じゃない感じがしますわ」
今回は少し神妙なものを触る感じで言ってきた
「やっぱり”ステータスアッパー”が原因なんですかね」
「おそらくそうでしょう、私も長く冒険者をやっているけど
そんなスキルをもっている人なんて見たことないですわ」
「カタリナさん、さっきからロイド兄さんの体触らないでください」
「もしかして、あなたも触ってみたいのかしら」
「っ...///」
「さわってもいいわよ」
なんでお前が許可だしてんだ
「す、すごい硬い」
それものによっては俺捕まるからね
「そうなんですわ、見た目は幼い子供なのにも関わらず
体は硬くて歴戦の戦士、みたいな感じですわ」
「ロイド兄さん、私が触ってるの感じます?」
「うん」
そういったら顔を赤くした
かわいいな健気だ
そうしていると王都についた
「このクエストで15銀貨!」
依頼のアイテムをギルドに納品した後に
街の商人にほかのアイテムを売った
そうして15銀貨が手に入った
効率が良すぎる
ちょうど昼になるしもう一度これをすば明日には終わる
「カタリナさんはこれからどうするんですか?」
「私は最後まで手伝うわよ」
「お粗末なものですがこちらを」
俺はそう言って3銀貨を渡そうとしたが
「私はいらないは一緒に頼ましてもらいましたし
体にも触らせていただきましたし、むしろ払いたいぐらいですわ」
「わかりました」
おなかも減ったしいったん飯にするか
・・・・・・・・・・・・
そうして飯を食べた後クエストを見た
「ロイドさん、すいませんがこれ一緒にいってもいいですか?」
なんかいつものお嬢様みたいな雰囲気じゃない
なんだろう自分の願望を通すような感じでお願いしてきた
「サキュバス討伐依頼...」
この世界のサキュバスは男にしか影響を与えない
前にギルドの文献で見たが今のパーティーは男は俺しかいない
「これってもしサキュバスの攻撃くらったらどうなるんですか?」
「そのー///」
息を荒げるようにいった
「安心してくださいまし、一時的に興奮するだけですわその代わり...」
「その代わりなんですか...」
「めちゃくちゃになりますわぁ、私も貴方も」
!!??!?!?!?!??!
まじかいこう今すぐいこう
って思ったが落ち着け
報酬金は25銀貨浮いたアイテムを商人にうれば30から35銀貨になるな
しかも欲望が叶うならもっともだなよしこれでいく
「行きましょう!」
こうしてとある洞窟に向かうことにした
そこにサキュバスはいた
4人いた人ではないから4匹なのか
「ロイド様気を付けてくださいまし」
「はい」
「それでは作戦道理にいきますわよ」
ラッピーが前を出てサキュバスを押さえつける
今回は真面目に戦ってくれるらしく犬の姿だ
その間にカタリナさんと俺はサキュバスを横から倒す
ザシュ!
「よしまず一匹」
「こちらも一匹やりましたわ」
そこからは順調にいった
いや行ってしまった
俺も帰り道で錯乱状態になってしまったが
サラに体を触ってもらったらすぐに収まった
「サラありがとうね」
「いや今回も私何もできなかった」
「逆だよ俺こそなにもしてやれなかった」
そういうとサラは安心したかの表情を見せてくれた
「さーてもうそろ夕日が落ちるけど
どうしようかな」
「私はまだまだ、いけますわよ」
どうやらサラとラッピーは疲れたそうな感じをしている
もとはと言えばラッピーが元凶なんだがな
そう思っているとふとクエストの方に目をやった
いつもない緊急クエストに珍しくクエストがあった
「オルヴィンの討伐...」
依頼者:バンガ村
「!」
俺はその瞬間恐怖がよぎった
「アーリさんこのクエストっていつからあります?」
「ちょうど今さっき入ったところですけど」
「これ行きます」
そして俺たちはすぐに出た
カタリナさんには申し訳ないが今日は残業だ
ノンストップでバンガ村まで来た
するとそこには前のように魔物に襲われていた村があった
「父さん...」
「大丈夫だよサラ」
そう言って奥の方に走った
「みなさん大丈夫ですか?」
「ああ、君かい」
「父さん!」
「ロイドです」
そこには俺の知っているパイクさんの姿があったけど腕が一本なかった
「パイクさんこれ痛み止めです」
「ありがとう、最後に娘と君の名前を聞けて...安心したよ」
かすれた声で続けて話す
「みんなは大丈夫だ...3日前ぐらいからこの森に異変が起き始めたんだ...
それで避難の準備はできてたから...村のみんなは大丈夫だ」
「わかりました、あとは僕たちがやります」
「待ってくれゲホッゲホ」
「大丈夫ですか」
「私はもう長くない、だが最後に...
この森の異変は...おそらくオルヴィンの長...がやっていると思われる」
咳もしているのに俺に何かを伝えたい気がして
黙って見守る
「異変が起きる前調査隊...がでかいオルヴィン...を見たといっていた」
「」
「だから頼む...そいつを倒してきてくれないか」
その言葉を聞いた瞬間に俺はラッピーに乗っていた
「わかりました、カタリナさんとサラは村の護衛を
俺たちは行ってきます」
そう言って村を出た
「ラッピーどこにいるかわかるか?」
「ワン!」
どうやらわかるらしい
しばらくして森の気配が変わった
縄張りに入ったというのか
さっきまでのざわつきはなくなっており
静かな雰囲気になっていた
周りの木がなくなっている!?
