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17 オリビエ

本日二話目です。よろしくお願いします。

 アレックス様の初授業、魔法実技基礎初級。


 我が学園の必須授業だけど、小さいファイヤーボールを出せたら即合格を貰える簡単な授業。

 はっきり言ってファイヤーボールを出せない生徒などいないから皆、上級か実技応用を取る。

 毎年一人か二人取る人がいれば良い授業だ。だけれども、今年は倍率20倍の超難関授業となった。


 万年日和見教師が、満員の教室にびびっている。

ただ、この教室で教師を真剣に見つめているのはアレックス様のみ、他はアレックス様とノワール様を注視している。

 もちろん、このわたくしも固唾を飲んで見守らせていただきますわ。


 真っ赤になって必死でファイヤーボールを出そうとする姿の愛らしさに皆微笑んでしまう。

 そんなに力んでもファイヤーボールは出ませんわよ。


 くるくる変わる表情が子犬みたいで愛らしい。うちの子も自分の尻尾を追いかけてくるくる回っていたっけ。


 しかも、横で手取り足取りアレックス様を指導なさるノワールの姿も素敵。

 でもわたくし思うんですの、ノワール様。ファイヤーボールの指導ではそんなに手を握ったり、指を絡めたりするのは必要ないと思いますの。

 いえ、責めてる訳ではありませんわ。見ている私達からすれば、眼福ですもの。

 あぁ、おふたりの顔が近い。顔を見合わせて笑うふたりにキュン死に寸前ですわ。

 ノワール様ありがとうございます。


 ふふ、子羊ちゃん達もたくさん見に来てくれているわね。でもね、我が会の入会試験は厳しくてよ。だって、気合い入れて作っていたもの、ヴィヴィアンが。皆さんせいぜい頑張りなさいな。ほーっほほ。


 その時くるりっと、辺りを見回したアレックス様が涙をためた真っ赤なお顔でわたくし達をきっと睨まれた。


 可愛い。可愛すぎて息が止まりそうだわ。


 教室は一気に静まり返った。


 あぁ、あの衝撃的な愛らしさ、なんとかして後世に遺したい。私は、隣に座るヴィヴィアンと手を取り合った。

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