表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

4/7

3話

 私が幸せになる計画を立ててから一年。

 

 私は十五歳になっていた。

 国のほぼ全ては手中に収めた。

 今の執務室で国の政務を行っている……のは魅了した駒。

 私はそれを見ながら優雅に紅茶を飲んでいる。

 

 あの女も計画通りに貶めた。

 

 今日、実家を追放させる予定になっている。

 

 実家だけではない……この国をも追放される手はずになっている。


「ねぇ、あの双子を呼んできてくれるかしら?」


 私はそばに控えていた騎士に声をかける。


「…………はっ!」


 きっちりと礼をして部屋を出ていく騎士。

 

「……フフ」


 あの女の元婚約者だ。

 今では魅了で私の虜。私の言うことには絶対服従だ。

 そんな人間がこの国には大量にいる。

 城内に至っては全て私の言いなりだ。


「ウフフ……フヒヒ……最高の気分ね」


 紅茶を飲みながら優雅に笑う私は本当に絵になると思う。

 そうしていると騎士が双子を連れてきた。 


「「なにか御用でしょうか」」


 双子の声が重なる。

 双子だけあってこんな話し方をすることが多い。別に狙ってやっているわけじゃないらしいけど。

 双子の体勢は……前世でいう土下座。

 私の前ではそうするように教育した。


「用がなければ呼ばないわ」


 座ったまま右側の姉の方の頭を踏みつけた。


「も、申し訳ありません」


 頭を踏まれたまま謝罪してきた。


「ふん……まあ、いいわ」


 そう言って足を降ろした。


 この双子も学園に通っていた同級生だ。

 伯爵家の娘で生意気にも『双星の美姫』とか呼ばれていた。

 ムカついたから奴隷にしてあげた。

 

 ムカつくけどなかなかに優秀らしく、そこそこ使える奴隷だ。


「アナタ達三人で実家を追放されたあの女を殺しなさい」

 

 私はそう命令を下した。


「…………あの女、とは?」


 騎士が私に質問する。


「分かったことを訊かないで。公爵家のあの女よ。お前の『元』婚約者でもあるわね」


 確認のために一応応えてあげる。


「追放されてこの国にいられなくなったアイツは隣国への境界である『死の森』へ向かうはずよ」


 追放された段階で、アイツには国家反逆の罪がかかるようにしてある。

 そのまま国に留まれば死ぬしかない。

 なら死を覚悟で『死の森』に向かうはず。

 そこしか逃げ道はないのだから。


「アナタ達で死の森に入ったあの女を殺してきなさい」

 

 話は終わり、と私は立ち上がり右手を扉の方向に突き出した。


「「「はっ!!」」」


 そう答え、三人は死の森へ向かっていった。


    


 


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