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働く子供たち

王都についた


俺が想像してたより王都だった

嘔吐するレベルの王都だった

はいすいません


だが予想通り手続きがいるみたいだ

子供二人が王都に入れるかと思ったけど


「今回の要件は!」

「はい!冒険者になりたくてきました」

「入ってよし」


意外とすんなり入れた

身分とか見た目で判断しないのはいいところだな

あと子供二人なのにで明らか怪しいと思うけど

なぜかすんなり入れた

それとも子供には寛容なのか


なにはともあれ王都到着

最初この世界に転生した時は村とは街なんてないと思ってたけど

そんなことはなかった

サラの話を聞くと俺が行った村はバンガ村というらしい

俺は大砲じゃないよ?

そして今来た王都はフェルースト王国という

サラも名前しかわからないらしい


とにかく次は宿だなもう日が落ちてあたりが暗い

明日にギルドでも探すとするか


「さてと、サラちゃんどうしよっか」


完全にわからんくなった

つかこんなに広いんなら地図ぐらい頂戴よパイクさん...


「わ、私、ここ初めて」


うんですよね

なんなら僕も初めてなんです

この世界が初めてなんです

デートやったら一瞬で終わってるわ

子供で助かったと初めて思った


「どうしよっかな」

「町の人に声をかけてみる...」

「あ、たしかにそうだな」


サラちゃん小さいけど意外と冷静なのかな

王都の大きさに飲まれて正常な判断ができなかった

けど言われてみれば町の人に聞くのが一番だろう


誰でもいいけどやさしそうな人に聞くか

とりあえずかわいい感じのお姉さんにきこう

うんそうしよう


「あのーすいません、僕たちここ初めてで

冒険者ギルドってどこにあるかわかりますか?」

「君たち...2人かい?ならちょうどよかった」


ん?なにがよかったんだ?


「私のところで働かないかい?」


んーそうなります?

一応町の人にぶつかったときの謝罪のシミュレーションをしてたのに

就職を断るなんて金がない今の俺にはできねーよ

最初はクエストでも受けて金稼ぎしようと思ったが

ここはいったん話聞いてみるか


「どんな仕事なんですか?」

「簡単さ客の注文を聞いて酒を運ぶだけさ」

「ちなみに給料は」

「5銀貨だ」


いわれてピンとこないかもしれないが

ラッピーの装備を作るのに3銀貨今回は安くしてもらって

2銀貨だった

3日で2銀貨


に対してこっちは1日5銀貨

金銭感覚バグるな

多少は王都だから高いっていうのもあるんだろうけど

反射的にいってしまった


「ここで働かせてください」

「なら5時ぐらいにこの店まで」


と言われ紙を渡された


もちろん字は読めなかったが

軽い地図になってたから多少わかった


ホワイト企業すぎじゃねと思いつつ5時を迎えた


「よう新入り私のことはアニーと呼びな」

「アニーさんこんにちは」

「今夜は忙しくなるからすぐに覚えてな」


するとやることは簡単に説明された

客に呼ばれたらオーダーを紙に書く

書き方はある程度覚えたし居酒屋での

バイトは元の世界でも経験あるから大丈夫だけど


サラが心配だ


「サラ大丈夫か?」

「うん大丈夫だけど」


なんだか楽しそうにしていた

これなら大丈夫だろ


あ、ちなみに俺の犬は多分大丈夫だろ

12時にはここに来るようにって言ってある




「おい新入り早く料理運びな」


「おい新入り早く皿洗え」


「おい新入り早くオーダーとってこい」


うん、ばり忙しかった

ちょいちょいサラのこと見てたけど

彼女はなんなくこなしてた気がする

一応僕たち子供なんですが

もうちょっとやさしく扱ってくれませんかね


でも意外と楽しい感じではあった

客の中には人ではなく獣族みたいなやつもいたし

意外とこの国は人以外の寛容な感じだな

俺らが普通にこの国に入れるのも腑に落ちた


すると閉店間際

白色の髪をした女の人が入ってきた

それが俺の目には一瞬でわかった


「アニーさん少しお願いします」

「ええけど、最後までちゃんとしーや」


そしてその入ってきた女に声をかけた


「おいラッピーここでなにしてる?」

「...はて誰ですかねその人は」

「飯抜くぞ」


俺は睨みながらいった


「主殿ぉ~お願いします、一杯でいいので飲ませてください

私だって一度酒というものを飲んでみたかったのですぅ~」


俺に抱き着きながら懇願してきた

俺はそこまで厳しい男じゃないから

そこまで言うんやったらいいよ


「わかったよ、そのかわり一杯だけな」

「主殿ぉ~一生ついていきます」


俺もうすうす気づいてはいた

人になれるってことを

なんなら最初から人だったのではないのかと


とりあえず掃除とか終わらせてお金を受け取り店を後にした


「今日泊るところどこにすっかな」

「主殿の代わりに私が見つけましたわ」

「お、お前まじかよ」


そういっているとサラと目が合った

ラッピーが人だったことに驚いたのか

呆気に取られているような顔をしていた


「ごめんごめん、今日はお疲れ」

「あ、これあの時のお礼...」


すると今日もらったお金を全部渡してきた

んーめっちゃうれしいんだけど

なんか違うんよな


「サラだめだよ、自分で働いたお金だ大切にしなさい」


なんか大人っぽいこといっちゃった

中身は大人見た目は子供だから仕方ない


「でも、あの時助けたお礼...

どうすればいいかわからない」


どうやら助けてくれた時のお礼を

自分で探していたらしい

まだ子供だからそんなことしなくてもいいのに...

特にお礼なんていらないし

むしろこんなかわいい子もらってしまったからには...

いかんいかんまだ俺は純粋な子供だ

でもお礼をしっかり返そうとするところは

親に似たんだろうな

そういや、サラのお母さん見てないような...

あんまり聞かないようにするか


「おぬしはお礼なんて考えなくてもよい」


するとラッピーがサラと話しかけていた


「おぬしはおぬしが決めた道を進むだけじゃ

たかがお礼だけで悩んでいるとこの先きついぞ」


なんだか説教というより場が和む感じがあった


「お礼してくれるのはいいけどもっと

自分も大切にしろよ」


俺はそう言ってラッピーがいってた宿についた


月が一番高く上った頃

そもそもあれは月なのかは確かではないが


一泊50銅貨

温泉付き!


そういう看板があったのが分かった


「ちなみにワンルームじゃ」


なぜ文字が読めたのか考えていると

ラッピーがそんな感じで言ってきた


ワンルーム?

3人いるのにワンルーム?

ワンルーム?犬部屋ってこと?

ちょっとよくわかんないや












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