「ワオーーーーーン!」
すると奥から魔物の咆哮が聞こえた
そうすると赤色の毛をした俺らの3倍はある大きさのオルヴィンが
現れた
いやこいつはオルヴィンじゃなくて"オルヴィンロード"
ギルドの文献によると体内の魔力が暴れて突然変異したといわれている
オルヴィンロードは狂暴で危険すぎるためソロでの討伐は禁止としている
しかし今の俺はラッピーがいるし何より村を守ってくれている仲間もいる
「いけるかラッピー」
「ワン!」
「よし」
行くぞ
剣を構えた
くる!
ガッシュ!
は、早い!?
普通のオルヴィンよりでかいのに早い。
噛みつきが来る!
カキンと音が鳴り金で防ぐのがやっとだ
噛みつき爪噛みつきの繰り返し
だんだんと後ろに追い詰められている
くそぉ、俺はここで死ぬのか
ガブ!
「う”ぉぁぁぁぁっぁあ!」
左腕をかまれ腕が落ちる
ラッピーが果敢に攻めているが
鈍器で殴られているような音が聞こえる
剣を拾おうとするが
それすらさせてくれない
違う...できない俺の足がビビッて動かない
ラッピーが命がけで俺を守ろうとしてくれてるのに
サラやカタリナさんが命がけで村を守ってくれてるのに
俺だけが命がけをかけていなかった
死ぬ覚悟が足りなかった。
意識が遠のいていく
魔物に襲われていてそれを助けた村だが
もし襲われていなかったら俺なんか歓迎されなかったかもしれない
名前もなかった俺なんか信頼されなかったかもしれない
そうなればこんな楽しい日々を送れなかったし
冒険者にもなれなかった
俺はその意識が足りなかった
拳を握り締めると...
「...」
左腕が治っていた
服はぼろぼろだが体は動く
「家に帰ったら新しい服でも一緒に買いに行こう」
体の震えを気合で止めて剣を拾い上げる
「ふー、」
その一瞬風が起きる
ガキン!
ラッピーがかまれそうなところにはいる
「ラッピーありがとうな」
「わふん!」
安心したような返事が返ってきた
剣で防がれて怒っているのかさっきよりも動きが速い
剣のスキルはないしあまり振ったこともない
しかし体が勝手に動く
さっきとは違い相手の噛みつきに合わせて反撃を振る
リズムは常に一定崩れなければ負けない
下がりながら相手の急所を探る
反撃は当たっていて血も出ているが傷が深くない
やはり目をつぶすか
相手の噛みつきを遮るように
反撃ではなく一撃を目に入れた
「わ”おおおおお”ん」
手ごたえは感じた
そう安心した瞬間
黒色のオルヴィンがたくさん現れた
しかし今の俺には関係ない
剣を使って次々と切っていった
<右から来る!>
ドゴン!
その音で森が揺れたのを感じた
左手の拳で殴った
その勢いのまま地面に打ち付けて
頭は粉々になり原型すらわからない
それを見ていたオルヴィンたちは足を止めた
そしてオルヴィンロードと一騎打ちになった
しかし決着は一瞬だった
オルヴィンロードが噛みつこうとしたとき
上から剣を構え
下に振りおろす
その動作に迷いはない
振り下ろすと同時にすべての力を使って
前にでる
一瞬だが何が起きたか分かった
正面から切り込みオルヴィンロードの頭を
通り過ぎた後にオルヴィンロードから血が出ていた
正確に半分に剣に血が付かない速さで貫いた
「勝った」
俺はそう言った
体の力が抜けていく感じがする
ステータスが下がるというより
安心から来る疲れだろう
「ラッピー大丈夫か」
俺はそう言って担いで村に戻ろうとしたとき
走って向かってくるカタリナに出会った
だかカタリナは足を止めることなく
むしろ早めた
そして剣を抜いていた
俺が殺されるかと思い
構えたが
剣は俺の後ろのオルヴィンに向いていた
「ここは私があなたは先に村にいってくださいまし」
「もうオルヴィンロードは討伐しましたので大丈夫ですよ」
「え?」
呆気に取られていた
「それって本当なの?」
「はい」
頭半分に割って死なないとかないよな?
さすがに文献にそんなこと書いてなかったし大丈夫だと思いたい
「てことはこいつらはあなたのをボスとみているわけ?」
「文献ではそう書いてありますね」
「ならオルヴィンに乗って移動した方が速いわ」
あ、忘れてた
完全に抜けてた
・・・・・・・・・・・
そう言って村に戻った
村に襲ってくるオルヴィンはいなくなっていた
おそらくこの森の長は俺だから
オルヴィンはもう襲ってこないだろう
文献によれば200年に一回のペースでしか変異しない
ならもう安心できるだろう
それまでには何とか文明が発展して
対抗できる武器とかもあるだろうし
逆に今までないことがおかしいぐらいだが
時代の変わり目はいつの時代も来るから
別におかしいことではないのだろう
「ふー、なんとか無事だな」
「どこみて無事って言ってるんじゃ」
「ならけが人なんだから酒飲むな」
そう雑談をしていた
パイクさんも腕は失ってしまったが
命まで失ってはない
「カタリナさんなんだかすいません巻き込んじゃいまして」
「もう、さんなんていらないでしょう私より強いんだから」
「いやいや僕からすればカタリナさんから教わった知識がないと
今ここにいませんよ」
「もう、お世辞が上手な子ね」
「カタリナさん少しパイクさんの様子を見てきます
酒を飲ませないように見張っててください」
そう言って俺は部屋を出た
今回は長くなってしまいました
誤字脱字が多いと思いますが
暖かい目で見てほしいです






