冒険者ギルドへようこそ
「助けて...お兄ちゃん...」
その言葉と同時に俺は目が覚めた
どうやらサラがうなされているみたいだ
俺はサラの頭をなでてあげた
俺はお兄ちゃんではないけどな...
朝が来た
いや時刻はもうそろ12時
昼だな
とりあえず今日はギルドにいこう
できればクエストを一つクリアしたいけど...
と思っていると部屋には誰もいなかった...
慌てているとちょうど二人が戻ってきた
「お前らどこにいってたんだ」
「買い物じゃ、昨日はゆっくりできなかったからのう」
「私もこの街が少し気になってたのでついていきました」
すると二人の服が変わっていることに気づいた
めっちゃ似合ってんだけど...
「どうじゃ、こやつの服、童が選んだんじゃ」
「あのー、似合ってますか?」
「ああ、似合っているよ」
「うふふ、それはよかったです」
そう彼女はつぶやいた
なんか初めて笑ってるところ見たかもしれないな
「童の服もほめてはくれんか」
「すごいすごい」
ふと窓の方に目をやった
昨日は帰ってきたときには街が暗かったけど
今こうしてみると本当に王都って感じがするな
「あれそういや、お前この街わかるのか?」
「昨日宿をとった後暇してたから
この辺をぶらぶら回っとったんじゃ」
ふーんなるほどね
「ならギルドまで俺らを乗せて」
そういって到着しました
冒険者ギルドに
昼間から酔っぱらっている者や武器を選んでいる者
なんかの自慢話をしている者
特に俺たちみたいな子供までもいた
「なんかいろんな人がいるんだな」
「当り前じゃ、この国はなんせ自由の街ともいわれている」
なんか嬉しそうに尻尾を振っているのがわかる
サラの方もギルドにくぎ付けになってる
「とにかく今日は金を稼ぐぞ」
「わかっておる」
「そのつもりです」
なんだかみんな気合入ってるな
とりあえず受付の人に声をかけてみることにした
受付の人がかわいくてエロいってことは置いといて
クエスト受けるには冒険者登録が必要らしい
何かとスキルやレベルって概念があるみたい
そこのステータスとクエスト貢献度でランクが
上がる仕組みだとのこと
「よし次は俺か」
受付の人からもらった紙に自分の血を垂らすと
それでステータスやらスキルがわかるみたい
ほかの二人は意外と早く終わったのに俺だけなかなかでてこない
そうしているとスキル欄に記載された
[#ステータスアッパー#]
そうしているとステータスも表示されていた
けど...
「すべて0だと...」
なぜか俺だけすべて0だった
体力・筋力・技力・魔力・知力
すべてが0だった。
「ステータスが乏しいですね...」
受付の人が言った
その言葉は俺に刺さるからやめてくれぇ...
・・・・・・・・・・
とにかく俺たちはその場を離れて
依頼クエストを見ていた。
単純にその場から離れたかっただけだけど...
「とにかくなんか簡単な依頼やクエストをこなして金を稼ぐぞ」
「そうじゃな」
「そうですね」
なんだかさっきよりやさしい返事が返ってきた
失望されてないよな?
されてたら結構心にくるんだが
「主殿これなんかどうじゃ」
そういって見せてきたクエストが
「オルヴィンの牙を6個納品か...」
オルヴィンは突如バンガ村を襲った魔物のことだ
その牙を6個か...
クエストランクはCだから報酬はうまいが
そこまで金に困ってないし
何より命が危険だし
あの村の人に言えばたくさんもらえそうだが
最初はなんだか自分の力でやりたいんだよな...
「お前はできるかもしれないが俺たちは、
そんな魔物倒せないから無理だ」
そういうとラッピーの尻尾が止まった
つか人の姿でラッピーって名前なんかおかしいよな?
「俺の名前はロイドだ、改めてよろしくな」
冒険者登録するときに
一緒に名前も登録しないといけない
生前の名前じゃ違和感があるので俺はロイドと名のった
「どうしたんじゃ急に?」
「いやここはみんな改めて自己紹介するとこだろ」
「そうか、なら童は大神おおかみじゃ、よろしく頼むぞ」
「わ、私はサラですよろしくお願いします」
道中いろいろあったがようやく最初の目標である
冒険者になった
まだ登録しただけだけどね...
「ロイドさん」
「いや別ロイドでいいよ」
「じゃぁ、ロイド兄さん...」
ん?
兄...さん
今兄さんって言ったよね?
「私を助けてくれた時兄さんみたいだったので...その
ロイド兄さんって呼んでもいいですか?」
「of course」
ぽかーって顔している
この世界では英語は伝わらないらしい
「ごめんごめん、もちろんそう呼んでもいいよ」
「ありがとうございます」
めちゃくちゃいい子だなこの子
パイクさんの教育がいいんだろうな...
「童もラッピーでも大神おおかみでも好きに呼んでも構わんぞ」
「では、ラッピーさんもよろしくお願いします」
そう言って俺たちの冒険が始まった気がした