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7 オリビエ視点

「オリビエ様、リヴィエラ公爵家のアレックス様が今年から学園に編入されるのですって。」

「まあ。」

 なんてこと。去年一年間わたくし達の憧れであるノワール様を振り回し、思い出に残るはずのわたくし達の学園行事を散々なものにした諸悪の根源がのうのうと編入するだなんて。

「しかも、寮の部屋割にまで手を回して卒業まで同室なんですて。」

 バキリ。私の手元の扇子が真っ二つに折れた。

「許せませんわ。わたくし、『ノワール様の学園生活を守る会』会長として、断固抗議いたしますわ。」



 わたくしの同志達は、家族と1日早く離れ前日には入寮を果たした。リヴィエラの馬車が学園の一キロ手前を通過した合図の狼煙があがる。


「各人配備につけ!」


 整然と同志達が持ち場に並ぶ。

悟られないように、楽しげに話しているようを装う。

 

 馬車が馬車止めに入ってくる。

髪飾りに手をやった。それを合図に門の付近にいた同志達が門を封鎖する。


「退路封鎖完了。」


 軽く手を挙げた。皆が一斉に馬車を取り囲む。


 もう、逃げられない。わたくし達は武装もしていないか弱い貴族令嬢、逃げ出す時に怪我でも負わせるようならば、退学処分に追い込んでやるわ。


 リヴィエラ公爵家と対立すれば、我が家も無事ではいられないのはわかっている。でも、我が学園一同の意志は変えられない。

 今日こそは逃がさないわよ、アレックス様。


 馬車の扉が内側から開いた。皆の予想に反して公爵令息ではなく、ノワール様が出ていらっしゃった。その逞しい腕でちいさく震える可憐な妖精の肩を抱いて。



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